王と王妃の恋物語

東院さち

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27 本当の気持ちだったらいいのに

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 そういえば、部屋に最初に入ってきたときはカーテンが開いていたはずなのに、何故か今は締められている。逃避のように窓のほうを見つめていれば、「アラーナ?」と訝し気に名を呼ばれた。

「まだ明るい時間でしたね……。お仕事は大丈夫ですか?」

 アラーナ達は昼を過ぎてから王城に来たから、まだ天高く太陽はのぼっているはずの時間だ。突然こんなことになってしまったけれど、アルベルトの国王としての仕事は大丈夫なのだろうかとふと心配になった。

「心配ありがとう。集中してくれていいぞ」
 
 何故今この時に、そんな心配をしているのかわからないアルベルトはそう言った。

「あっ……あ……あうっ!」

 アラーナが堪らない様子で太ももを締め付ける。
 指を秘裂の奥に突き立てられながら啼く。

「それ……なら……よいのですっ」

 アラーナの中は狭く、アルベルトの指の一本ですら拒むようだった。

「二本入るとは思うが……少し痛むぞ」

 一本目は狭かったとはいえ、アルベルトに散々胸を弄られた時に溢れたもので滑りよく飲み込んだが、剣を嗜むアルベルトの指はゴツゴツと節ばっていて、二本目は少しだけ入りにくい。

「アラーナ、恥ずかしいとは思うんだが、こっちのほうが楽だから……」

 アラーナの腰の下にクッションを敷いて、アラーナの太ももを広げさせてその間に自身の身体で閉じれないようにしてしまった。

「アルベルト様っ」

 切羽詰まったアラーナの声と不安げな視線にアルベルトは「大丈夫だから、私を信頼してまかせてくれ」と慰めた。
 そこまで言われて頷けないようでは、きっとアルベルトも呆れて抱いてくれないだろうと頷く。アラーナは半分泣きたい気持ち、半分諦めの気持ちで、アルベルトの行動を見守った。
  自分でもちゃんと見たことのない場所がアルベルトの視線にさらされていると思うだけで、何故かそこが熱く、ジワリと蜜があふれ出してくるのがわかった。
 そこに二本の指を揃えて、アルベルトはゆっくりと奥へ進めた。アラーナが怖がらないように慎重に。

 途中でつっかえながらも何とか入り込んだ指を開くと、水音がコプリとした。二人の息遣いしかない寝室にそれは艶めかしく響いた。

「ふぁ……」

 よくわからない感覚が気持ち悪くて、アラーナは首を振った。揃えた指が中の感覚を楽しんでいるようにあちこち押される。

「んっんんっ……ン」

 意図せず漏れる吐息のすべてが子猫のように高く、普段のアラーナの声とはまるっきり違うためにアルベルトは、自身が興奮してくるのを感じた。
 早くここに挿ってかき混ぜたい――。
 雄としての本能に促されるまま中を指で暴いていく。アラーナはビクビクと腹を波打たせて、アルベルトに続きを促してくる。
 アラーナの未熟な蜜口では、快感らしいものを感じても達くことが出来ないようだった。アルベルトは、青い果実を未だ食べたことはなかったから、それに気づくのにしばし時間がかかった。

「アルベルト様っ、アルベルト様っ……」

 身体の波を乗り切ることが出来ずに泣きそうなアラーナが、アルベルトの名前を何度も呼ぶ。無意識に身を捩り、痛みではない何かを必死に堪えているのだろう。

「アラーナ」

 アルベルトは、自身の分身のような指を動かすのを止めて、挿れたまま触らずにいた小さな突起を親指で押しつぶした。

「ひっあ……っ!」

 痛みではない感覚の何かが身体を突き抜け、ビクビクッとアラーナは身を震わせた。

「あ……あ……っああっ――」

 アラーナの中に挿れたままだった指が締め付けられて、中がうねるのを感じたアルベルトは、アラーナが初めて達ったことに気付いた。愛しさが溢れ、口付けをしようとして、そこは触らないでほしいと言われたことを思い出す。仕方なく太ももに口付けると、アルベルトの指が少し動いたのだろう。何度か身体を震わせて、アラーナは力なく寝台に沈み込んだ。

「アラーナ?」
「アルベルト様……、何だか力が入らなくて」

 困ったように目尻を下げてフワリと笑うアラーナはやはり可愛い。

「まだ終わってないが……」

 どうする? とアルベルトの目線が問う。

「止めないでください」

 本当に挿るんだろうかと、アルベルトは少し心配になった。特に大きいほうではないし、アラーナもしっかりと濡れているから大丈夫だと思うが、アルベルトが知る女の隘路とは全く違うものに見えた。

「もう少し、広げようか」

 挿れたままの二本の指を一度抜き、三本を合わせて進むと、やはりアラーナの顔に痛みが見えた。けれど、アラーナは止める言葉は発することもなく、アルベルトのすることを享受していた。

「これはしたことがないんだ……、イイと聞くから――」

 アルベルトは身体をすすめ、アラーナの膝裏を押し上げてアラーナが飲むこんだアルベルトの指の入った場所の上の小さな突起を舐めた。

「あっ、やぁあ!」

 アラーナは目を閉じていたから舐められるまで、何をされているのかわからなかった。アルベルトの指が痛くて、それのみに集中していたから、いきなりの足の間の濡れた感覚に悲鳴を上げた。

「アラーナっ」

 アルベルトは暴れるアラーナの腰を意外に強い力で押しとどめると、アラーナの声に嬌声が混じるまで、舐めては指を進め、舐めては引いてを繰り返した。
 最初は、何てことをしているのだろうと思って逃げようとしていたアラーナだったが、次第に羞恥よりも激しい快感に啼いた。

「あっ、んっんぁ……はっ……ああっ!」

 アルベルトが突起の部分を軽く噛んだ瞬間、アラーナは真っ白になってしまった。ドキドキと心臓が苦しいくらいに脈打ち、息が荒い。打ち上がった魚のように空気を求めてハァハァと呼吸を繰り返すと、やっとアルベルトはアラーナのそこから指を抜いた。チャポと恥ずかしいくらいの音に気付いたが、それに反応することも出来なかった。

「ん、いい子だ――」

 ただ、昔のようにアルベルトがアラーナの頭の撫でてくれて、とても幸せな気持になった。
 力の抜けきったアラーナの前でアルベルトはやっと自分のナイトガウンを脱ぎ捨てる鍛えているアルベルトの身体はしなやかで美しかった。アラーナが意識をしっかりと持っていれば、きっと見惚れていただろう。

 アラーナがぼんやりとしているのを確かめて、アルベルトはアラーナの太ももを左右に大きく開く。アラーナがしがみつけるように位置を整えてやり、中心に自身の既に猛っているものをこすりつけた。アラーナのそこは既に柔らかくなっている。それでもきっと痛みに泣くだろうとアルベルトはわかっていた。
 出来れば、あまり泣かせたくないと思うのは、少女であったアラーナを愛していたからだろうか。
 アルベルトは、躊躇ないなくアラーナの狭いその道に熱い楔を打ち込む。凄い締め付けに怯みそうになるのをアルベルトは敢えて無視し、一息で入り込んだ。時間をかけてならしただけあって、何とか収めることが出来た。

「ふっあ……? あああぁぁぁ!」

 アラーナの意識が痛みに浮上し、それと共に身体に力が入る。

「アラーナっ!」

 アルベルトは、アラーナの痛みの声に気付いたが、譲ることはなかった。

「あ……っ」

 ポロポロと涙を零すアラーナの顔は、痛みで強張っていた。血の気の引いた白い顔には痛みのせいだろうか汗が浮かぶ。口が薄く開き、虫の息のように浅い呼吸を繰り返した。
 奥まで入ったその先で、アルベルトもきつ過ぎる締め付けに耐えた。アラーナの頬を優しく撫でると、アラーナは「ごめんなさい……」と謝った。アルベルトが苦しそうなのが自分のせいだと気付いていたからだ。

「アラーナ……愛してる――」

 アルベルトの告白にアラーナは息をのんで、静かにゆるゆると吐き出した。
 これが閨でのリップサービスなのだと、誤解しそうになる自身の弱い心を自嘲する。

「言わないで……」

 アラーナが欲しい言葉は、冷酷だ――。こんな風にもらってしまえば、自身を切りつける刃となる。

「……動く」

 強い締め付けが少しづつ緩んでくると、アルベルトは自分の身体が逸りそうになるのを抑えることが難しくなってくる。二人の溶け合った蜜は十分過ぎるほどで、抽送は何とか行えた。内臓の内側を絡めとりながらアルベルトは抜く間際まで腰を引き、挿れることを繰り返す。

「うう……ああっ――。んっあ……。んんっ――……」

 アルベルトはアラーナの奥まで入り込むと、ストロークを短くして腰を打ち付けた。抱きしめたアラーナの胸を舐めると、ギュっと中が締まって、アルベルトは「うっ」と声を漏らした。
 アルベルトの濡れた声にアラーナのお腹の中がビクビクと震えた。
 アルベルトが感じていることが嬉しかったのだ。自分の身体が正直すぎて、アラーナは自身を嗤う。

 本当は泣きたい。馬鹿なアラーナ、抱かれたら吹っ切れると思っていたのに――。こんなに悦びに満ちた身体を一生どうするというのだろう。
 何も知らず、清いままであったなら、アルベルトを想うだけで生きていけただろうに。

「アラーナ……っ!」
「ああっ、あああぁぁぁん――……」

 切羽詰まったアルベルトの声を聞きながら、アラーナは身体の奥に熱いものが広がるのを感じた。その瞬間を忘れたくない――、そう思いながらアラーナは、アルベルトに抱きしめられて、背中に手を伸ばしたのだった。
 唇に何かが触れたような気がしたのは、多分夢だろう。欲しいものがあふれ出さないように、アラーナはギュっと目を瞑って、そのまま意識は眠りの中に落ちていくのだった。
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