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凛の話8

わからないけど…

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まっつんさんは、私に申し訳なさそうな顔を向けながら、話す。

「俺、さっき理沙に聞いて!拓夢といると思って連絡しちゃったんだよ」

「えっ?そんな!」

「来ないとは、思うんだけど!駅にいるって言ってたから…。凛さん見つけたから…。もしも、拓夢が来たらと思って」

「駅って、ここの駅ですか?」

「それが、そうっぽくて!すぐ、切ったんだけどさ!本当にごめんね」

まっつんさんは、私に凄く謝ってくれる。

「大丈夫です。教えてくれてありがとうございます」

「うん」

「じゃあ、失礼します」

「あっ!トイレだよね?ごめん、邪魔したね」

「大丈夫です」

私は、お辞儀をしてトイレに入った。
どうしよう…。拓夢が、もしここに来てしまったら…。

私は、22時45分に拓夢にメッセージを送った。嘘がバレてしまった。拓夢を失う気がして、手が震える。私は、トイレを出て凛君の元に戻った。

「凛さん、おかえり」

「凛君、違う場所に行こう」

「えっ?何で?まだ、パフェきたばっかりなんだけど」

「いいから」

「どうして?」

「どうしても…お願い」

「凛さん、どうしてそんな顔してるの?」

「お願い、凛君」

「わかった!すぐ食べるよ」

嫌な予感がする。

それでも、勿体ないから私もケーキを食べて甘ったるいミルクティーも飲んだ。口の中に甘さが残るから、水を飲んだ。

「凛さん、行こう」

「うん」

私は、立ち上がって、お会計をする。店員さんに、お釣りを渡されて焦りすぎて、ジャラジャラと小銭を落としてしまった。

「大丈夫?凛さん」

「大丈夫」

凛君は、小銭を拾ってくれる。

「ありがとう」

「ううん」

どうしよう。私、動揺してる。嫌な予感しかしなくて、怖い。小銭を拾い集めて、立ち上がった。

「でも、何で?凛さん!そんな急いでるの」

「後で、話すから!とりあえず行こう」

私は、急ぎ足でお店を出る。

「そんな急がなくても、待って!」

「早く、いいから」

目の前に、現れたのは拓夢だった。

「何で?」

まっつんさんの言葉通りに拓夢が現れた。

「俺とは、過ごせないのに…。平田さんとは、過ごせんのか?」

「拓夢、違う」

ちゃんと説明しなきゃ!ちゃんと、わかってもらわなきゃ!失くしちゃう。いなくなっちゃう。うまく思考が回っていかない。頭が、真っ白になってく…。拓夢を失いたくない。なのに、拓夢が怒ってる。イライラしてる。

「それはね…」

話そうとしたら、まっつんさんと理沙ちゃんがやってきてしまった。

「こんな女を好きになって馬鹿だった」と言われて、喉の奥が詰まってる。

「ただの、セフレだろ?」って言われた言葉に傷ついた。

「好きになって損した」って言葉に胸が苦しくて堪らない。

「お別れ」って何?

行かないで!行かないで!

「拓夢、待って」って言葉も聞いてくれなかった。

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