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凛の話6

現れた人

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まだ、ずっと話してるのかと思ったら急に静かになった。私は、気にせず歩く。改札を抜けたと同時だった。何も音が流れなかったのに、智天使(ケルビム)のボーカルの声だけが流れる。

【暖かな陽だまりをくれるような愛でした。祈るように掴んだ手を優しく握りしめた。君が溢した願いがどうか叶いますように♪もう泣かない夜を過ごさなくていい日がきますように♪あー、ただ、祈った日々♪ただ、泣いた日々♪その全てが無駄にならないよに…僕がずっと傍にいるから】

カチッ…ジッー、ジッー古いカセットテープを巻き戻すみたいな音がする。キュル、キュル、キュル…カチッ…

【あー、ただ祈った日々♪】さっきの曲が流れる。私は、スマホを取り出して止めてイヤホンを取った。智天使(ケルビム)、聞いてみようかな

そう思った時に、ちょうどパンケーキ屋さんの前についた。

「ちょっと、あんた」

そう言われて、振り向いた。

「誰ですか?」

「あんた!行かせないよ」

そう言って、腕を掴まれる。

「痛い、痛いです」

「うるさい!こっちの方が痛いのよ」

誰かわからない女の人にさらに腕を掴まれる。

「やめて下さい。離して下さい」

「いやよ!行かさないわよ」

「何なんですか?」

「あんたが、悪いのよ!このくそ女」

「離して下さい」

恥ずかしさと恐怖が入り交じった変な感情だった。男の人が、私とこの人を見つめてる。

「あんたね、いい加減にしなよ!こんな服着て!何なんだよ」

私は、女の人に怒られていた。逃げたい。でも、腕を掴まれてて逃げれなくて…。諦めかけた時に、やってきたのは拓夢だった。

拓夢がやってきて、ホッとしてると凛君が現れて…。この人が、凛君の母親だとわかった。

拓夢がいなくなって、私達三人になった。

「ここは、お店の人の邪魔になるから」

そう凛君が言って、公園にやってきた。

「凛、あんたがこの女にたぶらかされてんの、母さん知ってんのよ」

そう言って、凛君のお母さんは私をまた叩こうとする。

「やめろよ」

凛君が私を庇った。

「何でよ!何で、あんたがこいつを庇うのよ」

「好きだからに決まってんだろ」

「好き?」

「そうだよ」

凛君のお母さんは、凛君のを頭でもおかしくなったのかって顔をしながら話し出した。

「凛、あんた父さんみたいな事言ってんじゃないわよ!こういう女はね、平気で人のものを壊すのよ!だから、騙されちゃ駄目なの!わかる?」

「母さん、壊そうとしてるのは僕だよ」

凛君は、お母さんを真っ直ぐ見つめてそう言った。凛君のお母さんは、驚いた顔をして凛君を見つめる。


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