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凛の話9
いい…
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「朝早くに迷惑だから、いいです」
私の言葉に、しゅんさんは時計を見た。
「大丈夫!俺達なら、普通にあるから」
そう言って笑ってくれる。
「だから、凛さんはそっちで待ってて」
「わかりました」
私は、頷いてエレベーターの方に向かった。そこから、拓夢の部屋を見つめていた。しゅんさんは、インターホンを鳴らした。ピンポーンと響いてる。一回じゃ拓夢は、出なくて二回目を押していた。扉が開いた。
「おはよう、傘返して」
「しゅん、おはよう」
拓夢の声が響いてる。
「うん、傘返して」
しゅんさんは、もう一度言った。
「嫌だ」
拓夢の言葉にしゅんさんは驚いて「えぇ!」って声をあげた。
「つうか、何の傘?」
「凛さんの傘だよ」
「はあ?何で、しゅんに渡すんだよ」
「まっつんに言われて、取りに来たんだよ」
「チッ!余計な事」
寝起きだから、イライラしているのだろうか?拓夢の苛立った声が聞こえる。
「美紗ちゃんといるんだろ?返せよ」
しゅんさんも、イライラしだして拓夢に怒りだした。
「何でだよ!凛が直接取りにくればいいだろ?」
「拓夢、傷つけてよくそんな事が言えるよな!」
「そんなつもりなくて」
「つもりないって何だよ!嫌だってあんだけ言ってたのに、美紗ちゃんと会って!かねやん、拓夢の為に智に連絡したんだぞ!なのに…。抱けたら、誰でもいいのかよ」
「そうだよ!」
私は、その言葉に驚いていた。
「マジで、行ってんのか?」
「しょうがないだろ?」
しょうがない…。私は、気づくと走り出そうとしてて…。
「待って、凛さん」
「凛がいんのか?」
「最低だな!」
しゅんさんの声が響いてて、私は階段をかけ降りてく。
「待って」
走って、走って、一階についた。
「はぁ、はぁ、はぁ」
抱けたら誰でもいいと言う言葉に、私は馬鹿だと思った。
「凛」
私の腕を掴んだのは、しゅんさんじゃなかった。
「離して」
「何で、逃げんの?」
私は、その声に顔をあげれなかった。どんな顔してる?笑ってたら嫌!泣いていても意味がわからない!
「離せよ、拓夢」
私の腕を掴んでる拓夢の手をしゅんさんが離そうとしてるのが見える。
「凛、話ししよう」
私は、俯いたまま首を横に振る。
「何で?」
「嫌です」
「何で?って聞いてるの!」
私は、その言葉に勇気を振り絞って拓夢の顔を見た。
「私にとって、抱き合う事は怖い行為だったから…。それを変えてくれた拓夢を嫌いにさせないで」
涙で、拓夢が滲んでく。
「離せ」
しゅんさんが、拓夢の腕を離してくれた。
「凛」
拓夢は、複雑な表情を浮かべていた。
私の言葉に、しゅんさんは時計を見た。
「大丈夫!俺達なら、普通にあるから」
そう言って笑ってくれる。
「だから、凛さんはそっちで待ってて」
「わかりました」
私は、頷いてエレベーターの方に向かった。そこから、拓夢の部屋を見つめていた。しゅんさんは、インターホンを鳴らした。ピンポーンと響いてる。一回じゃ拓夢は、出なくて二回目を押していた。扉が開いた。
「おはよう、傘返して」
「しゅん、おはよう」
拓夢の声が響いてる。
「うん、傘返して」
しゅんさんは、もう一度言った。
「嫌だ」
拓夢の言葉にしゅんさんは驚いて「えぇ!」って声をあげた。
「つうか、何の傘?」
「凛さんの傘だよ」
「はあ?何で、しゅんに渡すんだよ」
「まっつんに言われて、取りに来たんだよ」
「チッ!余計な事」
寝起きだから、イライラしているのだろうか?拓夢の苛立った声が聞こえる。
「美紗ちゃんといるんだろ?返せよ」
しゅんさんも、イライラしだして拓夢に怒りだした。
「何でだよ!凛が直接取りにくればいいだろ?」
「拓夢、傷つけてよくそんな事が言えるよな!」
「そんなつもりなくて」
「つもりないって何だよ!嫌だってあんだけ言ってたのに、美紗ちゃんと会って!かねやん、拓夢の為に智に連絡したんだぞ!なのに…。抱けたら、誰でもいいのかよ」
「そうだよ!」
私は、その言葉に驚いていた。
「マジで、行ってんのか?」
「しょうがないだろ?」
しょうがない…。私は、気づくと走り出そうとしてて…。
「待って、凛さん」
「凛がいんのか?」
「最低だな!」
しゅんさんの声が響いてて、私は階段をかけ降りてく。
「待って」
走って、走って、一階についた。
「はぁ、はぁ、はぁ」
抱けたら誰でもいいと言う言葉に、私は馬鹿だと思った。
「凛」
私の腕を掴んだのは、しゅんさんじゃなかった。
「離して」
「何で、逃げんの?」
私は、その声に顔をあげれなかった。どんな顔してる?笑ってたら嫌!泣いていても意味がわからない!
「離せよ、拓夢」
私の腕を掴んでる拓夢の手をしゅんさんが離そうとしてるのが見える。
「凛、話ししよう」
私は、俯いたまま首を横に振る。
「何で?」
「嫌です」
「何で?って聞いてるの!」
私は、その言葉に勇気を振り絞って拓夢の顔を見た。
「私にとって、抱き合う事は怖い行為だったから…。それを変えてくれた拓夢を嫌いにさせないで」
涙で、拓夢が滲んでく。
「離せ」
しゅんさんが、拓夢の腕を離してくれた。
「凛」
拓夢は、複雑な表情を浮かべていた。
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