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凛の最後の話2

メッセージ

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私と龍ちゃんは、同時に言ってオムライスを食べ始める。二人で生きてくって案外楽しい気がしてきた。誰に気を使わなくてもいい。子供みたいにはしゃげて、感情(きもち)の赴くままに生きていける。好きな時間に好きな事をして…。さっき、龍ちゃんが言ってたみたいに行儀悪い事だって出来るんだ。

「うまいな!」

「本当、美味しいね」

「たまには、来たいね!でも、和風とかになってくのかな?」

「そうかもね」

私は、龍ちゃんと笑い合った。私達は、年老いていくだけ。周りの家族連れのようにキラキラしたような未来はなくて…。終活していくんだと思う。でも、それは悲しい生き方だろうか?人は誰しも終わりがやってくる。最後の瞬間に迷惑をかけないように、私達は誰よりも早く終わりを意識しなくちゃならない。でも、その分、気楽に過ごせるのではないだろうか?子供がいたらと考える。色んなものを残そうと考えるだろう…。そして、子供の未来を心配する。大丈夫だろうか?ちゃんと生きていけるだろうか?絶対、自分が先に死ぬのがわかってる。いなくなった後の事まで考えなきゃならない。

「うまかった」

龍ちゃんの言葉に、ぼんやりしていた景色は輪郭を取り戻した。私もボッーとしながら、スプーンを進めていた。

『ごちそうさまでした』

一緒に食べ終わった。

「行くか!」

「うん」

立ち上がって、お会計をする。龍ちゃんが支払ってくれる。店を出て、手を繋いで歩き出す。

「龍ちゃん」

「どうした?」

「ありがとう」

「別にいいよ」

「オムライスじゃなくて、色んな事」

「気にすんな」

そう言って、手を握りしめてくれる。生きるって難しい。でも、龍ちゃんとならやっぱり私。生きていけるよ。

ブー、ブー

鞄のスマホが鳴っていた。車までやってきて乗り込んだ。

「さあ、お肉屋寄って帰るか」

「うん」

龍ちゃんが、車を発進する。私は、鞄からスマホを取り出した。

【明日、6時からライブがあります。よかったら、来てくれない?】

拓夢からのメッセージだった。私は、返信しなかった。

ブー、ブー

【明日、もしかしたら当日チケット販売するかもしれない。11時半ぐらいには会場に行きたいんだけど…。凛ちゃん、大丈夫かな?】

理沙ちゃんから、メッセージが届いた。

【聞いてみる】

私は、送信した。拓夢に何て返そう。直接行って話す方がいいかな?

「ここだな!」

「高そうだね」

「高いだろうな」

龍ちゃんは、お肉屋さんで車を停める。【むらい】と書かれた看板が下がっている。凄くおしゃれな看板で、見るからに高そうな気がした。車を降りて、店内に入る。

「いらっしゃいませ」

ディスプレイされてるお肉は、どれも綺麗なお肉が並んでる。
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