477 / 646
エピローグ【凛の話5】
呼び出し
しおりを挟む
目覚めると私は、龍ちゃんに抱き締められていた。
「おはよう」
「おはよう」
見つめ合った視線が重なりあって、笑顔がこぼれ落ちた。いつも通りの朝を迎え、龍ちゃんはいつも通り仕事に行った。私も、いつも通り家の事を終わらせて買い物に出かける準備をする。
龍ちゃんと和解した事によって気分は晴れ晴れしていた。
「ステーキ?焼き肉?しゃぶしゃぶ?」
お祝いみたいなメニューにしようと考えていた。
ブブッ
【凛さんに大事な話があります。あの公園に来てもらえますか?3時に待っています】
凛君からのメッセージを見つめて固まっていた。最後に会ったのは、蓮見君の娘と会った時だった。だけど、話したりしなかった。ちゃんと終わらせなきゃ駄目かな…。私は、凛君に会いに行く事に決めた。服を着替えて、用意をすると家を出て歩き出す。龍ちゃんが帰ってくるまでに帰宅すればいいよね。時刻は、二時過ぎを回った所だった。私は、待ち合わせ場所に指定された公園へと向かう。駅について、電車に乗った。あの公園には、いい思い出はなかった。パンケーキのお店がある駅で降りる。
「凛ちゃん」
「理沙ちゃん、どうしたの?」
「パンケーキ食べにきたのー」
「一人で?」
「ううん。優太とだよ!凛ちゃんは?」
「凛君に公園に呼ばれたの」
「何で?」
「話があるからって」
「一人で、大丈夫?」
「大丈夫だよ!あっ、3時に待ち合わせだから行くね」
「うん。じゃあね」
私は、理沙ちゃんと別れて階段を駆け上がる。改札を抜けて、歩いて行く。行きたくない。あの公園に、あんまり行きたくない。パンケーキの店を通りすぎて、公園についた。
「やめて、お父さん。犯罪だよ」
女の人の叫び声が聞こえる。私は、鞄の中のスマホを取り出して、理沙ちゃんの番号を発信して鞄にしまった。
「凛さん、何で来たの?」
そこには、凛君がうずくまっていて…。私を見つけて、驚いた顔をしている。
「だから、来るって言っただろ?」
「何で?」
その人は、刃物を凛君に向けていた。
「会いたかったよ、凛。あの日は、邪魔されたからな」
私は、その人を知っている。蓮見君だった。
「凛さん、逃げて」
「うっせーな!ガキ」
「やめて、お父さん」
蓮見君は、凛君を蹴飛ばした。
「やめて…」
恐怖で足が動かない。
「何でだよ!こいつがいけないんだぞ!凛とキスなんかしてるから…。で、あんな音声まで撮らしてな!嫌だったろ?凛」
「お父さん、駄目」
蓮見君の娘さんは、叫んでいる。
「凛さん、逃げて」
凛君は、必死で蓮見君の足にしがみつこうとする。
「クソガキは、見とけ」
ドカッと凛君は、お腹を蹴りあげられる。
「やめて、蓮見君」
私がそう言うと、蓮見君は刃物を持って近づいてくる。
「危ないから、おろして」
「嫌だよ、凛!あの日の続きをしよう!そうだろ?」
そう言って、私に刃物を向けてくる。何で、また蓮見君はやってきたの?
どうして、また…。
「おはよう」
「おはよう」
見つめ合った視線が重なりあって、笑顔がこぼれ落ちた。いつも通りの朝を迎え、龍ちゃんはいつも通り仕事に行った。私も、いつも通り家の事を終わらせて買い物に出かける準備をする。
龍ちゃんと和解した事によって気分は晴れ晴れしていた。
「ステーキ?焼き肉?しゃぶしゃぶ?」
お祝いみたいなメニューにしようと考えていた。
ブブッ
【凛さんに大事な話があります。あの公園に来てもらえますか?3時に待っています】
凛君からのメッセージを見つめて固まっていた。最後に会ったのは、蓮見君の娘と会った時だった。だけど、話したりしなかった。ちゃんと終わらせなきゃ駄目かな…。私は、凛君に会いに行く事に決めた。服を着替えて、用意をすると家を出て歩き出す。龍ちゃんが帰ってくるまでに帰宅すればいいよね。時刻は、二時過ぎを回った所だった。私は、待ち合わせ場所に指定された公園へと向かう。駅について、電車に乗った。あの公園には、いい思い出はなかった。パンケーキのお店がある駅で降りる。
「凛ちゃん」
「理沙ちゃん、どうしたの?」
「パンケーキ食べにきたのー」
「一人で?」
「ううん。優太とだよ!凛ちゃんは?」
「凛君に公園に呼ばれたの」
「何で?」
「話があるからって」
「一人で、大丈夫?」
「大丈夫だよ!あっ、3時に待ち合わせだから行くね」
「うん。じゃあね」
私は、理沙ちゃんと別れて階段を駆け上がる。改札を抜けて、歩いて行く。行きたくない。あの公園に、あんまり行きたくない。パンケーキの店を通りすぎて、公園についた。
「やめて、お父さん。犯罪だよ」
女の人の叫び声が聞こえる。私は、鞄の中のスマホを取り出して、理沙ちゃんの番号を発信して鞄にしまった。
「凛さん、何で来たの?」
そこには、凛君がうずくまっていて…。私を見つけて、驚いた顔をしている。
「だから、来るって言っただろ?」
「何で?」
その人は、刃物を凛君に向けていた。
「会いたかったよ、凛。あの日は、邪魔されたからな」
私は、その人を知っている。蓮見君だった。
「凛さん、逃げて」
「うっせーな!ガキ」
「やめて、お父さん」
蓮見君は、凛君を蹴飛ばした。
「やめて…」
恐怖で足が動かない。
「何でだよ!こいつがいけないんだぞ!凛とキスなんかしてるから…。で、あんな音声まで撮らしてな!嫌だったろ?凛」
「お父さん、駄目」
蓮見君の娘さんは、叫んでいる。
「凛さん、逃げて」
凛君は、必死で蓮見君の足にしがみつこうとする。
「クソガキは、見とけ」
ドカッと凛君は、お腹を蹴りあげられる。
「やめて、蓮見君」
私がそう言うと、蓮見君は刃物を持って近づいてくる。
「危ないから、おろして」
「嫌だよ、凛!あの日の続きをしよう!そうだろ?」
そう言って、私に刃物を向けてくる。何で、また蓮見君はやってきたの?
どうして、また…。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
冷徹義兄の密やかな熱愛
橋本彩里(Ayari)
恋愛
十六歳の時に母が再婚しフローラは侯爵家の一員となったが、ある日、義兄のクリフォードと彼の親友の話を偶然聞いてしまう。
普段から冷徹な義兄に「いい加減我慢の限界だ」と視界に入れるのも疲れるほど嫌われていると知り、これ以上嫌われたくないと家を出ることを決意するのだが、それを知ったクリフォードの態度が急変し……。
※王道ヒーローではありません
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます
おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」
そう書き残してエアリーはいなくなった……
緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。
そう思っていたのに。
エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて……
※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
私も処刑されたことですし、どうか皆さま地獄へ落ちてくださいね。
火野村志紀
恋愛
あなた方が訪れるその時をお待ちしております。
王宮医官長のエステルは、流行り病の特効薬を第四王子に服用させた。すると王子は高熱で苦しみ出し、エステルを含めた王宮医官たちは罪人として投獄されてしまう。
そしてエステルの婚約者であり大臣の息子のブノワは、エステルを口汚く罵り婚約破棄をすると、王女ナデージュとの婚約を果たす。ブノワにとって、優秀すぎるエステルは以前から邪魔な存在だったのだ。
エステルは貴族や平民からも悪女、魔女と罵られながら処刑された。
それがこの国の終わりの始まりだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる