144 / 646
拓夢の話7
待ち合わせの駅…
しおりを挟む
俺は、凛との待ち合わせ場所に向かって歩いていく。キャップを被ったのは、顔をバレないようにする為だった。まだ、雨は降ってなくて助かった。まあ、降ったら駅前で傘を買えばいいかな…
待ち合わせ場所についたけど、凛はまだついてなかった。普通の恋愛と同じように考えていたせいで凛を困らせていた。
軽々しく手なんか繋いだら駄目だし。名前も呼んじゃ駄目だし。ルールをちゃんと守らなきゃ!
凛からのメッセージが入った。近所にお出掛けしますって感じの凛が立っていた。美沙が現れた日みたいな格好だ。
見えない壁があるみたいな距離感を続けながら歩く。手は、握っちゃ駄目だ。握りたくなった手を握りしめる。
パシャ…って、凛に水が跳ねてしまったのが見えた。手を繋いでたら、水がかかるのは、俺だったのに…。
「帰る」
凛の言葉に、頭が真っ白になった。どうして?何で?何が嫌だった?
「帰る」
凛の言葉に胸が締め付けられる。俺、何かした?
生理だからお腹が痛いと言われた。どう見たってそんな風には見えなかった。美沙が、生理でお腹が痛い日は、無意識に下腹を擦っていた。でも、凛はそんな素振りを見せていなかった。
虹色の傘をバサリと開いて、凛がいなくなって行く。
俺の言葉なんて聞かずにどんどんと進んで行く。俺は、凛を追いかけた。
「危ない」
階段に差し掛かったのに、気づかないで進もうとする。凛の腕を掴んだ。
「終わりたいんでしょ?」凛の言葉に驚いた。終わりたいなんて思ってなかった。ずっと傍にいる為に、どうするか考えた結果だったのに…。凛は、違う捉え方をしたのがわかった。俺は、凛を人目につかない場所に連れてきた。凛が納得してくれたかは、わからないけど…。今の俺の気持ちをちゃんと伝えられた。
虹色の傘に隠れてキスをした。俺達は、きっとずっとこんな風に隠れなきゃならない関係なんだ。
買い物に行くと、野菜を買う。凛の顔が、お化けでも見たように強ばった。何を考えていたのだろうか?味噌を取りに行くと行ってしまう。気になって、ついてきてしまった。影から凛を見つめてると頬をキラキラした何かが流れる。
泣いてるんだな!
俺は、凛の隣に立った。でも、凛は気づかなくて味噌を落としそうになった。受け止めた俺に、抱きついてくる。
凛は、どれだけの悲しみを抱えてるの?俺は、それを一つでも拭える?
子供の声がして、俺は凛を隠すように立った。暫くして、いなくなる。スーパーは、凛を傷つける存在なのがわかった。だから、平田さんのいるスーパーに行ってたのか…。平田さんは、凛にとっていないはずの子供なのだろうか?いや、そんなわけないか…。
待ち合わせ場所についたけど、凛はまだついてなかった。普通の恋愛と同じように考えていたせいで凛を困らせていた。
軽々しく手なんか繋いだら駄目だし。名前も呼んじゃ駄目だし。ルールをちゃんと守らなきゃ!
凛からのメッセージが入った。近所にお出掛けしますって感じの凛が立っていた。美沙が現れた日みたいな格好だ。
見えない壁があるみたいな距離感を続けながら歩く。手は、握っちゃ駄目だ。握りたくなった手を握りしめる。
パシャ…って、凛に水が跳ねてしまったのが見えた。手を繋いでたら、水がかかるのは、俺だったのに…。
「帰る」
凛の言葉に、頭が真っ白になった。どうして?何で?何が嫌だった?
「帰る」
凛の言葉に胸が締め付けられる。俺、何かした?
生理だからお腹が痛いと言われた。どう見たってそんな風には見えなかった。美沙が、生理でお腹が痛い日は、無意識に下腹を擦っていた。でも、凛はそんな素振りを見せていなかった。
虹色の傘をバサリと開いて、凛がいなくなって行く。
俺の言葉なんて聞かずにどんどんと進んで行く。俺は、凛を追いかけた。
「危ない」
階段に差し掛かったのに、気づかないで進もうとする。凛の腕を掴んだ。
「終わりたいんでしょ?」凛の言葉に驚いた。終わりたいなんて思ってなかった。ずっと傍にいる為に、どうするか考えた結果だったのに…。凛は、違う捉え方をしたのがわかった。俺は、凛を人目につかない場所に連れてきた。凛が納得してくれたかは、わからないけど…。今の俺の気持ちをちゃんと伝えられた。
虹色の傘に隠れてキスをした。俺達は、きっとずっとこんな風に隠れなきゃならない関係なんだ。
買い物に行くと、野菜を買う。凛の顔が、お化けでも見たように強ばった。何を考えていたのだろうか?味噌を取りに行くと行ってしまう。気になって、ついてきてしまった。影から凛を見つめてると頬をキラキラした何かが流れる。
泣いてるんだな!
俺は、凛の隣に立った。でも、凛は気づかなくて味噌を落としそうになった。受け止めた俺に、抱きついてくる。
凛は、どれだけの悲しみを抱えてるの?俺は、それを一つでも拭える?
子供の声がして、俺は凛を隠すように立った。暫くして、いなくなる。スーパーは、凛を傷つける存在なのがわかった。だから、平田さんのいるスーパーに行ってたのか…。平田さんは、凛にとっていないはずの子供なのだろうか?いや、そんなわけないか…。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
冷淡だった義兄に溺愛されて結婚するまでのお話
水瀬 立乃
恋愛
陽和(ひより)が16歳の時、シングルマザーの母親が玉の輿結婚をした。
相手の男性には陽和よりも6歳年上の兄・慶一(けいいち)と、3歳年下の妹・礼奈(れいな)がいた。
義理の兄妹との関係は良好だったが、事故で母親が他界すると2人に冷たく当たられるようになってしまう。
陽和は秘かに恋心を抱いていた慶一と関係を持つことになるが、彼は陽和に愛情がない様子で、彼女は叶わない初恋だと諦めていた。
しかしある日を境に素っ気なかった慶一の態度に変化が現れ始める。
麗しのラシェール
真弓りの
恋愛
「僕の麗しのラシェール、君は今日も綺麗だ」
わたくしの旦那様は今日も愛の言葉を投げかける。でも、その言葉は美しい姉に捧げられるものだと知っているの。
ねえ、わたくし、貴方の子供を授かったの。……喜んで、くれる?
これは、誤解が元ですれ違った夫婦のお話です。
…………………………………………………………………………………………
短いお話ですが、珍しく冒頭鬱展開ですので、読む方はお気をつけて。
売れ残り同士、結婚します!
青花美来
恋愛
高校の卒業式の日、売り言葉に買い言葉でとある約束をした。
それは、三十歳になってもお互いフリーだったら、売れ残り同士結婚すること。
あんなのただの口約束で、まさか本気だなんて思っていなかったのに。
十二年後。三十歳を迎えた私が再会した彼は。
「あの時の約束、実現してみねぇ?」
──そう言って、私にキスをした。
☆マークはRシーン有りです。ご注意ください。
他サイト様にてRシーンカット版を投稿しております。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
結婚結婚煩いので、愛人持ちの幼馴染と偽装結婚してみた
夏菜しの
恋愛
幼馴染のルーカスの態度は、年頃になっても相変わらず気安い。
彼のその変わらぬ態度のお陰で、周りから男女の仲だと勘違いされて、公爵令嬢エーデルトラウトの相手はなかなか決まらない。
そんな現状をヤキモキしているというのに、ルーカスの方は素知らぬ顔。
彼は思いのままに平民の娘と恋人関係を持っていた。
いっそそのまま結婚してくれれば、噂は間違いだったと知れるのに、あちらもやっぱり公爵家で、平民との結婚など許さんと反対されていた。
のらりくらりと躱すがもう限界。
いよいよ親が煩くなってきたころ、ルーカスがやってきて『偽装結婚しないか?』と提案された。
彼の愛人を黙認する代わりに、贅沢と自由が得られる。
これで煩く言われないとすると、悪くない提案じゃない?
エーデルトラウトは軽い気持ちでその提案に乗った。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる