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拓夢の最後の話

ライブ

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ライブハウスに入ると相沢さんが待っていた。

「衣装持ってきた?」

「はい」

みんな、スーツケースを引いていて、俺以外は楽器を持っている。

「今回は、これを用意してるんだけど…。サイズ合うかな?」

そう言って、相沢さんが渡してきたのは、真っ白なスーツだった。

「曲のイメージを聞いて、これを着てもらいたいと思ったんだよ!」

そう言われて、俺達はサイズを見てスーツを取る。

「よかった!合うサイズがあって」

そう言って、相沢さんは笑ってる。

「靴もあるかな?」

靴まで、真っ白だった。

「完璧だ!いけるよ」

そう言って、相沢さんは笑ってくれる。化粧や髪型をやってもらう事なんて初めてだった。相沢さんのイメージした、SNOWROSE(スノーローズ)に作りかえられて、あっという間にライブが始まった。

「皆さん、こんばんは」

その声に、相沢さんが見に行く。俺達は、モニターを見せられている。

milkが現れて会場は色めき立っていた。

「キャーー」

milkのライブが一時間ほど始まった。

「悲しいけど、今日はお別れだよー」

「えーー」

「でもね、皆さんにmilkの後輩を紹介します」

「私達が、せーのって言ったら!」

『SNOWROSEって呼んでくれますか?』

「はーい」

そう言われた時に、スタッフさんが俺達を迎えにきた。

「頑張って」

相沢さんが、やってきて俺達の手を握りしめてく。

「はい」

「円陣組もうか?」

「いや、そう言うのはしてないです」

相沢さんの言葉にまっつんが笑った。

「そっか!いつもは、どうしてる?」

そう言われて、まっつんが拳を突き出してくる。

「俺等らしく行こうぜ」

俺達は、まっつんの拳に拳をくっつける。

『おう!』

そう言って、俺達は笑った。

「じゃあ、行くよ!せーの」

『SNOWROSE』

会場の人が、俺達の名前を呼んで、照明が暗転した。スタッフさんが、俺達の手を引いて連れてきてくれる。

照明がついた。

『キャー、たくむー、まっつん、かねやん、しゅんー』

俺達のファンが力一杯叫んでくれている。

「皆さん、こんばんは。SNOWROSEです」

『キャー、キャー』

「今日、この場所にいる事が、まだ夢を見ているようです」

俺は、そう言って話す。
まっつんもかねやんもしゅんも頷いてくれてる。

『キャー、キャー』

「今日は、気持ちを込めてこの一曲を歌うので、聞いて下さい」

『キャー、キャー』

俺の言葉に、まっつんが曲を紹介する。

「聞いて下さい。I wanna be with you.」

そして、曲がかかり会場は静まり返る。

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