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拓夢の最後の話
会いたかった人
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凛がいた。手を握りしめたくなって、我慢する。
凛も、俺を見つめてるけど我慢しているようだった。
「たくむん?どうしたの?」
「いや、別に」
理沙ちゃんは、人から見えないように俺の手を引っ張ってくる。
「何?」
「別に」
そう言って、凛の手も引っ張ってきた。理沙ちゃんのお腹の前で、俺と凛は手を繋いでいた。
「理沙、最近腹出てきただけだろ?妊娠じゃないだろ?」
まっつんは、そう言って俺と凛の手が重なりあってるのが見えないように動いた。
「それ、俺にも昨日やったやつだろ?してないのかよ」
そう言って、かねやんがわざと理沙ちゃんのお腹に手を当てる。
「俺の彼女の腹に触んなよ」
「喧嘩すんなって」
後ろに居たのは、しゅんだった。
「みんなよかったね」
「母ちゃん、しっーだろ」
「あー、ごめんね」
何で、みんなこんなに優しいんだよ。凛は、俺の手を握りしめてくる。俺は、驚いて凛を見つめる。理沙ちゃんに何か話してる。
「たくむん、連絡出来なくてごめんねー。ちょっと色々考えたりしてて!メッセージしようとはしたんだよ。でも、何か邪魔したら悪いかなとか思ちゃって!で、今日直接言おうと思ったんだよね!何とか来れたんだよー」
理沙ちゃんは、凛の言葉を自分の言葉に変えて話してくる。
「別にいいよ!もう、何かよくなった」
俺の言葉に、凛はさらに手を握りしめてくる。俺も、凛の手を握りしめる。
「これから、チケットの販売を開始します」
その言葉に手を離した。
「やっとだな!」
「長かったー」
理沙ちゃんは、俺にグッと小さく親指を突き出した。
「ありがとう」
俺は、理沙ちゃんにだけ聞こえる声で呟いた。理沙ちゃんは、うんうんと首を縦に振ってくれる。
「えー、チケットの販売枚数は750枚を予定しています」
「結構あるんだな」
「Artemisのファン、凄かったらしいから」
まっつんは、そう言った。
「今回シークレットで出演を予定しておりました。Artemisは、出演致しません」
その声に、「やっぱり、こないんじゃん」「最悪」「えー」そんな声が聞こえてくる。ゾロゾロと列から離れて帰って行く人の姿が見える。
「結構、人減ったな」
「確かに」
俺は、かねやんと列を見つめていた。
「先、行ってるから」
「優太も行きなよ」
「しゅんも行きなさい」
そう言われて、まっつんとしゅんは列から出てきた。
「行こうか」
「うん」
俺達、四人はライブハウスに入る。
「智、多分来るって!」
しゅんの言葉に、俺達は黙っていた。
「相沢さんが、後ろで聞かせてくれるらしいから!後で来るんじゃないかな」
「そっか」
「ごめん、勝手に呼んで」
「いや」
まっつんとかねやんは、何も話さなかった。
凛も、俺を見つめてるけど我慢しているようだった。
「たくむん?どうしたの?」
「いや、別に」
理沙ちゃんは、人から見えないように俺の手を引っ張ってくる。
「何?」
「別に」
そう言って、凛の手も引っ張ってきた。理沙ちゃんのお腹の前で、俺と凛は手を繋いでいた。
「理沙、最近腹出てきただけだろ?妊娠じゃないだろ?」
まっつんは、そう言って俺と凛の手が重なりあってるのが見えないように動いた。
「それ、俺にも昨日やったやつだろ?してないのかよ」
そう言って、かねやんがわざと理沙ちゃんのお腹に手を当てる。
「俺の彼女の腹に触んなよ」
「喧嘩すんなって」
後ろに居たのは、しゅんだった。
「みんなよかったね」
「母ちゃん、しっーだろ」
「あー、ごめんね」
何で、みんなこんなに優しいんだよ。凛は、俺の手を握りしめてくる。俺は、驚いて凛を見つめる。理沙ちゃんに何か話してる。
「たくむん、連絡出来なくてごめんねー。ちょっと色々考えたりしてて!メッセージしようとはしたんだよ。でも、何か邪魔したら悪いかなとか思ちゃって!で、今日直接言おうと思ったんだよね!何とか来れたんだよー」
理沙ちゃんは、凛の言葉を自分の言葉に変えて話してくる。
「別にいいよ!もう、何かよくなった」
俺の言葉に、凛はさらに手を握りしめてくる。俺も、凛の手を握りしめる。
「これから、チケットの販売を開始します」
その言葉に手を離した。
「やっとだな!」
「長かったー」
理沙ちゃんは、俺にグッと小さく親指を突き出した。
「ありがとう」
俺は、理沙ちゃんにだけ聞こえる声で呟いた。理沙ちゃんは、うんうんと首を縦に振ってくれる。
「えー、チケットの販売枚数は750枚を予定しています」
「結構あるんだな」
「Artemisのファン、凄かったらしいから」
まっつんは、そう言った。
「今回シークレットで出演を予定しておりました。Artemisは、出演致しません」
その声に、「やっぱり、こないんじゃん」「最悪」「えー」そんな声が聞こえてくる。ゾロゾロと列から離れて帰って行く人の姿が見える。
「結構、人減ったな」
「確かに」
俺は、かねやんと列を見つめていた。
「先、行ってるから」
「優太も行きなよ」
「しゅんも行きなさい」
そう言われて、まっつんとしゅんは列から出てきた。
「行こうか」
「うん」
俺達、四人はライブハウスに入る。
「智、多分来るって!」
しゅんの言葉に、俺達は黙っていた。
「相沢さんが、後ろで聞かせてくれるらしいから!後で来るんじゃないかな」
「そっか」
「ごめん、勝手に呼んで」
「いや」
まっつんとかねやんは、何も話さなかった。
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