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拓夢の最後の話2
ポッカリ開いた隙間
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「帰るか」ポソっと呟いて、俺は歩き出した。電光掲示板に、電車の案内が消えていた。凛が、乗ったのがわかった。
さっきまで、キラキラしていた景色は、夜の深い闇に飲み込まれてる。【漆黒の闇が広がって、躊躇いながら歩くしかない】大昔に読んだ小説の文章を思い出した。怖い話だったっけな?確か、向こう側には行きたくないって気持ちだったと思う。俺も、それを強く感じる。凛がいないあの場所(いえ)に帰りたくない。
それでも、帰らなくちゃならなくて…。俺は、トボトボと家に向かって歩いて行く。気分は、最悪だ。「もっと続けたかった」俺も凛と同じだった。世間に何と言われようが、旦那さんに怨まれようが…。俺も、もっと続けたかった。いつか凛の絶望が完全に消えて「バイバイ、もう拓夢は必要ないよ」って言われるまで一緒に過ごしたかった。その日まで、お互いを貪り食いたかった。もう、俺の身体が凛じゃなきゃ感じなくなるまで…。
「たりねーよ」俺は、小さく呟いて道路を蹴飛ばした。こんなんじゃ足りない。もっと、もっと、もっと…凛が欲しかった。
「ほしむーらさん」
帰宅すると隣の人に声をかけられた。
「こんばんは」
「ほしーむらさん!いまきたく?」
「あー、送りに行って帰ってきました」
「そうですかー」
隣人は、不思議な顔をしていた。
「どうしました?誰か来てましたか?」
「あー、はい。いなくなりました。声かけたら」
「どんな人ですか?」
「どんな?おんなだたよ!ただ、ほしーむらさんにようじって聞いたらはしってった」
「誰かな?」
「また、くるね」
「ですね」
「おやすみなさい」
「おやすみなさい」
俺は、気にも止めずに頭を下げて家の鍵をあける。もしかしたら、明日花ちゃんか美沙だろうって思っていたから…。
ガチャ…
玄関に入って、鍵を閉める。さっきまでいた、凛の存在のない真っ暗な家。
「凛、俺、もっと凛を知りたかった」
その場に崩れ落ちてく。俺は、玄関にうずくまって泣く。
「もっと、俺を振り回してくれてよかったんだよ」
涙が頬をつたうのがわかる。もっと、凛と過ごしたかった。もっと、凛と続けたかった。もっと、凛を抱きたかった。本心が溢れてくる。
俺は、ゆっくり起き上がった。リビングに行くと棚からノートを取り出した。忘れたくない、この気持ちを忘れたくない。
俺は、必死でノートに感情を書いていく。俺には、これしかない。凛に残してあげれるものは、もうこれしかないから…。俺は、朝日が昇るまで、ひたすらノートに書き続けていた。ポッカリ開いた隙間を埋めるように…。
さっきまで、キラキラしていた景色は、夜の深い闇に飲み込まれてる。【漆黒の闇が広がって、躊躇いながら歩くしかない】大昔に読んだ小説の文章を思い出した。怖い話だったっけな?確か、向こう側には行きたくないって気持ちだったと思う。俺も、それを強く感じる。凛がいないあの場所(いえ)に帰りたくない。
それでも、帰らなくちゃならなくて…。俺は、トボトボと家に向かって歩いて行く。気分は、最悪だ。「もっと続けたかった」俺も凛と同じだった。世間に何と言われようが、旦那さんに怨まれようが…。俺も、もっと続けたかった。いつか凛の絶望が完全に消えて「バイバイ、もう拓夢は必要ないよ」って言われるまで一緒に過ごしたかった。その日まで、お互いを貪り食いたかった。もう、俺の身体が凛じゃなきゃ感じなくなるまで…。
「たりねーよ」俺は、小さく呟いて道路を蹴飛ばした。こんなんじゃ足りない。もっと、もっと、もっと…凛が欲しかった。
「ほしむーらさん」
帰宅すると隣の人に声をかけられた。
「こんばんは」
「ほしーむらさん!いまきたく?」
「あー、送りに行って帰ってきました」
「そうですかー」
隣人は、不思議な顔をしていた。
「どうしました?誰か来てましたか?」
「あー、はい。いなくなりました。声かけたら」
「どんな人ですか?」
「どんな?おんなだたよ!ただ、ほしーむらさんにようじって聞いたらはしってった」
「誰かな?」
「また、くるね」
「ですね」
「おやすみなさい」
「おやすみなさい」
俺は、気にも止めずに頭を下げて家の鍵をあける。もしかしたら、明日花ちゃんか美沙だろうって思っていたから…。
ガチャ…
玄関に入って、鍵を閉める。さっきまでいた、凛の存在のない真っ暗な家。
「凛、俺、もっと凛を知りたかった」
その場に崩れ落ちてく。俺は、玄関にうずくまって泣く。
「もっと、俺を振り回してくれてよかったんだよ」
涙が頬をつたうのがわかる。もっと、凛と過ごしたかった。もっと、凛と続けたかった。もっと、凛を抱きたかった。本心が溢れてくる。
俺は、ゆっくり起き上がった。リビングに行くと棚からノートを取り出した。忘れたくない、この気持ちを忘れたくない。
俺は、必死でノートに感情を書いていく。俺には、これしかない。凛に残してあげれるものは、もうこれしかないから…。俺は、朝日が昇るまで、ひたすらノートに書き続けていた。ポッカリ開いた隙間を埋めるように…。
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