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エピローグ【凛の話2】

お前次第…

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私は、蓮見君のお腹を蹴飛ばして暴れる。必死で、抵抗するけど、力ずくで足を広げられる。そこに蓮見君が入ってくる。

「うー」

唇を離された。

「はぁ、やめて、お願い、許して」

「素直に受け入れないなら、全部マスコミに売っちゃおうかな?俺さ、知ってるんだよ!ずっと、見張ってたから…。星村拓夢が、駅前で凛を抱き締めたのも!二人が手を繋いで歩いてるのも!全部、写真に撮ったんだよなー」

「どうして?」

「言っただろ?俺は、雇われてるって」

蓮見君は、そう言って私を見つめるとこう言った。

「お前次第では、写真を渡さないでやってもいいぞ!SNOWROSEの拓夢は、不倫なんかしていなかったって報告してやってもいいぞ」

「わかった」

拓夢を守りたかった。

「賢いなー。偉いじゃないか!旦那にもバレたくないもんな」

龍ちゃんに、ここにいるのもバレたくはなかった。

「さあ!始めようか!凛」

そう言うと、蓮見君は私のブラウスを引きちぎる。ブチンとボタンが弾け飛んでいく。私の心も弾け飛んだ気がする。

「ハァ、ハァ。久しぶりだなー。これだよ。これ」

そう言って、ブラジャーをずらされると胸を舐められる。やっぱり、嫌。気持ち悪い。耐えられない。

「やめて、お願い。やっぱり、無理。これだけは、やめて」

「じゃあ、凛の近所に配ろうかなー。SNOWROSEの拓夢と抱き締め合ってる写真」

そう言うと、蓮見君はポケットから写真を取り出して私に見せる。

「抱き合う時は、ちゃんと周りを確認してからにしないとなー。せっかくだから、皆月龍次郎の実家にも送ろうか?」

「やめて…お願い。龍ちゃんを傷つけないで」

「はあ?傷つけてんのは、お前だろ?」

「許して」

「許すわけないだろ!不倫なんかしてさ!何、抱かれてんだよ!皆月龍次郎と結婚したのだって、俺は許してないんだぜ!いっそ、殺すか」

私は、その言葉に寒気と吐き気がする。

「やめて!龍ちゃんには、何もしないって約束だったはずでしょ?」

「そんな約束したかなー?」

「したでしょ」

「だったら、セックスさせろよ!凛」

「いや、やめて」

「妊娠しない女なんだから、いいだろ?」

私は、口を押さえられる。

「うー、うー」

やめて、いや、離して、叫んでるのに、言葉にならない。蓮見君のそれを感じ始める。気持ち悪い。くっつけないで…。
やめて…。

「ハァ、ハァ、いいね!凛!俺は、お前で毎晩してたよ。あの写真覚えてるだろ?それで、毎晩だよ。この匂い、その目、この肌、ゾクゾクするよ」

蓮見君は、私の耳に顔を押し付ける。気持ち悪い。離れて。

見ないようにして、横を向くと拓夢がいた。

拓夢は、しーと中指を唇に当てた。私は、目を伏せる。

「スーハー。いれたいよ、凛」

よりそれを感じる。ズボンを脱いだの?

「ハァ、ハァ」

ドサッ……。拓夢が、蓮見君を床に落とした。蓮見君を追いかけようとする拓夢の腕を私は掴んでいた。
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