騎士様、お菓子でなんとか勘弁してください

東院さち

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リカルドは沈黙した

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「んっ……ふ……」

 くすぐったい。時折甘噛みされると少し痛いけれど、ウィスランドはラズの反応を怜悧な目で観察しながら臍まで辿り着いた。ラズが大事な場所を隠していた手をキスする。半身をリカルドに預けていたラズは、その目の意図を察して目を逸らした。

「ラズ?」

 ウィスランドの望みはその奥にある。

「……恥ずかしい……」
「羞恥に震えるあなたも可愛いですよ」

 手を退けると、旋毛あたりをリカルドが「えらいな」とキスをした。

「だって……」

 ラズのそれは小ぶりであまり見られたくないのだ。けれどそういうわけにはいかないこともわかっているし、二人なら馬鹿にしないとも思っている。
 ラズの葛藤や羞恥を知ってか知らずか、ウィスランドは嬉しそうにソレを見つめた。ウィスランドは俯くと頬にかかる自分の髪を掻き上げて、フルフルと震えているソレを横からパクリと口に咥えた。

「ひゃあ!」

 まさか自分のソレが食べられてしまうとは思ったこともない。ラズは人生で放ったことのない類いの悲鳴を上げた。

「どうだ?」
「んんっいい……です」

 聞かないで……、そして喋らないで。ラズは逃げたくなって腰を揺すった。

「もっとして欲しいって言ってるぞ」
「ちがっ! あんっ……ふ……」

 後ろにリカルドがいてラズのソファのように座っているから逃げられるわけがなかった。モジモジと動くのは気持ちがいいからだ。ウィスランドの繊細な美しさをもつ横顔を眺めながらラズは初めての感覚に身もだえながらシーツを掴んだ。

「ラズ、可愛い……」

 リカルドは自分の声の威力を知っているのか、ことさらラズの耳元で囁く。

「アッ! 耳元で囁くのは……だめっ」
「ラズ、耳たぶまで可愛い」

 止めを差すとばかりにリカルドはラズの耳の中を舐めた。ガサッと鼓膜が鳴る。

「ああっ! あ……あ……ん……」

 ラズの限界は早かった。

「リカルド! 酷いです!」

 ウィスランドが吼えた。
 ラズは気まずい思いでウィスランドを見上げた。ウィスランドの顔に白濁がついている。

「ご、ごめんなさい……。顔にっ」

 潔癖症のウィスランドに何てことをしてしまったのだろうとラズは申し訳なさで涙が出てきた。

「悪かった……」

 ラズの涙をみたリカルドは手を伸ばし、ウィスランドの頬についた飛沫を指で掬って口に入れた。

「青いな……」
「舐めるな! ああっ、ラズ泣かないでください。大丈夫です。飲むつもりだったんですから。ツルッと口から飛び出してしまって……」
「でもっ!」

 でもと言いながら、ラズは引いた。飲むつもりだったの? 潔癖症じゃなかったのかなとグルグルと考えが巡る。

「ラズは悪くないんです。貴実は敏感だと言いますからね。いくらでも飛ばしていいのですよ。リカルドはちょっと大人しくしていてください」

 ウィスランドの目が冷たく鈍く光った。詠唱は聞いたことのないもので、ラズは何が起きたのかと視線を彷徨わせた。魔法が展開されたことがわかったが、やはり変化はない。ラズは、もしかしてと振り向いた。リカルドも特に変わったところはないけれど、目を細めて不満そうな顔をしている。

「……」
「口が開けないだけなので、安心してください」

 そんな魔法まであるのかと、ラズは優秀すぎるウィスランドを憧れの目で見上げた。

「ラズ、魔法が気になるのはわかりますけど、今はこっちに集中してくださいね」

 そう言って、ウィスランドはラズの膝裏を持ち上げる。その脚をリカルドが受け取り、ウィスランドに見せつけるようにラズの脚を開いて見せた。
 ラズは熱い視線を後ろの孔に感じた。そこで繋がることはわかっているが、自分の中でもそうそう目にする場所ではない。

「震えてますね」

 ウィスランドは自分の頬についたラズの精液を指ですくい、ギュッと力のはいったそこになすりつけた。それだけでラズの小さな性器はピクリと反応する。

「ウィス――」

 期待と不安を滲ませて、ラズはウィスランドの名を呼んだ。

「ラズのここに触るのは……私が最初です」

 ウィスランドはラズを安心させるように笑顔を浮かべると、人差し指を目の前にある小さな孔に差し挿れた。
 

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