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凛の最後の話2

朝御飯と出発

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「にがっ」

「目玉焼き、焦げた」

龍ちゃんは、私の言葉にそう言った。

「後、味噌汁濃いから」

言われる前に言い訳をする。

「それから、ウインナーも苦い」

言われる前に、そう言った。

私は、笑ってしまった。

「いちいち言わなくてもいいよ」

「だって、にが!って言うだろ?」

「言うだろうねー」

「だから、先に言っといた」

「そっか!」

「凛、あのさ、人間って弱いから支えて欲しくなるんだよな!でもさ、一人で生きれる人って凄いよなー。それと、子供いない人も強いと思うよ!だから、俺達も強いな」

「イケメンみたいに言わなくていいから」

私は、龍ちゃんに突っ込んだ。龍ちゃんは、ニコニコしながらご飯を食べてる。弱いか強いかは、わからない。でも、私はゆきゆきコンビのように誰かを叩きたくはない。辛い想いを抱えてる人を槍でさすような人間にはなりたくない。

「ケチャップかけたら、マシかも!はい」

「ありがとう」

私と龍ちゃんは、朝御飯を食べる。

「凛」

「何?」

「明日は、何する?」

明日……。

「まだ、考えてない」

「そっか!じゃあ、映画行く用意しようか」

「うん」

『ごちそうさまでした』

私と龍ちゃんは、ご飯を食べ終わった。シンクにお皿を置いた。

「昨日、コップ片付けてくれてありがとう」

「あー、全然。凛が、怪我したら大変だから」

「ごめんね。忘れてた」

「いいよ!気づいた方がやればさ」

そう言って、龍ちゃんはお皿を洗ってくれてる。気づいた方がやるって方式にいつの間にか変わった。専業主婦なら、家事はやって当たり前!そんな言葉を龍ちゃんは、私に一度も言った事はなかった。

「凛、用意して行こう」

「うん」

龍ちゃんは、お皿を洗い終わった。私と龍ちゃんは、寝室にあるクローゼットから服を取り出しに行く。

「何着てくの?」

「これかな?」

「化粧するだろ?待ってる」

「うん!軽くね」

私は、軽く化粧をした。ふんわりとした印象になるスカートを履く。キャミソールと七分袖のカーディガンを着る。龍ちゃんは、くるぶし丈のパンツとシャツを着ている。

「めっちゃ綺麗だよ」

「褒めても何も出ないから」

「そう!飴ぐらいくれたらいいのに」

「まこさんは、飴くれた?」

「おばちゃんじゃないからくれないよ!行こうか」

「うん」

龍ちゃんと映画に行くのは、久しぶりだった。

「シートベルトしてよ」

「わかってる」

月に数回しか乗らない軽自動車に乗り込んだ。私が、子連れを見たくないって気づいた龍ちゃんが買ってきた車。電車は、子供連れを見る確率が多いからって言って買ってきた。
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