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凛の話3

人間って…

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「凛、優しいだけじゃ生きていけないのわかるだろ?」

「わかってるよ」

「凛が幸せじゃない方が嬉しい人がいるんだよ!人間なんて、そんなもんだよ」

龍ちゃんは、そう言ってまた前を向いた。

「同じ場所にいる人間を減らしたいって事?」

「そうかもな」

「じゃあ、世の中全員が平等になったらどうなるのかな?」

「結局、どうせ!太ってるやつとか不細工とか、汚いとかさ!次は見た目ではじくんだろ?」

「結果的にいじめられる人間は必要ですって話しになるんだね」

私の言葉に、龍ちゃんは悲しそうに目を伏せてこう言った。

「世界が平和でいる為には、悪役やいじめられてるのは必要な要素だろうな!ドラマや映画だって、そうだろ?」

「そうだよね!その要素がなければ、盛り上がらないもんね」

「だから、子供がいる人といない人って仲良くなりにくいのかもな」

龍ちゃんの言葉に私は頷いていた。持ってる人間と持ってない人間は違う。私は、昔、猫を飼っていた。最後は、お薬もあげていた。猫カフェで猫を愛でていた友人には、猫を育てる事の大変さは理解出来ないと思った。それと、同じ。

「いないくせにわからないって言われるものね」

「そうだな!それが、現実だな!みんな、綺麗事並べてさ!仲良く行こうよとか言ってるけど…。腹ん中じゃ人間なんて、考えてる事似てる」

「結局、わからないくせにって思ってるんだよね!私達側も、あっちも…」

「そうだな」

私と龍ちゃんは、家に帰ってきた。私だって同じ。向こう側とは、分かり合えない。それは、双方に同じ。だったら、分かろうとする努力をすればいい何て言う人がいるけれど…。いないのにどうやって分かり合えるのだろうか?【その為に、本やドラマや映画があるじゃない!人間は、脳を使わなくちゃ!想像してみなくちゃ!】ある人が言っていたけれど、想像の範囲を越えたものは想像が出来ない。それが、現実。

「コーヒー飲むけど、凛もいる?」

「ううん」

「わかった」

龍ちゃんは、キッチンに行った。そう言えば、前に友人が不妊の話の小説を読んでこう話していた。【今の幸せを大事にしなきゃいけないってメッセージだった!隣にいる人を大事にしなくちゃいけないって】そう言ったから読んだけど…。私には、全く響かなかった。結局、赤ちゃん産んでる人間と分かり合えないって思ったから…。産んだ人間は、自分の命より大事なものを見つけたって言うじゃない。私は、そんなもの見つけられていない。龍ちゃんは、大好きだし大切。だけど、自分の命よりって言われたら…。違う気がするから…。
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