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「エーリッヒ、どうしたんだ。その服は……」
ジゼルの言葉通りリュシオンはすぐにやってきた。
「気になりますか?」
全身を食い入るように見つめられて、カァと頬が火照る。落ち着いた気がしたのは気のせいだった。
「とても……美しい――。恥じらっている姿が可愛い」
リュシオンの賛辞がくすぐったいけれど、気にいってくれたみたいでよかった。恥ずかしい思いをして着たかいがあった。
「リュシオンも……」
一緒に寝るときだってリュシオンは堅苦しい服を着ていたけれど、その理由は教えてもらった。今日はいつも僕が着ているような貫頭衣とズボンの組み合わせで胸元は開けている。気にしたことはなかったけれど、リュシオンは筋肉質な身体だった。僕の薄い胸板とは比べものにならない肉厚の胸筋が服の隙間から見えた。
リュシオンが寝台に上がると僕も一緒に揺れた。
「エーリッヒ……。待たせたな」
それが現在のことを言っているのか、二年という年月を言っているのかわからなかった。わからないまま頷いた僕の頬をリュシオンは愛おしげに触れて顎を持ち上げる。
「リュシー……」
目を瞑るとリュシオンの唇が触れては離れて、何度も啄むように口付けが与えられた。いつものように気を送ってこないのはどうしてだろう。
「気を送らないのですか?」
「慣れたとは言っても、気を送ればエリーはすぐに疲れてしまうだろう?」
抱きしめられるとドキドキした。いつもと違う。いつもは最初のキスだけで身体の隅々まで敏感になって、こんな風に自分の気持ちが昂ぶるのを感じる暇はなかった。
「今日は気をいただけないのですか?」
それはそれで寂しいと思ってしまうのは、リュシオンの与えてくれる快楽に慣れてしまっているからだ。
「いいや、だがそれはもう少し後だ」
リュシオンはそう言って、僕の身体を胡座のかいた太ももの上にのせた。脚を開いて、リュシオンの胴体を挟むような座り方だ。でもそうやって抱き合えば、胸の隙間もないくらいに密着して、少しひんやりとしたリュシオンの肌を感じた。僕の方が背が低いので少し上を向けばリュシオンの顎が見えた。そこに口付けると、リュシオンはくすぐったそうに笑う。
「キスをしたいです。駄目ですか?」
受け身は飽きられるとお姉さん達が言っていた。いつもは気を受けて努力する余裕がなかったけれど、今ならできるはずだ。
「いいや、そなたに触れられると嬉しい」
リュシオンは僕の好きにさせてくれた。首を抱きしめ、屈んだリュシオンの唇にそっと触れる。チュッと吸えば、さらに目尻が柔らかく落ちた。
「ん……うふ……」
鼻で呼吸しながら味わうリュシオンの口腔は、ハーブの爽やかな香りがした。そういえばいつもそうだ。竜の口臭というのはそういうものなのだろうかと不思議に思い考えていると、リュシオンが口を外してしまった。
「集中していないな」
「あっ!」
耳元で囁かれると気がなくても駄目だった。力が抜けた僕に目線を合わせたリュシオンは訝しげに目を細める。目を合わせると身体が硬直するから止めて欲しい。
「何を考えている?」
「……リュシオンはいつもハーブの匂いがするなぁと思っていました」
正直に答えると、フハッと気の抜けた笑いがリュシオンの口からもれた。
「そなたは面白いな。口付けの合間にそんなことを考えていたのか。ただのエチケットだ。私はそれほど肉食ではないが……、番に嫌われないようにハーブを食べろと言われているのだ。肉の匂いがして吐き気をもよおす者もいるらしい。もしかして間違っているのか?」
端正な顔に宿る戸惑いの表情を見て、可愛いと思ってしまった。
「いいえ、そうだったんですね。とてもいい匂いがするから僕は好きです。でもリュシオンがハーブを好まないのなら食べなくていいですよ」
リュシオンが食事の時にパクパクと食べているわけではないので、好物ではないと思う。
「そ、そうか――。そなたに嫌われたくないので食べていたが、あまり大量に食べたいものではないのだ……」
食べ続けたハーブの量を思ってか、リュシオンが少し遠い目をする。
「ふふっありがとうございます。続けてもいいですか?」
ハーブを食べなくてよくなったのがそれほど嬉しかったのかリュシオンがご機嫌になっているのがわかる。僕にとっては好きな匂いだから少し残念だけど。最後かもしれないなら堪能しようと思って口の中を弄る。舌を絡めると、リュシオンはすかさず応えてくれた。長い舌は僕の倍くらいあるようで、全ておさめると口の中は一杯になる。人よりも柔らかいのに弾力があって、僕が攻めているつもりなのに気がついたら溢れた唾液を飲み込むことも出来ずにリュシオンの腕を握りしめていた。銀の細い線が弧を描いて離れた時には、クタリとリュシオンの胸に頬をつけて休憩してしまうほどで、気がなくてもこんな風になるのだと知った。
「もう終わりか?」
「まだです」
汗ばんだ僕の髪に口付けて、リュシオンが訊ねた。
まだだ。ここで諦めては男が廃る。ハムっと口を開けて肉厚な胸筋にかぶり付くと、くすぐったそうにリュシオンは笑う。
「そなたは肉食か? 小さなトラの子のようだ」
「いいえ、僕はもう子供ではありませんよ。トラは絵本でしか見たことがありませんが……」
あまり身体は大きくなっていないが、僕はもう二年も前に成人している。
「猫の大きいやつだ。そなたは……稚いと思うのだが」
「それはリュシオンが雄々しいからそう思うだけで、世間一般ではもう大人です」
後宮にいるのであまり世間一般とは言えないかも知れないけれど。
舐めても齧り付いても、リュシオンは平然としている。残念だ。仕方がないので、今まで触らせてもらえなかったリュシオンのモノを……と思ったところで寝台に組み敷かれた。
「遊ぶのはそれくらいにして、そろそろいいか?」
「あ、遊んでなどおりません!」
酷い。僕は全力で挑んでいたのに。
「そなたが悪い……。私のことを雄々しいなどというから、我慢もおしまいだ」
「ええっ! 我慢していたのですか……」
少しでもリュシオンに気持ち良くなって欲しいと思ってやっていたのに。
「我慢というか……そなたも男なのだから察してくれ」
情けない顔をしたリュシオンは、大きな身体なのに可愛い。何を察すればいいのかわからないまま、僕は雰囲気に流されて頷いた。
「それでいい」
満足げなリュシオンの顔を見て、まぁいいかと思った。これからいくらでも時間はある。最後でないなら、これから頑張ればいいのだ。
ジゼルの言葉通りリュシオンはすぐにやってきた。
「気になりますか?」
全身を食い入るように見つめられて、カァと頬が火照る。落ち着いた気がしたのは気のせいだった。
「とても……美しい――。恥じらっている姿が可愛い」
リュシオンの賛辞がくすぐったいけれど、気にいってくれたみたいでよかった。恥ずかしい思いをして着たかいがあった。
「リュシオンも……」
一緒に寝るときだってリュシオンは堅苦しい服を着ていたけれど、その理由は教えてもらった。今日はいつも僕が着ているような貫頭衣とズボンの組み合わせで胸元は開けている。気にしたことはなかったけれど、リュシオンは筋肉質な身体だった。僕の薄い胸板とは比べものにならない肉厚の胸筋が服の隙間から見えた。
リュシオンが寝台に上がると僕も一緒に揺れた。
「エーリッヒ……。待たせたな」
それが現在のことを言っているのか、二年という年月を言っているのかわからなかった。わからないまま頷いた僕の頬をリュシオンは愛おしげに触れて顎を持ち上げる。
「リュシー……」
目を瞑るとリュシオンの唇が触れては離れて、何度も啄むように口付けが与えられた。いつものように気を送ってこないのはどうしてだろう。
「気を送らないのですか?」
「慣れたとは言っても、気を送ればエリーはすぐに疲れてしまうだろう?」
抱きしめられるとドキドキした。いつもと違う。いつもは最初のキスだけで身体の隅々まで敏感になって、こんな風に自分の気持ちが昂ぶるのを感じる暇はなかった。
「今日は気をいただけないのですか?」
それはそれで寂しいと思ってしまうのは、リュシオンの与えてくれる快楽に慣れてしまっているからだ。
「いいや、だがそれはもう少し後だ」
リュシオンはそう言って、僕の身体を胡座のかいた太ももの上にのせた。脚を開いて、リュシオンの胴体を挟むような座り方だ。でもそうやって抱き合えば、胸の隙間もないくらいに密着して、少しひんやりとしたリュシオンの肌を感じた。僕の方が背が低いので少し上を向けばリュシオンの顎が見えた。そこに口付けると、リュシオンはくすぐったそうに笑う。
「キスをしたいです。駄目ですか?」
受け身は飽きられるとお姉さん達が言っていた。いつもは気を受けて努力する余裕がなかったけれど、今ならできるはずだ。
「いいや、そなたに触れられると嬉しい」
リュシオンは僕の好きにさせてくれた。首を抱きしめ、屈んだリュシオンの唇にそっと触れる。チュッと吸えば、さらに目尻が柔らかく落ちた。
「ん……うふ……」
鼻で呼吸しながら味わうリュシオンの口腔は、ハーブの爽やかな香りがした。そういえばいつもそうだ。竜の口臭というのはそういうものなのだろうかと不思議に思い考えていると、リュシオンが口を外してしまった。
「集中していないな」
「あっ!」
耳元で囁かれると気がなくても駄目だった。力が抜けた僕に目線を合わせたリュシオンは訝しげに目を細める。目を合わせると身体が硬直するから止めて欲しい。
「何を考えている?」
「……リュシオンはいつもハーブの匂いがするなぁと思っていました」
正直に答えると、フハッと気の抜けた笑いがリュシオンの口からもれた。
「そなたは面白いな。口付けの合間にそんなことを考えていたのか。ただのエチケットだ。私はそれほど肉食ではないが……、番に嫌われないようにハーブを食べろと言われているのだ。肉の匂いがして吐き気をもよおす者もいるらしい。もしかして間違っているのか?」
端正な顔に宿る戸惑いの表情を見て、可愛いと思ってしまった。
「いいえ、そうだったんですね。とてもいい匂いがするから僕は好きです。でもリュシオンがハーブを好まないのなら食べなくていいですよ」
リュシオンが食事の時にパクパクと食べているわけではないので、好物ではないと思う。
「そ、そうか――。そなたに嫌われたくないので食べていたが、あまり大量に食べたいものではないのだ……」
食べ続けたハーブの量を思ってか、リュシオンが少し遠い目をする。
「ふふっありがとうございます。続けてもいいですか?」
ハーブを食べなくてよくなったのがそれほど嬉しかったのかリュシオンがご機嫌になっているのがわかる。僕にとっては好きな匂いだから少し残念だけど。最後かもしれないなら堪能しようと思って口の中を弄る。舌を絡めると、リュシオンはすかさず応えてくれた。長い舌は僕の倍くらいあるようで、全ておさめると口の中は一杯になる。人よりも柔らかいのに弾力があって、僕が攻めているつもりなのに気がついたら溢れた唾液を飲み込むことも出来ずにリュシオンの腕を握りしめていた。銀の細い線が弧を描いて離れた時には、クタリとリュシオンの胸に頬をつけて休憩してしまうほどで、気がなくてもこんな風になるのだと知った。
「もう終わりか?」
「まだです」
汗ばんだ僕の髪に口付けて、リュシオンが訊ねた。
まだだ。ここで諦めては男が廃る。ハムっと口を開けて肉厚な胸筋にかぶり付くと、くすぐったそうにリュシオンは笑う。
「そなたは肉食か? 小さなトラの子のようだ」
「いいえ、僕はもう子供ではありませんよ。トラは絵本でしか見たことがありませんが……」
あまり身体は大きくなっていないが、僕はもう二年も前に成人している。
「猫の大きいやつだ。そなたは……稚いと思うのだが」
「それはリュシオンが雄々しいからそう思うだけで、世間一般ではもう大人です」
後宮にいるのであまり世間一般とは言えないかも知れないけれど。
舐めても齧り付いても、リュシオンは平然としている。残念だ。仕方がないので、今まで触らせてもらえなかったリュシオンのモノを……と思ったところで寝台に組み敷かれた。
「遊ぶのはそれくらいにして、そろそろいいか?」
「あ、遊んでなどおりません!」
酷い。僕は全力で挑んでいたのに。
「そなたが悪い……。私のことを雄々しいなどというから、我慢もおしまいだ」
「ええっ! 我慢していたのですか……」
少しでもリュシオンに気持ち良くなって欲しいと思ってやっていたのに。
「我慢というか……そなたも男なのだから察してくれ」
情けない顔をしたリュシオンは、大きな身体なのに可愛い。何を察すればいいのかわからないまま、僕は雰囲気に流されて頷いた。
「それでいい」
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