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エピローグ【凛の話1】
沸き上がる感情
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暫くすると店員さんは、お水とお釣りを持ってやってきた。
「まだ、少しかかるみたいなんで!ゆっくりして下さい。お水とお釣りです」
「ありがとう」
「はい。またタクシーが来たら、声をかけさせてもらいますね」
「わかりました」
店員さんは、頭を下げていなくなった。龍ちゃんは、私にお水を渡してくれる。
「はい」
「ありがとう」
お酒を飲んでるせいで、さっきから龍ちゃんに聞きたくて堪らない。
「可愛らしい子だね、理沙さん。松田さんも凄くイケメンだったなー」
「龍ちゃんは、若い人が好きだもんね」
「ハハハ、何、それ?凛、酔ってる?」
龍ちゃんは、ニコニコ笑いながら私を見つめる。
「本当の事でしょ?龍ちゃんは、若い人が好きなの」
「俺は、凛が好きだよ!若い人とは、話合わないから」
「へー。そうなんだ」
嫌味を言ってる自覚がありながらも、私は、自分を押さえる事が出来なかった。
「俺にたいして、何かあるの?あるなら、聞くよ」
「別に」
私は、そう言って龍ちゃんを睨み付けて水を飲んだ。
「何か変だけど、どうした?」
「私に隠してる事ない?」
「別にないけど」
龍ちゃんは、そう言いながら水を飲んでる。
「私がライブに行ってた日、龍ちゃん何してた?坂東さんと会ったんでしょ?」
言うつもりなかったのに聞いてしまっていた。
「あー、コンビニにお酒買いに行ったらさー。女の人に道を聞かれたんだ。それで、坂東さんに声かけられた」
龍ちゃんは、そう言いながら目を左右に揺らしている。【嘘つき】私は、心の中で呟いていた。
「へー。そうなんだ」
「何、怒ってるの?」
龍ちゃんは、そう言って私の手を握りしめようとしてきた。私は、コップの水を取ってそれをかわした。【嘘つき】龍ちゃんにたいして、その気持ちが膨らんでくる。
「皆月さん、タクシー来ました」
「あっ、ありがとうございます」
店員さんが扉を開けて、そう言った。私と龍ちゃんは、部屋を出て行く。
「また、お待ちしています」
「ごちそうさまでした」
龍ちゃんは、店員さんにそう言って頭を下げる。二人で、タクシーに乗り込んだ。私は、すぐに眠ったフリをした。龍ちゃんは、スマホを取り出していた。私は、涙を流さないようにだけ気を付けながらいた。
「ついたよ、凛」
「うん、寝てた?」
「だなー。ありがとうございます」
龍ちゃんはそう言って、私は、二人でタクシーを降りる。並んで歩きながらも、龍ちゃんへの押さえる事の出来ない感情を感じていた。
ガチャガチャと龍ちゃんが鍵を開けてくれて、家の中に入る。
「まだ、少しかかるみたいなんで!ゆっくりして下さい。お水とお釣りです」
「ありがとう」
「はい。またタクシーが来たら、声をかけさせてもらいますね」
「わかりました」
店員さんは、頭を下げていなくなった。龍ちゃんは、私にお水を渡してくれる。
「はい」
「ありがとう」
お酒を飲んでるせいで、さっきから龍ちゃんに聞きたくて堪らない。
「可愛らしい子だね、理沙さん。松田さんも凄くイケメンだったなー」
「龍ちゃんは、若い人が好きだもんね」
「ハハハ、何、それ?凛、酔ってる?」
龍ちゃんは、ニコニコ笑いながら私を見つめる。
「本当の事でしょ?龍ちゃんは、若い人が好きなの」
「俺は、凛が好きだよ!若い人とは、話合わないから」
「へー。そうなんだ」
嫌味を言ってる自覚がありながらも、私は、自分を押さえる事が出来なかった。
「俺にたいして、何かあるの?あるなら、聞くよ」
「別に」
私は、そう言って龍ちゃんを睨み付けて水を飲んだ。
「何か変だけど、どうした?」
「私に隠してる事ない?」
「別にないけど」
龍ちゃんは、そう言いながら水を飲んでる。
「私がライブに行ってた日、龍ちゃん何してた?坂東さんと会ったんでしょ?」
言うつもりなかったのに聞いてしまっていた。
「あー、コンビニにお酒買いに行ったらさー。女の人に道を聞かれたんだ。それで、坂東さんに声かけられた」
龍ちゃんは、そう言いながら目を左右に揺らしている。【嘘つき】私は、心の中で呟いていた。
「へー。そうなんだ」
「何、怒ってるの?」
龍ちゃんは、そう言って私の手を握りしめようとしてきた。私は、コップの水を取ってそれをかわした。【嘘つき】龍ちゃんにたいして、その気持ちが膨らんでくる。
「皆月さん、タクシー来ました」
「あっ、ありがとうございます」
店員さんが扉を開けて、そう言った。私と龍ちゃんは、部屋を出て行く。
「また、お待ちしています」
「ごちそうさまでした」
龍ちゃんは、店員さんにそう言って頭を下げる。二人で、タクシーに乗り込んだ。私は、すぐに眠ったフリをした。龍ちゃんは、スマホを取り出していた。私は、涙を流さないようにだけ気を付けながらいた。
「ついたよ、凛」
「うん、寝てた?」
「だなー。ありがとうございます」
龍ちゃんはそう言って、私は、二人でタクシーを降りる。並んで歩きながらも、龍ちゃんへの押さえる事の出来ない感情を感じていた。
ガチャガチャと龍ちゃんが鍵を開けてくれて、家の中に入る。
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