318 / 646
エピローグ【凛の話1】
理沙ちゃんとご飯
しおりを挟む
『いただきます』
「はい、フォークとスプーン」
「ありがとう」
「写真撮らないの?」
「あっ、忘れてたー」
理沙ちゃんは、スマホを取り出してパシャパシャと撮った。
「あったかいうちに食べよう」
「うん」
私と理沙ちゃんは、熱々のカルボナーラを食べる。真ん中の黄身がオレンジ色で、潰すとパスタはオレンジに輝いていた。夕日みたいで綺麗だった。龍ちゃんと旅行に行った時に見たあの夕日みたい。
「泣く程、美味しかった?」
「ごめんね」
理沙ちゃんに、ハンカチを差し出される。
「食べた事ないぐらい感動してる」
「よかったー。チーズが最高なんだよ」
理沙ちゃんは、軽くウィンクをしてわかってるって合図をしてくれた。
『ごちそうさまでした』
私達は、パスタを食べ終わった。
「払うね」
「いいよ、私が出すから」
そう言って、理沙ちゃんはお金を払ってくれる。
「ありがとう」
「いいの、いいの」
理沙ちゃんは、そう言うと私を連れてく。
「どこに行くの?」
「人がいない場所」
そう言って、やってきたのはカラオケだった。
「電話かけるのには、いいでしょ?」
「うん」
案内された店内は、向こうと違ってプロ仕様だ。
「歌手の人が、レコーディングしてるのと同じだよね」
「そうだよね」
理沙ちゃんは、そう言いながらマイクを触っていた。
「凛ちゃん、番号」
「あっ、うん」
私は、理沙ちゃんにスマホから写真を見せる。
「えっと、080」
そう言いながら、理沙ちゃんは電話をかける。
「名前は?」
「適当、適当」
そう言って、理沙ちゃんは笑ってる。理沙ちゃんは、スピーカーにしてくれていた。
プルル、プルルー
『はい』
「あのー、すみません」
『誰?』
「遠藤ですが…」
『はあ?誰?』
「メモをもらって、もっと知りたいなら連絡を…って」
『あー、龍ちゃんの奥さん?』
私は、その言葉に固まって泣いていた。理沙ちゃんは、ポロポロ泣く私の手を握りしめてくれる。
「あの、何を知ってるんですか?」
『色々知ってるよー。いろいろ』
声を出して泣きそうになるから口を押さえる。
「どういう意味ですか?」
『あー、会って教えてあげる!龍ちゃんの事も、うちが知ってる奥さんの秘密も…』
「わかりました。いつ、どこに行けばいいですか?」
『そうだねー。二日後。パンケーキのお店の近くの公園で会わない?』
「何時に行けばいいですか?」
『時間は、12時ね!じゃあ、そういう事で。ハハハ』
たからかな笑い声が響いて、電話が切れる。
プー、プー。
「若い人だったね」
「うん」
私は、理沙ちゃんの手を握りしめる。
「大丈夫?」
「龍ちゃんって呼んでるの、私だけなの」
「どこかで話した事はない?」
「ないと思う」
理沙ちゃんは、不思議そうな顔をする。
「はい、フォークとスプーン」
「ありがとう」
「写真撮らないの?」
「あっ、忘れてたー」
理沙ちゃんは、スマホを取り出してパシャパシャと撮った。
「あったかいうちに食べよう」
「うん」
私と理沙ちゃんは、熱々のカルボナーラを食べる。真ん中の黄身がオレンジ色で、潰すとパスタはオレンジに輝いていた。夕日みたいで綺麗だった。龍ちゃんと旅行に行った時に見たあの夕日みたい。
「泣く程、美味しかった?」
「ごめんね」
理沙ちゃんに、ハンカチを差し出される。
「食べた事ないぐらい感動してる」
「よかったー。チーズが最高なんだよ」
理沙ちゃんは、軽くウィンクをしてわかってるって合図をしてくれた。
『ごちそうさまでした』
私達は、パスタを食べ終わった。
「払うね」
「いいよ、私が出すから」
そう言って、理沙ちゃんはお金を払ってくれる。
「ありがとう」
「いいの、いいの」
理沙ちゃんは、そう言うと私を連れてく。
「どこに行くの?」
「人がいない場所」
そう言って、やってきたのはカラオケだった。
「電話かけるのには、いいでしょ?」
「うん」
案内された店内は、向こうと違ってプロ仕様だ。
「歌手の人が、レコーディングしてるのと同じだよね」
「そうだよね」
理沙ちゃんは、そう言いながらマイクを触っていた。
「凛ちゃん、番号」
「あっ、うん」
私は、理沙ちゃんにスマホから写真を見せる。
「えっと、080」
そう言いながら、理沙ちゃんは電話をかける。
「名前は?」
「適当、適当」
そう言って、理沙ちゃんは笑ってる。理沙ちゃんは、スピーカーにしてくれていた。
プルル、プルルー
『はい』
「あのー、すみません」
『誰?』
「遠藤ですが…」
『はあ?誰?』
「メモをもらって、もっと知りたいなら連絡を…って」
『あー、龍ちゃんの奥さん?』
私は、その言葉に固まって泣いていた。理沙ちゃんは、ポロポロ泣く私の手を握りしめてくれる。
「あの、何を知ってるんですか?」
『色々知ってるよー。いろいろ』
声を出して泣きそうになるから口を押さえる。
「どういう意味ですか?」
『あー、会って教えてあげる!龍ちゃんの事も、うちが知ってる奥さんの秘密も…』
「わかりました。いつ、どこに行けばいいですか?」
『そうだねー。二日後。パンケーキのお店の近くの公園で会わない?』
「何時に行けばいいですか?」
『時間は、12時ね!じゃあ、そういう事で。ハハハ』
たからかな笑い声が響いて、電話が切れる。
プー、プー。
「若い人だったね」
「うん」
私は、理沙ちゃんの手を握りしめる。
「大丈夫?」
「龍ちゃんって呼んでるの、私だけなの」
「どこかで話した事はない?」
「ないと思う」
理沙ちゃんは、不思議そうな顔をする。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
先生、生徒に手を出した上にそんな淫らな姿を晒すなんて失格ですよ
ヘロディア
恋愛
早朝の教室に、艶やかな喘ぎ声がかすかに響く。
それは男子学生である主人公、光と若手美人女性教師のあってはならない関係が起こすものだった。
しかしある日、主人公の数少ない友達である一野はその真実に気づくことになる…
【完結】愛に裏切られた私と、愛を諦めなかった元夫
紫崎 藍華
恋愛
政略結婚だったにも関わらず、スティーヴンはイルマに浮気し、妻のミシェルを捨てた。
スティーヴンは政略結婚の重要性を理解できていなかった。
そのような男の愛が許されるはずないのだが、彼は愛を貫いた。
捨てられたミシェルも貴族という立場に翻弄されつつも、一つの答えを見出した。
私をもう愛していないなら。
水垣するめ
恋愛
その衝撃的な場面を見たのは、何気ない日の夕方だった。
空は赤く染まって、街の建物を照らしていた。
私は実家の伯爵家からの呼び出しを受けて、その帰路についている時だった。
街中を、私の夫であるアイクが歩いていた。
見知った女性と一緒に。
私の友人である、男爵家ジェーン・バーカーと。
「え?」
思わず私は声をあげた。
なぜ二人が一緒に歩いているのだろう。
二人に接点は無いはずだ。
会ったのだって、私がジェーンをお茶会で家に呼んだ時に、一度顔を合わせただけだ。
それが、何故?
ジェーンと歩くアイクは、どこかいつもよりも楽しげな表情を浮かべてながら、ジェーンと言葉を交わしていた。
結婚してから一年経って、次第に見なくなった顔だ。
私の胸の内に不安が湧いてくる。
(駄目よ。簡単に夫を疑うなんて。きっと二人はいつの間にか友人になっただけ──)
その瞬間。
二人は手を繋いで。
キスをした。
「──」
言葉にならない声が漏れた。
胸の中の不安は確かな形となって、目の前に現れた。
──アイクは浮気していた。
50歳前の離婚
家紋武範
恋愛
子なしの夫婦。夫は妻から離婚を切り出された。
子供が出来なかったのは妻に原因があった。彼女はそれを悔いていた。夫の遺伝子を残したいと常に思っていたのだ。
だから別れる。自分以外と結婚して欲しいと願って。
【完結】いてもいなくてもいい妻のようですので 妻の座を返上いたします!
ユユ
恋愛
夫とは卒業と同時に婚姻、
1年以内に妊娠そして出産。
跡継ぎを産んで女主人以上の
役割を果たしていたし、
円満だと思っていた。
夫の本音を聞くまでは。
そして息子が他人に思えた。
いてもいなくてもいい存在?萎んだ花?
分かりました。どうぞ若い妻をお迎えください。
* 作り話です
* 完結保証付き
* 暇つぶしにどうぞ
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
【完結】捨てられ正妃は思い出す。
なか
恋愛
「お前に食指が動くことはない、後はしみったれた余生でも過ごしてくれ」
そんな言葉を最後に婚約者のランドルフ・ファルムンド王子はデイジー・ルドウィンを捨ててしまう。
人生の全てをかけて愛してくれていた彼女をあっさりと。
正妃教育のため幼き頃より人生を捧げて生きていた彼女に味方はおらず、学園ではいじめられ、再び愛した男性にも「遊びだった」と同じように捨てられてしまう。
人生に楽しみも、生きる気力も失った彼女は自分の意志で…自死を選んだ。
再び意識を取り戻すと見知った光景と聞き覚えのある言葉の数々。
デイジーは確信をした、これは二度目の人生なのだと。
確信したと同時に再びあの酷い日々を過ごす事になる事に絶望した、そんなデイジーを変えたのは他でもなく、前世での彼女自身の願いであった。
––次の人生は後悔もない、幸福な日々を––
他でもない、自分自身の願いを叶えるために彼女は二度目の人生を立ち上がる。
前のような弱気な生き方を捨てて、怒りに滾って奮い立つ彼女はこのくそったれな人生を生きていく事を決めた。
彼女に起きた心境の変化、それによって起こる小さな波紋はやがて波となり…この王国でさえ変える大きな波となる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる