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エピローグ【凛の話1】
拓夢との最後の時間
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拓夢との時間が終わりを向かえた。私は、やってきた最終電車に乗り込んだ。
これから、私達が進んでいく道のりに、この関係が駄目な事ぐらい私にだってわかる。
とぼとぼと歩く。
家の近くについた。
鍵を開けて、中に入る。龍ちゃんは、もうとっくに寝ている。
鍵を閉めて靴を脱いで家の中に上がる。リビングで、ショルダーバックをおろして椅子に引っ掻けて洗面所に行く。
私は、お風呂場のシャワーを捻った。洗面所の鏡の私を見つめる。
もっと、拓夢と過ごしたかった。もっと、拓夢と…。もっとが溢れて止まらなかった。
私は、服を脱いでシャワーを浴びる。痕跡を消すように、頭を体を丁寧に洗う。
あの時、拓夢が自分となら子供が出来るかもしれないと言った時…。私の絶望が濃くなったのを感じた。簡単に出来るなら、どんなによかっただろう。私は、シャワーを止めてあがる。
頭や体を丁寧に拭いて、下着を履いてから部屋着に着替えた。
裏切られ続けた体に、何の期待もしてなかった。拓夢に抱かれながら、もしかしたら何て夢を見たのも事実だった。いつかの誰かが話していた。「若い人だったら元気だから!すぐに妊娠しちゃうわよ」その夫婦は本当にすぐに妊娠していた。そう考えると拓夢は、若い。だから、もしかしてって抱かれながら過った。
でも、私は若くはない。それに、治療を継続出来ない限り確率はほぼ0(ゼロ)。
医者が言ってるだけだから、わからない。そうかも知れないけれど、私は自分の体を理解している。どう考えても排卵をしている気配はない。龍ちゃんが言った通りだった。私も、感じない。治療していた時のあの感覚を感じない。
そして、治療していたけれど一度も妊娠出来なかったのもまた事実。化学流産と呼ばれたあの一度以外検査薬は反応しなかった。そして、排卵検査薬も治療をする前は真っ白だった。
ドライヤーのスイッチを押して髪を乾かす。もしも、私が普通に子供を産める体で拓夢と不倫していたら?拓夢の赤ちゃんを欲しがったかな?いや、出会う事すらなかったよね。絶望したから、私は拓夢に出会った。普通に赤ちゃんが出来る人なら、絶望なんてしなかっただろうから…。
私は、ドライヤーを止めた。キッチンに行って、水を飲んだ。
結局、普通なんてものを私は手に入(い)れられないとわかってる。
「はぁー」
自分でも、ビックリするぐらいの大きなため息が出た。私は、キラキラと光るガラスのコップを置く。リビングにかけたバッグからスマホを取り出して拓夢にメッセージを送った。
すぐに既読がつくのかと思ったけど、つかなかった。
「寝よう」
少しだけガッカリした気持ちになった私は、トボトボと洗面所に向かった。
これから、私達が進んでいく道のりに、この関係が駄目な事ぐらい私にだってわかる。
とぼとぼと歩く。
家の近くについた。
鍵を開けて、中に入る。龍ちゃんは、もうとっくに寝ている。
鍵を閉めて靴を脱いで家の中に上がる。リビングで、ショルダーバックをおろして椅子に引っ掻けて洗面所に行く。
私は、お風呂場のシャワーを捻った。洗面所の鏡の私を見つめる。
もっと、拓夢と過ごしたかった。もっと、拓夢と…。もっとが溢れて止まらなかった。
私は、服を脱いでシャワーを浴びる。痕跡を消すように、頭を体を丁寧に洗う。
あの時、拓夢が自分となら子供が出来るかもしれないと言った時…。私の絶望が濃くなったのを感じた。簡単に出来るなら、どんなによかっただろう。私は、シャワーを止めてあがる。
頭や体を丁寧に拭いて、下着を履いてから部屋着に着替えた。
裏切られ続けた体に、何の期待もしてなかった。拓夢に抱かれながら、もしかしたら何て夢を見たのも事実だった。いつかの誰かが話していた。「若い人だったら元気だから!すぐに妊娠しちゃうわよ」その夫婦は本当にすぐに妊娠していた。そう考えると拓夢は、若い。だから、もしかしてって抱かれながら過った。
でも、私は若くはない。それに、治療を継続出来ない限り確率はほぼ0(ゼロ)。
医者が言ってるだけだから、わからない。そうかも知れないけれど、私は自分の体を理解している。どう考えても排卵をしている気配はない。龍ちゃんが言った通りだった。私も、感じない。治療していた時のあの感覚を感じない。
そして、治療していたけれど一度も妊娠出来なかったのもまた事実。化学流産と呼ばれたあの一度以外検査薬は反応しなかった。そして、排卵検査薬も治療をする前は真っ白だった。
ドライヤーのスイッチを押して髪を乾かす。もしも、私が普通に子供を産める体で拓夢と不倫していたら?拓夢の赤ちゃんを欲しがったかな?いや、出会う事すらなかったよね。絶望したから、私は拓夢に出会った。普通に赤ちゃんが出来る人なら、絶望なんてしなかっただろうから…。
私は、ドライヤーを止めた。キッチンに行って、水を飲んだ。
結局、普通なんてものを私は手に入(い)れられないとわかってる。
「はぁー」
自分でも、ビックリするぐらいの大きなため息が出た。私は、キラキラと光るガラスのコップを置く。リビングにかけたバッグからスマホを取り出して拓夢にメッセージを送った。
すぐに既読がつくのかと思ったけど、つかなかった。
「寝よう」
少しだけガッカリした気持ちになった私は、トボトボと洗面所に向かった。
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