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拓夢の話9

彼女の告白…

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平田さんの母親は、コンビニにつくと、お酒やおつまみを買っている。俺も、お酒を入れる。

「カゴ持ちますよ」

「別に、いいよ」

「一応、男だから」

俺は、平田さんの母親から買い物カゴを渡して貰った。ある程度入れ終わってレジに行く。

「お金」

「払うから大丈夫です」

俺は、財布を取り出してお金を払った。

「何か、ありがとう」

お会計が終わり袋詰めする時にそう言われた。

「気にしないで下さい。一人なんで!それなりに使えるお金があるだけです」

俺は、そう言って平田さんの母親が袋に詰めた商品を持つ。

「さっきから、ごめん」

「別に、気にしてないですから」

一緒に並んで歩く。

「見た目より、全然男らしいんだね」

「そうですか?」

「うん!星村さんに惹かれる理由。何かわかるよ」

そう言って笑ってる。平田さんの、アイドルグループにいそうな見た目とは違い。お母さんは、シャープな印象を受ける。そう、冷たそうって感じだ。だからって、不細工ってわけじゃない。
ホテルに戻ってきた!
平田さんの母親は、フロントから鍵を取ってくれる。部屋に戻る。

「冷蔵庫にいれる」

「はい」

平田さんの母親は、500mlのビールを一本残して冷蔵庫に冷やす。

「星村さんは、飲む?」

「いえ、珈琲で」

平田さんの母親は、袋から珈琲を取って渡してくれる。

「ありがとうございます」

「ううん」

そう言って、二人でソファーに腰かける。

「床に座ります」

「いいよ!別に…。飲んでいい?」

「どうぞ」

平田さんの母親は、プシュッとビールを開けて飲み出した。俺も珈琲の缶をカチカチと開ける。

「あのさ、聞いてくれる?」

「はい」

「こんな話したら、星村さんは軽蔑するだろうけど…。私ね!ずっと凛には死んで欲しかったんだ」

俺は、その言葉に固まった。

「ごめん、忘れて」

「何で、ですか?」

話を終わらせようとした平田さんの母親に尋ねる。

「私と凛の父親はね!高校からずっと付き合ってたの!私、彼の顔が凄く大好きでさー。絶対、彼の赤ちゃんが欲しかったんだ」

「はい」

「だけど、それは彼が居て欲しいだけでね」

「はい」

「彼がいなくなったら、いらなかった」

そう言いながら、ビールを飲む。

「二十三歳で結婚して、二人の生活を楽しんで、凛がお腹に出来たのは二十七歳の時だった。彼も凄く喜んでくれた。絶対に幸せにするって約束もしてくれた。なのにね…」

平田さんの母親は、目から流れる涙を拭いながら話す。

「彼、不倫してたの!凛が、産まれる前から…。本当は、知ってたの…」

そう言いながら、またビールを飲む。

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