474 / 646
エピローグ【凛の話5】
連絡と和解
しおりを挟む
いつの間にか、眠っていた私は、朝を迎えていた。龍ちゃんと朝御飯を食べる事も出来ていなかった。今日で、拓夢の家から帰宅して3日が経っていた。私は、そろそろ、龍ちゃんと話し合いをしたいと思っていた。日中は、いつも通りやる事をした。夕方には、龍ちゃんと一緒に食べる晩御飯を作り、それが終わって私はダイニングの椅子に腰かけた。
ブー、ブー
座ったと同時にスマホが鳴った。
「もしもし」
『もしもし、凛』
「うん」
『また、掲示板が立って…。凛と一緒にいる写真が載せられてたんだ。一応、モザイクはかかってるんだけど…。迷惑かかったら、ごめんな』
「私は、全然いいよ!拓夢は?デビューとかに影響しない?不倫を叩かれたりしない?」
『今、相沢さんが動いてくれてる。だから、大丈夫だと思う。凛は、俺と不倫してなかったって思って堂々と過ごして』
「そんなの…」
『凛なら出来るよ!大丈夫だから』
「ごめんね。私が、あの日拓夢に会いに行ったから…。ごめんね。私のせいで」
『謝らないでよ!俺が、凛を求めた結果だから!あっ、ごめん。まっつんが来たから、切るわ!じゃあ』
「うん」
拓夢との電話が切れた。
ガチャ…。
「ただいま」
扉が開いて、龍ちゃんが帰ってきた。
「おかえりなさい」
「待っててくれたんだ」
「話し合いしたくて…」
「そうだな!ずっと、このままってわけにはいかないよな」
そう言って、龍ちゃんは着替えに行った。少しして、戻ってくる。
「龍ちゃん、色々知ってるんだよね?」
「何の事?」
「私がしてた事、色々」
龍ちゃんは、私の言葉に「知らない」と首を振った。
「嘘つかないで」
「嘘なんかついてないけど…」
龍ちゃんは、立ち上がってキッチンに行くと黒豆茶をいれて戻ってきた。
「わかってるのに、嘘つかないでいいよ!私、音声聞かされたから知ってる」
感情(きもち)が抑えられなくて、爆発しそうだった。
「その音声で、俺、酷い言葉言ってただろ?」
龍ちゃんは、そう言うと黒豆茶をゴクゴク飲んだ。私は、泣きながら首を縦に振る。
「俺も凛を傷つけた。だから、お互い様だな」
龍ちゃんは、やっぱり優しい。
「それに、俺、あの子に告白されてキスされそうになったんだぞ!断ったけどさ…。だから、お互い様」
「離婚しないの?」
龍ちゃんは、私の隣にやってきて私を抱き締めてくる。
「正直、触らないでって言われたのはショックだったし、家庭内別居になったのもショックだった。だけど、どっちも離婚する理由にはならないだろ?少なくとも、俺はならない」
「龍ちゃんは、優しすぎるんだよ」
「優しい所が好きだって言ってくれなかったっけ?」
「そうだったかな…」
「ハハハ。少なくとも俺には、凛が必要なんだ。だから、俺が死ぬまで付き合ってくれない?」
その言葉に、私は龍ちゃんを強く抱き締めていた。
ブー、ブー
座ったと同時にスマホが鳴った。
「もしもし」
『もしもし、凛』
「うん」
『また、掲示板が立って…。凛と一緒にいる写真が載せられてたんだ。一応、モザイクはかかってるんだけど…。迷惑かかったら、ごめんな』
「私は、全然いいよ!拓夢は?デビューとかに影響しない?不倫を叩かれたりしない?」
『今、相沢さんが動いてくれてる。だから、大丈夫だと思う。凛は、俺と不倫してなかったって思って堂々と過ごして』
「そんなの…」
『凛なら出来るよ!大丈夫だから』
「ごめんね。私が、あの日拓夢に会いに行ったから…。ごめんね。私のせいで」
『謝らないでよ!俺が、凛を求めた結果だから!あっ、ごめん。まっつんが来たから、切るわ!じゃあ』
「うん」
拓夢との電話が切れた。
ガチャ…。
「ただいま」
扉が開いて、龍ちゃんが帰ってきた。
「おかえりなさい」
「待っててくれたんだ」
「話し合いしたくて…」
「そうだな!ずっと、このままってわけにはいかないよな」
そう言って、龍ちゃんは着替えに行った。少しして、戻ってくる。
「龍ちゃん、色々知ってるんだよね?」
「何の事?」
「私がしてた事、色々」
龍ちゃんは、私の言葉に「知らない」と首を振った。
「嘘つかないで」
「嘘なんかついてないけど…」
龍ちゃんは、立ち上がってキッチンに行くと黒豆茶をいれて戻ってきた。
「わかってるのに、嘘つかないでいいよ!私、音声聞かされたから知ってる」
感情(きもち)が抑えられなくて、爆発しそうだった。
「その音声で、俺、酷い言葉言ってただろ?」
龍ちゃんは、そう言うと黒豆茶をゴクゴク飲んだ。私は、泣きながら首を縦に振る。
「俺も凛を傷つけた。だから、お互い様だな」
龍ちゃんは、やっぱり優しい。
「それに、俺、あの子に告白されてキスされそうになったんだぞ!断ったけどさ…。だから、お互い様」
「離婚しないの?」
龍ちゃんは、私の隣にやってきて私を抱き締めてくる。
「正直、触らないでって言われたのはショックだったし、家庭内別居になったのもショックだった。だけど、どっちも離婚する理由にはならないだろ?少なくとも、俺はならない」
「龍ちゃんは、優しすぎるんだよ」
「優しい所が好きだって言ってくれなかったっけ?」
「そうだったかな…」
「ハハハ。少なくとも俺には、凛が必要なんだ。だから、俺が死ぬまで付き合ってくれない?」
その言葉に、私は龍ちゃんを強く抱き締めていた。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
冷徹義兄の密やかな熱愛
橋本彩里(Ayari)
恋愛
十六歳の時に母が再婚しフローラは侯爵家の一員となったが、ある日、義兄のクリフォードと彼の親友の話を偶然聞いてしまう。
普段から冷徹な義兄に「いい加減我慢の限界だ」と視界に入れるのも疲れるほど嫌われていると知り、これ以上嫌われたくないと家を出ることを決意するのだが、それを知ったクリフォードの態度が急変し……。
※王道ヒーローではありません
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
裏切りの先にあるもの
マツユキ
恋愛
侯爵令嬢のセシルには幼い頃に王家が決めた婚約者がいた。
結婚式の日取りも決まり数か月後の挙式を楽しみにしていたセシル。ある日姉の部屋を訪ねると婚約者であるはずの人が姉と口づけをかわしている所に遭遇する。傷つくセシルだったが新たな出会いがセシルを幸せへと導いていく。
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
愛することをやめたら、怒る必要もなくなりました。今さら私を愛する振りなんて、していただかなくても大丈夫です。
石河 翠
恋愛
貴族令嬢でありながら、家族に虐げられて育ったアイビー。彼女は社交界でも人気者の恋多き侯爵エリックに望まれて、彼の妻となった。
ひとなみに愛される生活を夢見たものの、彼が欲していたのは、夫に従順で、家の中を取り仕切る女主人のみ。先妻の子どもと仲良くできない彼女をエリックは疎み、なじる。
それでもエリックを愛し、結婚生活にしがみついていたアイビーだが、彼の子どもに言われたたった一言で心が折れてしまう。ところが、愛することを止めてしまえばその生活は以前よりも穏やかで心地いいものになっていて……。
愛することをやめた途端に愛を囁くようになったヒーローと、その愛をやんわりと拒むヒロインのお話。
この作品は他サイトにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID 179331)をお借りしております。
私も処刑されたことですし、どうか皆さま地獄へ落ちてくださいね。
火野村志紀
恋愛
あなた方が訪れるその時をお待ちしております。
王宮医官長のエステルは、流行り病の特効薬を第四王子に服用させた。すると王子は高熱で苦しみ出し、エステルを含めた王宮医官たちは罪人として投獄されてしまう。
そしてエステルの婚約者であり大臣の息子のブノワは、エステルを口汚く罵り婚約破棄をすると、王女ナデージュとの婚約を果たす。ブノワにとって、優秀すぎるエステルは以前から邪魔な存在だったのだ。
エステルは貴族や平民からも悪女、魔女と罵られながら処刑された。
それがこの国の終わりの始まりだった。
【完結】殿下、自由にさせていただきます。
なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」
その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。
アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。
髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。
見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。
私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。
初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?
恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。
しかし、正騎士団は女人禁制。
故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。
晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。
身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。
そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。
これは、私の初恋が終わり。
僕として新たな人生を歩みだした話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる