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凛の話12

お願いがあるんだ

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凛君は、触るのをやめて私の背中におでこをくっつけてる。

「お願いがあるんだ」

「お願い?」

「そう」

そう言うと凛君は、立ち上がった。スマホを手にして戻ってきて画面を見せる。私は、布団を巻き付けて起き上がった。

「凛さん、これ…」

そう言われて、見せられたメッセージに体が凍りついた。

「これって…」

「夏休み中に、童貞を失くさないと達也の彼女の美海の友達と強制的に付き合う事になってるんだ」

「脅されてるの?」

「僕が、その子を振った事によって!自殺未遂したんだ。それと、高校入ってすぐの試験で、プレッシャーでカンニングした事が見つかったんだ」

そう言って、凛君は泣きそうになっている。

「ごめんなさい。やっぱり、忘れて」

そのメッセージには、こう書かれていた。【キスしてる動画と最中の声を送ってこい!】その前のやりとりではしている動画やいれてる画像などと書かれていたけれど…。凛君が、相手にそんな事を頼めないと何度もメッセージを送って妥協案でその二つになったようだった。

「凛君は、その子が嫌いなの?」

私の言葉に、凛君の手が震え始める。

「嫌いなんだね」

私は、驚いた顔をして手を握りしめる。

「怖い子だった。告白してきて、キスされそうになった。校舎裏に呼ばれて行くと壁に押し付けられて触られそうになったり、口でさせてと言われたり…。あの子は、何度も僕に気持ちを伝えてきた。その度に、僕と厭らしい事をしようとしてきた。好きでもない人とそうなるのは、嫌だった。それに、僕はどうしてもあの子を好きになれなかった」

凛君の手がさらに震える。こんなにも、怯えてるのに無理だなんて言えなかった。だって、私は凛君に約束させたじゃない。愛する人と初めてをしなさいって…。

「いいよ」

私は、凛君の手を握りしめる。

「最後までは、しないから」

「うん」

「昨日と同じ事させて」

「うん」

「キスを撮っていい?」

「わかった」

そう言って、スマホを持ってる。カメラを内側に切り替えてる。

「難しいね」

「枕に置く?」

「うん」

凛君は、映るように頑張ってる。枕を支えに左手でスマホを持ってこう言った。

「いけた」

「うん」

「じゃあ、録画するね」

「うん」

ピコンと音が鳴った。

「舌、出して」

「うん」

私は、べっーと舌を差し出した。凛君は、昨日より上手く舌を絡ませる。私は、目を閉じて集中する。キスをしてる音が響く。全部録画されてる。それを、達也って子が見るんだ。凛君は、チュッてわざと音を出してからいっきに深く舌をいれてくる。

「んっ」

どれだけそうしてたかな?ピコンと音が鳴って終わった。
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