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拓夢の話2

大切にしたいよ

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「洗っておいでよ!凛」

「うん、シャワー借りるね」

「どうぞ」

俺は、凛がいなくなったのを見つめていた。

さっき、旦那さんと凛がいると思っただけで、俺は勝手に傷ついていた。でも、ちゃんとわかってる。いずれ、この関係が終わりを向かえる事ぐらい。赤ちゃんが産めない年齢に凛がなったら、間違いなく終わる。だって、凛が苦しんでるのは赤ちゃんが出来ないからだから…。出来ない年齢になったら、苦しむ必要ないわけだから…。
俺は、立ち上がって凛にタオルを出してあげる為に洗面所に来ていた。

「凛」

「何?」

「ちょっと入っていい?」

「それは…」

「電気消すからいい?」

「それなら、いいよ」

俺は、パチンと電気を消して入った。

「凛」

「何?」

体を洗い終わっていた凛を引き寄せて抱き締める。

「あのさ」

「うん」

「俺、凛と完全に終わるのは嫌だから」

「拓夢」

「だから、方法を本気で見つけるよ」

「そんなのいいのに…」

「見つけさせてよ!凛」

「わかった」

男だからとか女だからとか分けなくてもいい場所を見つけるから…。だから、凛。傍にいてよ!
俺は、凛をギューって抱き締めていた。

「拓夢、私悪い事してるよね」

「そうかもな、お互いに」

「でも、何でだろう?罪悪感が沸々湧き出したりしないの」

「うん」

「それよりも、夫とこのままちゃんと生活を出来るって思うだけでホッとしてる」

「うん」

「拓夢とあの日こうならなかったら、私はずっと夫と喧嘩や不毛な言い争いを繰り返していたと思うの」

「うん」

「だからね」

俺は、さらに強く凛を抱き締める。

「俺、凛の事大切にするから…。いけない事なのは、わかっている。ずっと続けられない事だってのも、わかってる。だけど、凛。この関係だけじゃなく、続けれるようにするから…。だから、そうなれるまで今の関係を続けたい」

「いつか、体の関係をなしにするって事?」

「駄目だよな!そんなの…」

「そうなれるなら、それが一番いいよね」

凛は、俺の背中に手を回して強く抱き締めてくれる。

「凛、忘れられる事!見つけよう」

「赤ちゃん?」

「うん」

「セックスだけじゃなくて、忘れられるの?」

「忘れられるよ!明後日、俺が見せてあげる」

「忘れられる方法?」

「そう!だから、明後日会えないかな?」

「わかった」

凛は、そう言って頷いてくれてるのがわかった。

「あがって、俺。ここにいるから」

そう言って俺は、両手で目を塞いだ。凛が上がっる音がしてる。

「上がったから」

そう言われて、目を開ける。俺は、体の関係だけじゃなく。赤ちゃんを忘れさせてあげれる方法をひとつだけ見つけていた。

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