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エピローグ【拓夢の話3】

止められない気持ち…

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「うまくできたね」

俺は、そう言って凛のおでこにキスをした。

「よかった」

「うん」

ベッドにゆっくり凛を寝かせる。

「いくよ」

「きて」

俺は、凛の中に入ってく。

「アッ」

ゆっくりと腰を動かしてく…。

「凛、痛くない?」

「大丈夫」

俺は、凛に優しくキスをする。

絡ませた舌、絡ませる指先…。

全部、全部、全部、愛しくて愛しくて堪らない。

ずっと、このまま繋がっていたい。

ずっと、このまま一緒にいたい。

無理な願いを書き消すように、俺は夢中で腰を打ち付ける。

「んんっ、ッッ」

凛の声と俺の息がゆっくりと重なり合う。

「ハァ、ハァ、ハァ」

「んっ、アッ、ァッ」

「凛、一緒にいこうか」

「うんッッ」

俺は、さらに腰を激しく打ち付けていた。

『ァァー』

お互いの声が、最高に重なりあって果てた。

「ハァ、凛、愛してる」

嬉しいのに、幸せなのに、涙が流れるのを感じる。悲恋で終わるのがわかっているこの恋を俺はどうしても繋ぎ止めていたい。

「ごめん。今、離れる」

「大丈夫だよ」

凛は、そう言って俺の涙を拭ってくれる。俺は、凛の胸に顔を埋める。

「少しだけ、このままでいたい」

「いいよ」

また、それが膨らむのを感じてる。

俺は、凛とこのままの関係を続けていきたかった。

「終わりたくない」

子供が駄々をこねるように、俺は凛の胸に手を当てながら言った。

「わかるよ」

凛は、そう言いながら俺の背中を撫でてくれる。

「このままいれるなら、死んだって構わない」

俺は、凛の胸を撫でながらそう言った。

「そうだね…。でも、死んだら無になるって言うじゃない?私は、拓夢にもう触れられないんでしょ?それって、悲しいよね」

「悲しいとかあるのかな?自由なんじゃない?」

「そうなのかな?でも、私は、こうやって抱き締めたいよ」

そう言って、凛は俺をギューって抱き締めるように手を動かす。

「そんな事したら、また…」

「このままは、駄目だよね」

「そんな風には、出来てないだろうから…。凛の身体に負担かかっちゃうしな」

「もう一回していいよ!」

凛は、そう言って俺の頬を撫でてくれる。

「休憩」

俺は、凛からゆっくり離れた。

「でも、これ」

「凛の身体に負担かけたくない。帰れなくなったら嫌だし。ハンバーグ食べれないのも困る」

俺は、いつものようにゴミ箱にそれを捨てながら話していた。

「大丈夫だよ!何回も出来るよ」

「何回ぐらいなら出来る?」

「数えた事ない」

「旦那さんと最近何回ぐらいした?」

「えっと…。うーん」

俺は、ティッシュを取って拭く。凛のそこもティッシュで拭いた。

「自分で出来るよ」

「いいじゃん。で、何回だった?」

「えっと…うーん」

「思い出せないなら、一回だったんじゃない?」

「違う!一回じゃない」

凛は、そう言いながら首を横に振ってる。

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