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凛の話5

異常…

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拓夢の手が、ずっと震えてる。インターホンの鳴らし方を聞いていると、どう考えても普通の人間がしてるとは思えなかった。拓夢は、インターホンが聞こえないように私の両耳を塞いでくれる。私は、拓夢にしがみついた。怖い、ただ、ただ、怖い。何がと聞かれたら、この人が家に入ってくるのではないかと思って怖い。

もしも、この人に、何かをされて「皆月凛さんが死亡しました」何てニュースに出たら、龍ちゃんはどう思うのかな?近所の人は、どう思うのだろうか?そう考えてしまう自分は、何て酷い人間なのだろうと思う。私は、それが一番怖いだけ何だなと思う。
だけど、今は、そんな事よりも拓夢の震えを止めてあげたい。そう思った時に、インターホンが鳴りやんだ。よかった。拓夢もホッとしたようだった。私は、拓夢に龍ちゃんではないよと伝えた。拓夢も、凛の旦那さんがそんな事をしないと言ってくれた。拓夢が龍ちゃんを信じてくれた事が凄く嬉しかった。拓夢が頭を優しく撫でてくれるのが嬉しい。こんな風にずっといれたらいいのに…。拓夢は、玄関のチェーンをかけた。その時だった。ピンポーン。また来た。拓夢は、ドアスコープを覗いてる。

「美沙」って言った!元カノだって、教えてくれた。私は、その言葉にまた玄関に座り込んだ。
さっきとは、違ってインターホンを鳴らすだけじゃなくてドアを蹴破りそうなぐらい叩く。拓夢の手が小刻みに揺れてるのがわかって、両手でその手を包み込んだ。

さっきとは、違って向こう側から声をかけてくる。その声に、拓夢は私の隣にしゃがんだ。拓夢の耳にだけ聞こえるような声で話しかける。
「怖い」そう小さく呟いたから、私は拓夢に「大丈夫だよ」って言った。それは、龍ちゃんがいつもくれるみたいな優しい「大丈夫」

そう言ったら、拓夢は私にキスをしてきた。このドアの向こうに、拓夢の元カノがいるのに…。そんな状況なのに、拓夢やめない。
「ここでは、駄目だよ」って言おうとする前に胸を触られる。龍ちゃんとの朝の状態と期待してあれまでポケットにいれてきた私…。もう、私も流れに流れようとしてる。拓夢に、床に押し倒される。私は、拓夢の頬にそっと手を当てる。

ダンダンって叩く音とピンポーンってなるインターホンが、どんどん遠くに聞こえていく。
もっと、真っ白になりたい。私は、拓夢の欲求に答えるように受け入れる。もっと、欲しい。拓夢にもっと求められたい。

ガチャン…。

その音にビックリして声が出た。拓夢は、小さな声で向こうに行こうと言った。私と拓夢は、ゆっくり、ゆっくり四つん這いで歩いていく。
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