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拓夢の話11

いいから、いいから…

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わかってくれてよかったと思った。俺は、座ってレモネードを飲んだ。

「これ、美味しいわね」

「かねやん、お手製なんです」

「あー、金田君ね」

そう言って、笑ってる。よかった、もう変な気はおこさなくて…。

「私の名前、呼んでよ!拓夢君」

「あっ、松田さんですか!」

「違うわよ!麻里子(まりこ)よ」

「えっと…」

「今日だけ、麻里子って呼んで」

「ま、麻里子さん」

「まぁ、いいわ!それで…」

そう言いながら、まっつんの母親は、レモネードを飲んでる。そして、俺にとんでもない言葉を言った。

「拓夢君とのエッチが忘れられないの」

俺は、驚いた顔で固まっていた。

「事故だと思って忘れろとか言ったくせにごめんね。凄く、よかった」

「すみません」

「どうして、謝るの?」

「あの時、俺、病んでたから!それと、酔ってたから」

「じゃあ、もう出来ない?」

出来ないも何も俺は、するつもりなんかなかった。

「すみません」

俺は、温くなったレモネードをいっきに飲み干して立ち上がった。キッチンに足早に行く。まっつんの母親が、何を考えてるのか理解できなくて俺は皿を洗って戻らないようにする。

「拓夢君」

後ろから抱き締められて、マグカップを落とした。幸い割れずにすんだ。

「ビックリした?」

まっつんの母親は、そう言いながらマグカップをシンクにおいた。

「あの、何ですか?」

「手伝ってあげようか?」

「だ、だ、大丈夫です」

後ろから、スポンジを持ってる手を握られる。泡だらけの手に指を絡ませてくる。

「麻里子さん、離して」

「嫌よ」

「まっつんを裏切りたくない」

「理由は、それだけ?」

それだけで、充分じゃないのか?

「麻里子さん、許して」

「拓夢君のそこが反応しなかったら、許してあげる。もし、反応したら私の言う事を聞いてもらうから」

そう言って、麻里子さんは指をさらに絡ませる。俺は、動けなかった。

「流して」

「はい」

言われるままに手を丁寧に流してあげた。泡と一緒に消えてしまいたいほど、丁寧に…。

「今の聞いてた?」

流し終えたら、俺を自分の方にくるりと向かせる。

「はい」

「じゃあ、来て」

そう言って、まっつんの母親は俺をベッドまで連れて行く。

「麻里子さん、本当にまっつんに俺…」

「それは、拓夢君のここ次第でしょ?」

カチャカチャとベルトをはずされていく。ゆっくりチャックをおろされる。まっつんの母親は、それを口に含んだ。

「本当に許して」

「いいから、いいから」

嬉しそうなまっつんの母親の顔に吐き気が込み上げてくる。俺は、まっつんをまた裏切ったんだ。

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