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凛の話4
いつかは…
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「出来たよ!」
龍ちゃんは、お気に入りのラーメンを持ってきてくれた。私のを器に入れてくれる。
「はい、どうぞ!お箸も」
「ありがとう」
「いただきます」
「いただきます」
二人で向かい合ってラーメンを食べる。私、嫌いじゃない。
「やっぱり、うまいよなー。ここのラーメン」
「インスタントにしては、高級だよね?」
「そうだよな!一つ300円は越えてるからな」
そう言いながら、龍ちゃんはラーメンをズルズルすすっていた。
「私ね、この生活も好きだよ」
龍ちゃんは、うんうんと頷いてくれる。
「いつか、猫か犬飼おうか?」
「どうして?」
「子供育てるみたいだろ?動物って…。俺は、凛と一緒に育てたいよ」
「うん」
人生が、こんなにハードモードって知ってたら私。龍ちゃんの手を取らなかったよ。だって、悲しくて辛い思いをするのは、私だけでよかったから…。
「凛と三日も離れるの嫌だなー」
「寂しい?」
「寂しいに決まってるだろ!」
子供なんて望まなければ、私達はいい夫婦だ!
どうして?子孫繁栄出来ない人間は、駄目な生き物のように扱うんだろう。
「また、子連れが優遇されるな!」
テレビをつけた龍ちゃんは、そう言ってテレビを消した。
「多数派だからでしょ?」
私の言葉に、龍ちゃんは少しだけうつむいた。
「龍ちゃん?」
「会社でさ!独身のやつがいるんだ。そいつは、婚約破棄されて二度と結婚する気ないって言ってた!でも、一人で生きるって損な事ばっかりだって言ってたんだ。俺も、同じだって思った。凛と二人で生きてく事で損な事多いって…。わかってるんだ。そんなの変えられないって事ぐらい。でも、少しは子供がいない人や独身にも優しい世の中であって欲しいよなー」
そう言いながら、龍ちゃんはラーメンを口に運んだ。龍ちゃんの言うとおりだ。私達は、損な事が確かに多い…。昔、働いていた時、子供がいる人が熱を出したからと休みなのに突然いれられた。それは、何度も続き!いつか、凛ちゃんの代わりに入るからって言うんだけど…。そのいつかは、一度も来なかった。独身だった私からしたら、彼女が大変なのは、わかっていた。だけど、文句を言えば、凛ちゃんもいつかはママになるんだからと子供が巣立って大きくなってるママ軍団にたしなめられた。そのいつかは、いつ来るのだろうか?今だって来ていないのを考えると、彼女の代わりに休みを削った日々は無駄だったのではないだろうか?私は、友人と遊ぶ約束を何度も断ったし、彼氏にも会えないと言った。私は、彼女の為に自分の人間関係を犠牲にしたのに…。彼女の文句を言う事すら、許されなかった。龍ちゃんは、私の手を軽く叩いた。
龍ちゃんは、お気に入りのラーメンを持ってきてくれた。私のを器に入れてくれる。
「はい、どうぞ!お箸も」
「ありがとう」
「いただきます」
「いただきます」
二人で向かい合ってラーメンを食べる。私、嫌いじゃない。
「やっぱり、うまいよなー。ここのラーメン」
「インスタントにしては、高級だよね?」
「そうだよな!一つ300円は越えてるからな」
そう言いながら、龍ちゃんはラーメンをズルズルすすっていた。
「私ね、この生活も好きだよ」
龍ちゃんは、うんうんと頷いてくれる。
「いつか、猫か犬飼おうか?」
「どうして?」
「子供育てるみたいだろ?動物って…。俺は、凛と一緒に育てたいよ」
「うん」
人生が、こんなにハードモードって知ってたら私。龍ちゃんの手を取らなかったよ。だって、悲しくて辛い思いをするのは、私だけでよかったから…。
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どうして?子孫繁栄出来ない人間は、駄目な生き物のように扱うんだろう。
「また、子連れが優遇されるな!」
テレビをつけた龍ちゃんは、そう言ってテレビを消した。
「多数派だからでしょ?」
私の言葉に、龍ちゃんは少しだけうつむいた。
「龍ちゃん?」
「会社でさ!独身のやつがいるんだ。そいつは、婚約破棄されて二度と結婚する気ないって言ってた!でも、一人で生きるって損な事ばっかりだって言ってたんだ。俺も、同じだって思った。凛と二人で生きてく事で損な事多いって…。わかってるんだ。そんなの変えられないって事ぐらい。でも、少しは子供がいない人や独身にも優しい世の中であって欲しいよなー」
そう言いながら、龍ちゃんはラーメンを口に運んだ。龍ちゃんの言うとおりだ。私達は、損な事が確かに多い…。昔、働いていた時、子供がいる人が熱を出したからと休みなのに突然いれられた。それは、何度も続き!いつか、凛ちゃんの代わりに入るからって言うんだけど…。そのいつかは、一度も来なかった。独身だった私からしたら、彼女が大変なのは、わかっていた。だけど、文句を言えば、凛ちゃんもいつかはママになるんだからと子供が巣立って大きくなってるママ軍団にたしなめられた。そのいつかは、いつ来るのだろうか?今だって来ていないのを考えると、彼女の代わりに休みを削った日々は無駄だったのではないだろうか?私は、友人と遊ぶ約束を何度も断ったし、彼氏にも会えないと言った。私は、彼女の為に自分の人間関係を犠牲にしたのに…。彼女の文句を言う事すら、許されなかった。龍ちゃんは、私の手を軽く叩いた。
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