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エピローグ【凛の話2】
現れた人達の声がする
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「ほら、見て!龍ちゃんと私がキスしてる写真」
彼女が何かを見せている。
「これを話した後に、そうなったんだから…」
そう言って、またさっきの音声を再生する。
「どうして、そんな嘘がつけるの」
理沙ちゃんは、さっきより怒っている。
「はぁ?嘘じゃないから」
「凛ちゃんの旦那さんは、そんな事言わない」
「本当だから、本当に言ったから!可愛そうだよねー。子供産めない人間って」
「それ以上、凛ちゃんを傷つけるのは理沙が許さない」
「離して」
理沙ちゃんは、彼女に向かって行ってる。
「理沙、やめろ」って声が聞こえて誰かが走ってくる。
「離して、こいつが凛ちゃんを傷つけたの!だから、理沙は許せないの」
私は、涙が止められなくて…。顔を上げて、彼女を見る勇気がなくて…。
「はぁ、はぁ、はぁ!お前、何してるんだよ」
「凛、凛が悪いんでしょ?こんなおばさんと初めてしちゃって!こんなのまで、送りつけてきて」
「ふざけんなよ!こんな事したって、僕は、お前を好きにならないから」
「どうしてよ、どうして、そんな酷い事言うの?」
「やっていい事と悪い事があるだろ?凛さんの旦那さんの所にも行くなんて最低だ」
「そんなのこいつが悪いからに決まってるじゃない。こいつはね…」
「はすみ、僕ははすみを許さないよ」
その会話に、凛君が来た事がわかった。「待って、凛。待ってよ」彼女がいなくなった事にホッとしていた。
「凛……」
私は、その言葉に顔をやっと上げれた。
「たく…む」
私は、拓夢に抱きついていた。もう、家に帰りたくなかった。龍ちゃんに、会いたくなかった。
理沙ちゃんとまっつんさんがいなくなって…。私は、拓夢の家に来てしまった。本当は、どこかホテルにでも泊まろうと思っていた。でも、拓夢の声に、私はすがりつきたかった。
龍ちゃんに、連絡をする。
プルルルー
『もしもし、凛!今、どこ?』
「ごめんね。暫く帰れない」
『そう』
「理沙ちゃんの家に泊まるから…。心配しないで」
『理沙ちゃんなら、安心だね!俺の事は、気にしないで』
「それじゃあ」
『凛……。ごめんな』
「何で?」
『何でもないから、忘れて』
プー、プー
私は、かけ直さなかった。龍ちゃんに、連絡しなかった。
ブブッ
【カレーは、食べるから】
そのメッセージに了解ってスタンプを送った。
龍ちゃんを信じたいのに頭の中をあの音声が流れていた。私は、逃げるように拓夢を求めた。駄目だって、わかっていた。頭では、よくないって思いながらも私は、拓夢に抱かれたかった。何もかも忘れたかった。拓夢が、龍ちゃんにたいして抱く焼き餅も好きだった。拓夢といるとホッとする。ずっと、このままここにいて何もかも忘れたかった。
彼女が何かを見せている。
「これを話した後に、そうなったんだから…」
そう言って、またさっきの音声を再生する。
「どうして、そんな嘘がつけるの」
理沙ちゃんは、さっきより怒っている。
「はぁ?嘘じゃないから」
「凛ちゃんの旦那さんは、そんな事言わない」
「本当だから、本当に言ったから!可愛そうだよねー。子供産めない人間って」
「それ以上、凛ちゃんを傷つけるのは理沙が許さない」
「離して」
理沙ちゃんは、彼女に向かって行ってる。
「理沙、やめろ」って声が聞こえて誰かが走ってくる。
「離して、こいつが凛ちゃんを傷つけたの!だから、理沙は許せないの」
私は、涙が止められなくて…。顔を上げて、彼女を見る勇気がなくて…。
「はぁ、はぁ、はぁ!お前、何してるんだよ」
「凛、凛が悪いんでしょ?こんなおばさんと初めてしちゃって!こんなのまで、送りつけてきて」
「ふざけんなよ!こんな事したって、僕は、お前を好きにならないから」
「どうしてよ、どうして、そんな酷い事言うの?」
「やっていい事と悪い事があるだろ?凛さんの旦那さんの所にも行くなんて最低だ」
「そんなのこいつが悪いからに決まってるじゃない。こいつはね…」
「はすみ、僕ははすみを許さないよ」
その会話に、凛君が来た事がわかった。「待って、凛。待ってよ」彼女がいなくなった事にホッとしていた。
「凛……」
私は、その言葉に顔をやっと上げれた。
「たく…む」
私は、拓夢に抱きついていた。もう、家に帰りたくなかった。龍ちゃんに、会いたくなかった。
理沙ちゃんとまっつんさんがいなくなって…。私は、拓夢の家に来てしまった。本当は、どこかホテルにでも泊まろうと思っていた。でも、拓夢の声に、私はすがりつきたかった。
龍ちゃんに、連絡をする。
プルルルー
『もしもし、凛!今、どこ?』
「ごめんね。暫く帰れない」
『そう』
「理沙ちゃんの家に泊まるから…。心配しないで」
『理沙ちゃんなら、安心だね!俺の事は、気にしないで』
「それじゃあ」
『凛……。ごめんな』
「何で?」
『何でもないから、忘れて』
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私は、かけ直さなかった。龍ちゃんに、連絡しなかった。
ブブッ
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そのメッセージに了解ってスタンプを送った。
龍ちゃんを信じたいのに頭の中をあの音声が流れていた。私は、逃げるように拓夢を求めた。駄目だって、わかっていた。頭では、よくないって思いながらも私は、拓夢に抱かれたかった。何もかも忘れたかった。拓夢が、龍ちゃんにたいして抱く焼き餅も好きだった。拓夢といるとホッとする。ずっと、このままここにいて何もかも忘れたかった。
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