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拓夢の話2

三度目…

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これで、三度目だ。俺は、凛と向き合って座った。

「服脱がしてあげる」

「うん」

Tシャツを脱がして、ズボンを脱がして、下着を脱がせる。昨日と同じ凛がいる。

「私も脱がせる」

そう言って、凛は俺のスーツを脱がせてくる。俺と凛の服が床で重なっていく。
そのまま、横に寝転がる。

「触って」

俺と凛は、お互いの下半身に手を持っていく。

「凄いね!拓夢」

「凛も同じだよ」

考えてる事も、きっと同じだ。罪悪感、背徳感、そこにヤキモチがプラスされた。後悔はない。頭の中が痺れて、真っ白になる。

『ハァ、ハァ、ハァ』ってお互いの息が重なるのを感じれば、興奮しているのがわかる。互いの興奮が、どんどんピークに達していくのを感じる。
何度も体がビックって跳ねる。

「凛、もう無理だわ」

「私も」

その手を緩める事なく動かし続けた。

『アッ、ア、ッッッ…』

声にならない叫びと共に果てていた。

「凛、大好き」

引き寄せて、抱き締めた。

「ベタベタだよ」

「いいよ、俺から出たものだし」

凛は、そう言うとクスッと笑ってくれた。

「このまま、続けたい」

「えっ?」

「違う、違う!これじゃなくて…。二人の関係だよ」

「不倫って事?」

「うん」

「でも、夫にバレたらどうする?」

「バレたら、友達としているから」

「いれるの?私達、お互いの肉体を知ってしまった仲なんだよ」

凛は、そう言って俺の顔を見つめている。

「そうだね!でも、違う形が見つかるかも知れないだろ?」

「それって、曲を作ってくれるって話だよね?」

「そう、それ!Bチューブ仲間的な感じ」

「それなら、いいかもね」

「手洗いに行く?」

「あっちは、明るいから…。おばさん体型が目立つのが恥ずかしい」

「おばさん体型っていう程じゃないと思うけど?」

そう言って、俺は凛のお腹のお肉をつまんだ。

「家で鍛えてるんだよ!これでも、三年前から」

「へぇー!凄いね」

俺は、凛のおでこにおでこをくっつける。

「興味ない?」

「あるよ!凛の事は、興味がある」

「私ね、やっぱり赤ちゃんが欲しいって思ちゃったんだ」

「旦那さんとのセックス?」

「そう」

「欲しかった人なんだから、仕方ないんじゃない?」

「最中もずっと、脳内に赤ちゃんが欲しいが流れるの!小さい私が、現れてね!拡声器持って言ってるんだよ!「赤ちゃんがほしーい」って!それを聞きながらするから、頭の中が思うように真っ白にならなくて…。やっぱり、夫に抱かれたくないって思っちゃうんだ」

「凛…」

俺は、凛をギュッーって抱き締める事しか出来ない。凛は、別に旦那さんの代わりを見つけたいわけじゃない。それを俺は、ちゃんとわかってる。
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