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拓夢の話12

メンバーとご飯…

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「しゅんがさ、シチューうまかったとこ行きたいってさ!そこで、待ってるって」

「じゃあ、行こうか」

「うん」

俺達は、立ち上がった。俺は、デンモクとマイクを持った。お会計をしてカラオケを後にする。
凛と初めて行ったあの店に行くんだな…。動き出した運命が、止まらないで加速してくのを感じる。それと同時に、広がる胸のざわめき。でも、もう立ち止まる事は許されない気がしていた。

「進むしかねーって、拓夢」

かねやんが、俺の肩に手を置いた。

「そうだぞ!進むしかない」

まっつんも、肩に手を置いてくる。

「そうだよな!」

「うん、例え智輝を置き去りにしたって!俺等は、進むしかないんだ」

「そうだ!そうだ!前に進もう、拓夢」

「夢を掴んでやろう!四人で」

『おーー』

俺達は、笑い合った。凛を必ず連れてく!凛に沢山笑ってもらう為に、もう絶望なんかしなくていいように…。俺が、絶対に新しい世界見せてやるんだ!

あの洋食屋さんについて、食事を終えた。

「じゃあ、理沙が凛さんに会ったら連絡する!後、平田君から連絡来てもな」

「ありがとう、まっつん」

「拓夢、明後日頑張ろうな」

「だな!」

「拓夢、俺達の夢叶うんだな」

「そうだよ!しゅん」

そんな話をしながら、俺達は駅で別れた。帰る頃には、雨は上がっていた。俺は、家に帰る。

「星村さん」

「管理人さん。どうも」

帰宅すると管理人さんが待っていた。

「直す日にち決まりまして!来週の木曜日になります。大丈夫ですか?」

「あっ!はい。家にいる方がいいですか?」

「出来たら、お願いします」

「わかりました。休めるか聞いてみます」

「わかりましたら、この番号に連絡頂けますか?」

「はい」

「では、失礼します」

管理人さんは、頭を下げて帰って行った。俺は、家の鍵を開けて中に入る。胸騒ぎってやつは、なくならない。

「凛、大丈夫かな?」

心配しながらも、鍵をかける。傘を玄関に置いてキッチンに向かった。ダイニングテーブルの椅子に腰かけてまっつんが更新したSNSを見た。

【まだまだ、やります!次は、言えないけど…。実は、ライブ決まってます。場所は、言えないけど…。いつか、発表します。いつも、応援ありがとうございます】

匂わせてるSNSに吹き出してしまった。言えないのは、仕方ないよな!でも、不思議と当日とかにばれてたりするんだよなー。あれ何でわかるのかな?

俺は、立ち上がって洗面所に行く。服を着替えてから、ベッドに横になった。

ベッドには、かすかに凛の匂いが残ってた。

「ヤバ」

それだけで、全身がヤバい。俺は、シーツを握りしめる。俺が、何とかしてやる。そう誓いながら目を瞑った。
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