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拓夢の話12

回りだす運命

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「わかりました。明後日、行きます」

『よかった!じゃあ、星村君達をスカウトした場所に来て!後は、こっちに任せて』

「はい」

プー、プー

相沢さんの電話が切れた。

「拓夢」

「まっつん」

俺とまっつんは、ハイタッチをした。

「俺達、デビュー出来るんだな!」

「そうだよな」

「明後日か、楽しみだな」

「うん、楽しみだよ」

そう言って、俺とまっつんは笑っていた。突然訪れたチャンスに俺もまっつんも舞い上がっていた。暫くするとかねやんが戻ってきた。

「駅まで送ってきたわ」

「おかえり」

まっつんは、かねやんに相沢さんから電話の話をしていた。

「マジで!それは、めっちゃ嬉しいな」

「だよな!願ってないチャンスだぞ」

「メジャーに行くのか!しゅんにもメッセしとこ」

かねやんは、ニコニコしながらしゅんにメッセージを送っていた。

「かねやん、ありがとな!松永さん」

「あー、智輝が今日ならって言ってくれてさ!でも、ビックリしたよな!松永さんの話」

「確かに、そうだよな!拓夢は、大丈夫だった?」

「うん」

「なら、いいんだけど」

かねやんは、煙草に火をつける。

「吸ってよかった?」

「聞く前に、火つけてるだろ?」

「あー、ごめん」

「禁煙出来ないのか?」

まっつんは、かねやんの煙草の煙をはたきながらそう言った。

「なかなかなー。やめれないんだよ」

「それ、わかる!」

「つうか、まっつん!凄いよなー。やめれて」

「それは、愛の力だろ?」

「理沙ちゃん、アレルギー出たんだっけ?」

「そうそう!目痛くなったり、咳したり、気分悪くなったりしだしたんだよ」

「俺も、理沙ちゃんいる時は吸わないから!愛の力だろ?」

かねやんの言葉にまっつんは、笑っていた。俺は、二人の会話を聞きながらも胸の奥のざわざわが消えなかった。

「明後日って、三連休の最終だっけ?」

「うんうん」

「三連休だったっけ…」

「そうだよ!拓夢忘れてた?」

「嫌、昨日も休みとったからさー」

「そりゃ感覚ないな」

「だよなー」

まっつんとかねやんは、ニコニコ笑いながら俺を見てる。

「腹減らない?」

「確かに」

かねやんは、そう言いながらお腹を擦ってる。

「しゅんは?寝てるの?」

「誘ってみるわー」

そう言って、かねやんは電話をかけてる。

「久々に、こいつ更新しないか?」

まっつんが、担当してる俺達のSNSの画面を見せる。

「智が抜けてから、全く更新してなかったんだよな」

「そう!だから、しよう!心配してる俺等のファンの為にも」

「そうだな!それがいいな」

俺は、まっつんの言葉に笑って頷いた。俺達が、メジャーにいけると信じてついてきてくれた5000人のファンの人達。まっつんは、SNSを更新していた。
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