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拓夢の最後の話
誓約書
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まっつんは、「店員さんの所、行ってくる」と部屋を出て行ってしまった。平田さんと二人は、気まづい。
「本当に僕じゃないから…」
平田さんは、沈黙が嫌なのか俺にそう言ってくる。
「信じるよ」
嘘をついていないのは、何となくわかっていた。
「凛さんが、旦那さんとどうにかなりますか?」
「どうかな?俺にもわからない。でも、最悪離婚とかあるかもな!」
俺の言葉に、平田さんは驚いた顔をしている。俺は、その顔を見つめながら言う。
「言ったよな?やりたいだけなら、別のやつって!」
「でも、何もしてない」
「それ決めるのは、他人だろ?平田さんじゃないから!実際に、あの声聞いたらやってるって思うから」
平田さんは、ポロポロと泣いてしまった。
「泣かせんなよ」
まっつんは、そう言って入ってきた。
「ごめん」
「いえ、僕の方こそ、すみません」
「ごめんね!紙とペン借りてきたから…」
「どうやって、書けばいいですか?」
まっつんは、平田さんの隣に座って誓約書を書かせていた。
「ありがとう!後、ここに母印押してくれるかな?」
どうやら、朱肉も借りてきたらしい。平田さんは、親指に朱肉をつけて名前の隣に押し付けていた。
「それから、これのここだけ読んでくれる?」
「はい」
まっつんは、動画を撮り出す。
「じゃあ、読んで」
「僕、平田凛太郎は、皆月凛さんの動画や音声を他人に見せたり譲渡しない事を約束します」
ピコン…。
「ありがとう」
「いえ」
平田さんは、手についた朱肉をティシュッで取っていた。
「ペンと朱肉返してくるわ!あっ、これは拓夢が持ってて」
まっつんは、紙を俺に渡して部屋を出て行った。また、平田さんと二人になってしまった。
「僕、脅されてたんです。だから、凛さん手伝ってくれて。リベンジポルノ何てするつもりないです。例え、凛さんと最後までしていても…。僕は、それを旦那さんに見せるとか…」
「脅された奴に送ったなら一緒だろ?」
「それは、キスしてる動画を短くしたのと…。星村さんが聞いた音声部分だけで!全部じゃないです。だって、そうしなきゃ!僕、達也の彼女の友達と…」
手が小刻みに震えてるのがわかる。そうしなきゃならない程、平田さんが追い詰められていたのがわかった。
「わかったよ!もういい!だけど、絶対にその動画を使って何かしようとか考えるなよ」
「当たり前です。帰ったら、パソコンにうつします。スマホは、安全ではないから」
「どっちも同じようなもんだけどな。でも、まだマシかもな」
平田さんは、コクリと頷いた。話し終わるとまっつんが戻ってきた。
「本当に僕じゃないから…」
平田さんは、沈黙が嫌なのか俺にそう言ってくる。
「信じるよ」
嘘をついていないのは、何となくわかっていた。
「凛さんが、旦那さんとどうにかなりますか?」
「どうかな?俺にもわからない。でも、最悪離婚とかあるかもな!」
俺の言葉に、平田さんは驚いた顔をしている。俺は、その顔を見つめながら言う。
「言ったよな?やりたいだけなら、別のやつって!」
「でも、何もしてない」
「それ決めるのは、他人だろ?平田さんじゃないから!実際に、あの声聞いたらやってるって思うから」
平田さんは、ポロポロと泣いてしまった。
「泣かせんなよ」
まっつんは、そう言って入ってきた。
「ごめん」
「いえ、僕の方こそ、すみません」
「ごめんね!紙とペン借りてきたから…」
「どうやって、書けばいいですか?」
まっつんは、平田さんの隣に座って誓約書を書かせていた。
「ありがとう!後、ここに母印押してくれるかな?」
どうやら、朱肉も借りてきたらしい。平田さんは、親指に朱肉をつけて名前の隣に押し付けていた。
「それから、これのここだけ読んでくれる?」
「はい」
まっつんは、動画を撮り出す。
「じゃあ、読んで」
「僕、平田凛太郎は、皆月凛さんの動画や音声を他人に見せたり譲渡しない事を約束します」
ピコン…。
「ありがとう」
「いえ」
平田さんは、手についた朱肉をティシュッで取っていた。
「ペンと朱肉返してくるわ!あっ、これは拓夢が持ってて」
まっつんは、紙を俺に渡して部屋を出て行った。また、平田さんと二人になってしまった。
「僕、脅されてたんです。だから、凛さん手伝ってくれて。リベンジポルノ何てするつもりないです。例え、凛さんと最後までしていても…。僕は、それを旦那さんに見せるとか…」
「脅された奴に送ったなら一緒だろ?」
「それは、キスしてる動画を短くしたのと…。星村さんが聞いた音声部分だけで!全部じゃないです。だって、そうしなきゃ!僕、達也の彼女の友達と…」
手が小刻みに震えてるのがわかる。そうしなきゃならない程、平田さんが追い詰められていたのがわかった。
「わかったよ!もういい!だけど、絶対にその動画を使って何かしようとか考えるなよ」
「当たり前です。帰ったら、パソコンにうつします。スマホは、安全ではないから」
「どっちも同じようなもんだけどな。でも、まだマシかもな」
平田さんは、コクリと頷いた。話し終わるとまっつんが戻ってきた。
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