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エピローグ【凛の話5】
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目覚めると私は、龍ちゃんに抱き締められていた。
「おはよう」
「おはよう」
見つめ合った視線が重なりあって、笑顔がこぼれ落ちた。いつも通りの朝を迎え、龍ちゃんはいつも通り仕事に行った。私も、いつも通り家の事を終わらせて買い物に出かける準備をする。
龍ちゃんと和解した事によって気分は晴れ晴れしていた。
「ステーキ?焼き肉?しゃぶしゃぶ?」
お祝いみたいなメニューにしようと考えていた。
ブブッ
【凛さんに大事な話があります。あの公園に来てもらえますか?3時に待っています】
凛君からのメッセージを見つめて固まっていた。最後に会ったのは、蓮見君の娘と会った時だった。だけど、話したりしなかった。ちゃんと終わらせなきゃ駄目かな…。私は、凛君に会いに行く事に決めた。服を着替えて、用意をすると家を出て歩き出す。龍ちゃんが帰ってくるまでに帰宅すればいいよね。時刻は、二時過ぎを回った所だった。私は、待ち合わせ場所に指定された公園へと向かう。駅について、電車に乗った。あの公園には、いい思い出はなかった。パンケーキのお店がある駅で降りる。
「凛ちゃん」
「理沙ちゃん、どうしたの?」
「パンケーキ食べにきたのー」
「一人で?」
「ううん。優太とだよ!凛ちゃんは?」
「凛君に公園に呼ばれたの」
「何で?」
「話があるからって」
「一人で、大丈夫?」
「大丈夫だよ!あっ、3時に待ち合わせだから行くね」
「うん。じゃあね」
私は、理沙ちゃんと別れて階段を駆け上がる。改札を抜けて、歩いて行く。行きたくない。あの公園に、あんまり行きたくない。パンケーキの店を通りすぎて、公園についた。
「やめて、お父さん。犯罪だよ」
女の人の叫び声が聞こえる。私は、鞄の中のスマホを取り出して、理沙ちゃんの番号を発信して鞄にしまった。
「凛さん、何で来たの?」
そこには、凛君がうずくまっていて…。私を見つけて、驚いた顔をしている。
「だから、来るって言っただろ?」
「何で?」
その人は、刃物を凛君に向けていた。
「会いたかったよ、凛。あの日は、邪魔されたからな」
私は、その人を知っている。蓮見君だった。
「凛さん、逃げて」
「うっせーな!ガキ」
「やめて、お父さん」
蓮見君は、凛君を蹴飛ばした。
「やめて…」
恐怖で足が動かない。
「何でだよ!こいつがいけないんだぞ!凛とキスなんかしてるから…。で、あんな音声まで撮らしてな!嫌だったろ?凛」
「お父さん、駄目」
蓮見君の娘さんは、叫んでいる。
「凛さん、逃げて」
凛君は、必死で蓮見君の足にしがみつこうとする。
「クソガキは、見とけ」
ドカッと凛君は、お腹を蹴りあげられる。
「やめて、蓮見君」
私がそう言うと、蓮見君は刃物を持って近づいてくる。
「危ないから、おろして」
「嫌だよ、凛!あの日の続きをしよう!そうだろ?」
そう言って、私に刃物を向けてくる。何で、また蓮見君はやってきたの?
どうして、また…。
「おはよう」
「おはよう」
見つめ合った視線が重なりあって、笑顔がこぼれ落ちた。いつも通りの朝を迎え、龍ちゃんはいつも通り仕事に行った。私も、いつも通り家の事を終わらせて買い物に出かける準備をする。
龍ちゃんと和解した事によって気分は晴れ晴れしていた。
「ステーキ?焼き肉?しゃぶしゃぶ?」
お祝いみたいなメニューにしようと考えていた。
ブブッ
【凛さんに大事な話があります。あの公園に来てもらえますか?3時に待っています】
凛君からのメッセージを見つめて固まっていた。最後に会ったのは、蓮見君の娘と会った時だった。だけど、話したりしなかった。ちゃんと終わらせなきゃ駄目かな…。私は、凛君に会いに行く事に決めた。服を着替えて、用意をすると家を出て歩き出す。龍ちゃんが帰ってくるまでに帰宅すればいいよね。時刻は、二時過ぎを回った所だった。私は、待ち合わせ場所に指定された公園へと向かう。駅について、電車に乗った。あの公園には、いい思い出はなかった。パンケーキのお店がある駅で降りる。
「凛ちゃん」
「理沙ちゃん、どうしたの?」
「パンケーキ食べにきたのー」
「一人で?」
「ううん。優太とだよ!凛ちゃんは?」
「凛君に公園に呼ばれたの」
「何で?」
「話があるからって」
「一人で、大丈夫?」
「大丈夫だよ!あっ、3時に待ち合わせだから行くね」
「うん。じゃあね」
私は、理沙ちゃんと別れて階段を駆け上がる。改札を抜けて、歩いて行く。行きたくない。あの公園に、あんまり行きたくない。パンケーキの店を通りすぎて、公園についた。
「やめて、お父さん。犯罪だよ」
女の人の叫び声が聞こえる。私は、鞄の中のスマホを取り出して、理沙ちゃんの番号を発信して鞄にしまった。
「凛さん、何で来たの?」
そこには、凛君がうずくまっていて…。私を見つけて、驚いた顔をしている。
「だから、来るって言っただろ?」
「何で?」
その人は、刃物を凛君に向けていた。
「会いたかったよ、凛。あの日は、邪魔されたからな」
私は、その人を知っている。蓮見君だった。
「凛さん、逃げて」
「うっせーな!ガキ」
「やめて、お父さん」
蓮見君は、凛君を蹴飛ばした。
「やめて…」
恐怖で足が動かない。
「何でだよ!こいつがいけないんだぞ!凛とキスなんかしてるから…。で、あんな音声まで撮らしてな!嫌だったろ?凛」
「お父さん、駄目」
蓮見君の娘さんは、叫んでいる。
「凛さん、逃げて」
凛君は、必死で蓮見君の足にしがみつこうとする。
「クソガキは、見とけ」
ドカッと凛君は、お腹を蹴りあげられる。
「やめて、蓮見君」
私がそう言うと、蓮見君は刃物を持って近づいてくる。
「危ないから、おろして」
「嫌だよ、凛!あの日の続きをしよう!そうだろ?」
そう言って、私に刃物を向けてくる。何で、また蓮見君はやってきたの?
どうして、また…。
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