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拓夢の話5
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出社して、見積もりを持ってパンケーキの店に溝口と行く。
「あー、課長の話のせいで12時前ですよ」
「そうだな」
「昼には、直帰出来ると思ったのになー」
「そうだな」
そう言いながら、溝口は運転していた。凛が、平田さんに会うまで一時間もないか…。
「ついたら、見積もり渡して休憩しましょう!」
「そうだな」
パンケーキの店についたのは、12時半を回っていた。俺と溝口は、車を降りた。
「遅くなりました」
「いえ」
俺と溝口は、店長さんに部屋に通される。
「カウンターの業者なんですが!溝口、資料」
「あっ!車に忘れました」
「えっ?」
「とってきます」
「すみません」
「いえ」
俺は、店長さんに頭を下げた。店員さんが、珈琲を持ってきてくれる。
「すみません」
溝口が戻ってきた!
「これです」
「ありがとう」
俺は、店長さんに資料を渡した。
「先輩」
「何だよ」
「さっき、ヤバかったっすよ!おばさんが、女の人に怒ってました!修羅場だなー、あれ」
「おばさん?女の人?」
「はい!綺麗な色のワンピース来てたな」
「どんな色?」
「何だっけ!天色?空色っていうのかな?鮮やかな青色のワンピースだったけど。何て色だっけ」
「ごめん。溝口、俺ちょっと行くわ」
「えっ?何で?」
「ごめん」
嫌な予感がした俺は、店長さんに頭を下げて部屋を出る。きっと、凛の気がした。俺は、早歩きで店の外に出た。
「あんた、いい加減にして」
「離して下さい」
「ふざけないでよ」
おばさんが、凛の腕を掴んでいた。
「何してんだよ」
俺は、凛の方に走って行った。
「拓夢!!」
「あんた、旦那ならこのくそ女、見張っときなよ」
「誰だよ!あなたに、凛を酷く言われる筋合いはない」
「拓夢、いいの」
「嫁の管理ぐらいちゃんとしとけって言ってんのがわかんないわけ」
「だから、そんな言い方される意味がわからないって話してるんです」
「いいから、拓夢。大丈夫だから」
そう言って、凛は俺の腕を掴んでる。
「こんな若い旦那がいながら、何してんのよ」
バチン……
「拓夢、大丈夫?」
俺は、凛を庇って頬にビンタを食らった。
「大丈夫、大丈夫」
「何でよ!何で、あんたが庇うのよ」
女の人は、泣きながらそう言ってる。この人が、誰なのか何となく見当がついていた。
「母さん」
やっぱりだ!俺は、その声の方を見つめていた。
「何で来るのよ!待ち合わせ場所は、ここじゃないでしょ」
「何で、酷い事するんだよ」
「この女が、あんたをたぶらかしたんでしょ?だから、お母さんが来たのよ」
「違うよ、違う。凛さんは、僕の気持ちに答えられないって言いに来たんだよ」
「何言ってんのよ」
「凛君、それ以上言っちゃ駄目だよ」
「気安く呼ぶなー」
平田さんの母親は、凛をまた殴りつけようとする。
「やめろよ、母さん」
平田さんが、その手を押さえつける。
「あー、課長の話のせいで12時前ですよ」
「そうだな」
「昼には、直帰出来ると思ったのになー」
「そうだな」
そう言いながら、溝口は運転していた。凛が、平田さんに会うまで一時間もないか…。
「ついたら、見積もり渡して休憩しましょう!」
「そうだな」
パンケーキの店についたのは、12時半を回っていた。俺と溝口は、車を降りた。
「遅くなりました」
「いえ」
俺と溝口は、店長さんに部屋に通される。
「カウンターの業者なんですが!溝口、資料」
「あっ!車に忘れました」
「えっ?」
「とってきます」
「すみません」
「いえ」
俺は、店長さんに頭を下げた。店員さんが、珈琲を持ってきてくれる。
「すみません」
溝口が戻ってきた!
「これです」
「ありがとう」
俺は、店長さんに資料を渡した。
「先輩」
「何だよ」
「さっき、ヤバかったっすよ!おばさんが、女の人に怒ってました!修羅場だなー、あれ」
「おばさん?女の人?」
「はい!綺麗な色のワンピース来てたな」
「どんな色?」
「何だっけ!天色?空色っていうのかな?鮮やかな青色のワンピースだったけど。何て色だっけ」
「ごめん。溝口、俺ちょっと行くわ」
「えっ?何で?」
「ごめん」
嫌な予感がした俺は、店長さんに頭を下げて部屋を出る。きっと、凛の気がした。俺は、早歩きで店の外に出た。
「あんた、いい加減にして」
「離して下さい」
「ふざけないでよ」
おばさんが、凛の腕を掴んでいた。
「何してんだよ」
俺は、凛の方に走って行った。
「拓夢!!」
「あんた、旦那ならこのくそ女、見張っときなよ」
「誰だよ!あなたに、凛を酷く言われる筋合いはない」
「拓夢、いいの」
「嫁の管理ぐらいちゃんとしとけって言ってんのがわかんないわけ」
「だから、そんな言い方される意味がわからないって話してるんです」
「いいから、拓夢。大丈夫だから」
そう言って、凛は俺の腕を掴んでる。
「こんな若い旦那がいながら、何してんのよ」
バチン……
「拓夢、大丈夫?」
俺は、凛を庇って頬にビンタを食らった。
「大丈夫、大丈夫」
「何でよ!何で、あんたが庇うのよ」
女の人は、泣きながらそう言ってる。この人が、誰なのか何となく見当がついていた。
「母さん」
やっぱりだ!俺は、その声の方を見つめていた。
「何で来るのよ!待ち合わせ場所は、ここじゃないでしょ」
「何で、酷い事するんだよ」
「この女が、あんたをたぶらかしたんでしょ?だから、お母さんが来たのよ」
「違うよ、違う。凛さんは、僕の気持ちに答えられないって言いに来たんだよ」
「何言ってんのよ」
「凛君、それ以上言っちゃ駄目だよ」
「気安く呼ぶなー」
平田さんの母親は、凛をまた殴りつけようとする。
「やめろよ、母さん」
平田さんが、その手を押さえつける。
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