371 / 646
エピローグ【拓夢の話2】
どうしてなのだろうか?
しおりを挟む
「お風呂沸いたって」
「うん、行く」
凛が、蓮見を庇う理由が俺には思い付かなかった。だけど、それを聞く勇気もなかった。
凛と一緒に洗面所に来る、凛はさっき渡した服を洗濯機の上に置いてる。
「凛」
「何?」
「電気消そうか?」
「あっ、うん」
俺は、電気をパチンと消した。凛のブラウスを脱がして、ブラジャーのホックをはずす。この先、どんな事が起きても俺は凛の一番の味方でいたい。
「ありがとう」
凛は、そう言って笑った。闇に目が慣れてくると、うっすらと凛が見える。
「明後日、撮影終わったら帰るよな?」
凛は、お風呂場に入る。俺も服を脱いでついていく。
「うん。龍ちゃんと話ししたいから…」
「俺も、蓮見の娘に会ったりするよ」
「急がなくてもいいよ。今日、来たわけだし」
凛は、そう言って湯船のお湯を洗面器ですくって体にかけている。
「俺も貸して」
「うん」
チャポンと湯船に凛は入る。俺も、体を流してから湯船に入った。
「こんな風に過ごすのも、後二日だね」
「そうだな…」
「拓夢は、どんな人と一緒になるのかな?」
「ならないよ」
「なるよ」
俺は、凛の手を握りしめる。
「俺は、そんな話はしたくない。だって、俺は、今、凛が大切だから…」
「ありがとう」
凛が泣いてるのがわかる。このまま、一生傍にいたい。
「拓夢、今から話す事はね」
「うん」
「私の勝手な考えだから」
「うん」
「極論が過ぎるって思って聞いてくれる?」
「わかった」
そう言うと、凛は俺の手を握りしめてくる。
「私がね、龍ちゃんと別れて、拓夢を選んだとしてもね」
「うん」
「辿る結末は、同じなんだと思うの」
「そんな事…」
「あるんだよ」
凛は、そう言って笑ってるのがわかる。
「誰と一緒になっても、私の結婚生活は同じなの。勿論、結婚をせずにいるなら違うよ。だけど、結婚は同じ。何故だかわかる?」
「わからない」
俺は、凛の手を自分の頬に持っていく。
「私がね、変わらないからだよ」
凛は、そう言って俺の頬を撫でる。
「相手が代わっても私は変わらない。だから、私の結婚生活は同じなの。拓夢を選んでも、私はまた逃げたくなって…。次は、凛君とそうなるかもしれない。私が、変わらない限り…。相手を変えても同じ事を繰り返すの」
「凛……」
俺は、凛の手の甲にキスをする。
「だけどね、39年も生きてきた性格がね。たった、数ヵ月や数年で代わるなんて事はないの。人間(ひと)が代わるなんて…。死にかけない限りあり得ないから…」
「確かに、そうかもな」
それは、わかる。簡単に性格や考え方が変わるなんてあり得ない。
「私は、何十年先も変わらない。だから、どの人を選んでも…。私の化けの皮が剥がれれば、結局龍ちゃんと同じ結婚生活をするの」
そして、凛は左手で俺の右手を掴んで自分の頬に当てる。
「うん、行く」
凛が、蓮見を庇う理由が俺には思い付かなかった。だけど、それを聞く勇気もなかった。
凛と一緒に洗面所に来る、凛はさっき渡した服を洗濯機の上に置いてる。
「凛」
「何?」
「電気消そうか?」
「あっ、うん」
俺は、電気をパチンと消した。凛のブラウスを脱がして、ブラジャーのホックをはずす。この先、どんな事が起きても俺は凛の一番の味方でいたい。
「ありがとう」
凛は、そう言って笑った。闇に目が慣れてくると、うっすらと凛が見える。
「明後日、撮影終わったら帰るよな?」
凛は、お風呂場に入る。俺も服を脱いでついていく。
「うん。龍ちゃんと話ししたいから…」
「俺も、蓮見の娘に会ったりするよ」
「急がなくてもいいよ。今日、来たわけだし」
凛は、そう言って湯船のお湯を洗面器ですくって体にかけている。
「俺も貸して」
「うん」
チャポンと湯船に凛は入る。俺も、体を流してから湯船に入った。
「こんな風に過ごすのも、後二日だね」
「そうだな…」
「拓夢は、どんな人と一緒になるのかな?」
「ならないよ」
「なるよ」
俺は、凛の手を握りしめる。
「俺は、そんな話はしたくない。だって、俺は、今、凛が大切だから…」
「ありがとう」
凛が泣いてるのがわかる。このまま、一生傍にいたい。
「拓夢、今から話す事はね」
「うん」
「私の勝手な考えだから」
「うん」
「極論が過ぎるって思って聞いてくれる?」
「わかった」
そう言うと、凛は俺の手を握りしめてくる。
「私がね、龍ちゃんと別れて、拓夢を選んだとしてもね」
「うん」
「辿る結末は、同じなんだと思うの」
「そんな事…」
「あるんだよ」
凛は、そう言って笑ってるのがわかる。
「誰と一緒になっても、私の結婚生活は同じなの。勿論、結婚をせずにいるなら違うよ。だけど、結婚は同じ。何故だかわかる?」
「わからない」
俺は、凛の手を自分の頬に持っていく。
「私がね、変わらないからだよ」
凛は、そう言って俺の頬を撫でる。
「相手が代わっても私は変わらない。だから、私の結婚生活は同じなの。拓夢を選んでも、私はまた逃げたくなって…。次は、凛君とそうなるかもしれない。私が、変わらない限り…。相手を変えても同じ事を繰り返すの」
「凛……」
俺は、凛の手の甲にキスをする。
「だけどね、39年も生きてきた性格がね。たった、数ヵ月や数年で代わるなんて事はないの。人間(ひと)が代わるなんて…。死にかけない限りあり得ないから…」
「確かに、そうかもな」
それは、わかる。簡単に性格や考え方が変わるなんてあり得ない。
「私は、何十年先も変わらない。だから、どの人を選んでも…。私の化けの皮が剥がれれば、結局龍ちゃんと同じ結婚生活をするの」
そして、凛は左手で俺の右手を掴んで自分の頬に当てる。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
先生、生徒に手を出した上にそんな淫らな姿を晒すなんて失格ですよ
ヘロディア
恋愛
早朝の教室に、艶やかな喘ぎ声がかすかに響く。
それは男子学生である主人公、光と若手美人女性教師のあってはならない関係が起こすものだった。
しかしある日、主人公の数少ない友達である一野はその真実に気づくことになる…
【完結】愛に裏切られた私と、愛を諦めなかった元夫
紫崎 藍華
恋愛
政略結婚だったにも関わらず、スティーヴンはイルマに浮気し、妻のミシェルを捨てた。
スティーヴンは政略結婚の重要性を理解できていなかった。
そのような男の愛が許されるはずないのだが、彼は愛を貫いた。
捨てられたミシェルも貴族という立場に翻弄されつつも、一つの答えを見出した。
【完結】いてもいなくてもいい妻のようですので 妻の座を返上いたします!
ユユ
恋愛
夫とは卒業と同時に婚姻、
1年以内に妊娠そして出産。
跡継ぎを産んで女主人以上の
役割を果たしていたし、
円満だと思っていた。
夫の本音を聞くまでは。
そして息子が他人に思えた。
いてもいなくてもいい存在?萎んだ花?
分かりました。どうぞ若い妻をお迎えください。
* 作り話です
* 完結保証付き
* 暇つぶしにどうぞ
50歳前の離婚
家紋武範
恋愛
子なしの夫婦。夫は妻から離婚を切り出された。
子供が出来なかったのは妻に原因があった。彼女はそれを悔いていた。夫の遺伝子を残したいと常に思っていたのだ。
だから別れる。自分以外と結婚して欲しいと願って。
私をもう愛していないなら。
水垣するめ
恋愛
その衝撃的な場面を見たのは、何気ない日の夕方だった。
空は赤く染まって、街の建物を照らしていた。
私は実家の伯爵家からの呼び出しを受けて、その帰路についている時だった。
街中を、私の夫であるアイクが歩いていた。
見知った女性と一緒に。
私の友人である、男爵家ジェーン・バーカーと。
「え?」
思わず私は声をあげた。
なぜ二人が一緒に歩いているのだろう。
二人に接点は無いはずだ。
会ったのだって、私がジェーンをお茶会で家に呼んだ時に、一度顔を合わせただけだ。
それが、何故?
ジェーンと歩くアイクは、どこかいつもよりも楽しげな表情を浮かべてながら、ジェーンと言葉を交わしていた。
結婚してから一年経って、次第に見なくなった顔だ。
私の胸の内に不安が湧いてくる。
(駄目よ。簡単に夫を疑うなんて。きっと二人はいつの間にか友人になっただけ──)
その瞬間。
二人は手を繋いで。
キスをした。
「──」
言葉にならない声が漏れた。
胸の中の不安は確かな形となって、目の前に現れた。
──アイクは浮気していた。
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
私が死んだあとの世界で
もちもち太郎
恋愛
婚約破棄をされ断罪された公爵令嬢のマリーが死んだ。
初めはみんな喜んでいたが、時が経つにつれマリーの重要さに気づいて後悔する。
だが、もう遅い。なんてったって、私を断罪したのはあなた達なのですから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる