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僕の騎士
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大聖堂の鐘の音が王都の街中に響く。最初の鐘の音で二人は赤い絨毯の上を歩きはじめた。
大勢の人の群れに慣れていないセラフィは、アレクシスがいなければまっすぐに歩けたかどうかもわらかないくらい緊張していた。けれど、アレクシスの顔を見ているうちに気にならなくなった。堂々としていてなんて素敵なんだろうと思っていたら赤い絨毯の端が見えた。
最後の鐘の音でエドアルドの前にたどり着く。今日のエドアルドは、師匠でも学校長でもない、大神官として二人を祝福するために来てくれた。
「ほとんど会えないまま挙式となりましたね」
エドアルドが挙式の紙を用意していると、アレクシスはセラフィに囁いた。
セラフィが王都へ戻ってから二週間が経つ。帰ってきたらデートしようと約束していた二人は、忙しくてほとんど会うこともできなかった。仕事が山のようにアレクシスの執務室に届けられて、どれも至急と書かれていた。十七時定時が幻のように消え去ってしまった。原因がセラフィの父ジョセフと兄イグニスの嫉妬からくる嫌がらせだとわかっていても、結婚を控えているアレクシスには断ることができなかった。
「ごめんね。僕、家族の手紙も無視していた時期が長かったでしょう。その後もアレクとは会ったりしてたけれど、お母様やお父様とは中々会えなくて……」
アレクシスに逢いたくても家族の愛情という巨大なバリケードを越えることができず、セラフィもモヤモヤと忙しく日々を過ごしていた。
「王宮に住まいはいらないと言ったんですが……」
「ごめんね。お母様が寂しがって、断れなかったんだ。第二王子として全然認識されていなかったのを心配して、毎日舞踏会や各国の要人との会合にイーディア公爵としてかりだされてしまって……。でも僕、毎日、毎日アレクのことばかり考えていたよ」
セラフィは結婚式に着る白いタキシードを何度も撫でて、アレクシスの隣に立つ日をいまかいまかと待ち構えていた。
アレクシスの黒いタキシードも彼の銀の髪によく似合っている。騎士の正装も格好良かったけれど、これも素敵だとセラフィは見惚れた。
「よろしいですか?」
水の女神を信仰しているこの国では、水の魔術師が神官でもあった。その長であるエドアルドは、言うまでもなく大神官なのだ。
エドアルドはよく通る声で聖堂に集まった人々に語りかけ始めた。
「お二人は小さい頃から想い合い、数々の試練を越えられてきました。神の教えに従い、互いを思いやり、支え合ってこの先の人生を歩んでください。お互いを認め合えると思うのなら神へ報告を込めて、キスをしてください」
水の神は愛の女神でもあった。神は大らかで、性別も関係がない。報告がキスというのも水の女神を信仰しているからこそだ。
セラフィはエドアルドの言葉を聞いて、今までのことを思い出した。いいことばかりではなかった。アレクシスがいなければ、セラフィの今は幸せとは縁遠く、全く違ったものだっただろう。
「セラフィ様、私の人生はあなたそのものです。あなたの幸せが私の幸せです。この先ずっとあなたと歩いて行きたいです」
アレクシスの言葉が真摯にセラフィの心を打った。胸が詰まり、声が震えた。それでもセラフィも想いを込めて、アレクシスに気持ちを伝えた。
「……嬉しいです。僕もあなたと一緒に生きていきたい。……僕を守ってくれた騎士」
セラフィにとって、アレクシスは文官であろうと自分を守ってくれた騎士に違いなかった。
「そう言われると、騎士に戻りたくなりますね」
アレクシスは見たこともないほど蕩ける笑顔を浮かべ、セラフィにキスをした。ポロッと零れた涙をキスで受け止めると、キャア! と細い歓声があちこちからあがった。そしてパタンパタンと倒れる音がした。
セラフィは聞かなかったことにした。自分のパートナーがどれだけ格好いいか知っている。明日イグニスが何人気絶したか報告してくれるだろう。
招待された客は先に聖堂からでて、お互いの家族、友人達が祝いの言葉で迎えてくれた。
「おめでとう、セラフィ。アレクシス!」
皆の祝福に応えて、二人は手を振った。
二人が大聖堂をでた瞬間、雲一つない晴れた空に光が舞った。まるで花の花弁のように開き散っていく。ドーン! と音が鳴って、皆は驚きに目を瞬いて上空を眺めた。何度も開いては散っていく大輪の花は、セラフィとケイトリンが開発した花火だった。セラフィの代わりにマリカが風を操り、ケイトリンが火薬を調整し、色づけにランスが水の魔術を使っている。何度も試行錯誤して作った今日お披露目の花火。カリナが指揮しているはずだ。
「綺麗だね」
セラフィが感嘆のため息をつくと、アレクシスは肯定してから少し気まずそうに首を振った。
「そうですね。……嘘です。花火を見ていませんでした」
「ええっ、見てなかったの? まだあるから見て――」
自分の友達が上げてくれたものだから、セラフィはアレクシスの腕を引っ張って空を指さした。
「すみません、私にはあなたしか見えてなかったので。でも、楽しそうなあなたを見られてよかったです」
セラフィは思わず無言でアレクシスを見つめた。
「……セラフィ様?」
「もうあなたのパートナーなんだから、セラフィって呼んでください。これからいくらでもみられるから、今は花火を見ましょう。僕も、花火を見ているあなたの顔を見ていたい……」
花火の音が鳴り響く中、二人はもう一度キスをした。
風が二人の耳元に『ちゃんと見なさいよ!』というマリカの声を届ける。
笑いながら二人で手を繋ぎ、空を見上げた。青い空に『セラフィ&アレクシス、結婚おめでとう』の文字が浮かぶ。セラフィも知らなかったサプライズは二人を驚かせた。
披露宴は大聖堂から近い王宮の庭で行われた。セラフィがもう王族ではないということで堅苦しいものより沢山の人が集まれる立食パーティにしたためだ。魔術学園の教師や同級生も来てもらいたかったセラフィの願いをアレクシスやイグニス、カリナが叶えてくれた。
「持ち物検査とかすごかったから、反対に迷惑だったかな」
どんな小さな魔方陣も見落とさないようにかなりの魔術師が動員され、騎士の警戒も怠らなかった。
「あなたが望む結婚式ができて、皆満足ですよ」
「兄様はパーティに出られなかったのに?」
王と王太子が同時に襲われては国の危機になるので、今回イグニスは王宮のバルコニーから眺めるだけになった。
「それでも、ですよ」
「兄様にお礼言うね」
「イグニス様は、あなたに助けてもらった恩を少しでも返せるならと言ってました」
セラフィは恩なんて思って欲しくなかった。
「家族が大変なとき、恩とか関係ないよ。僕が襲われたらアレクはきっと助けてくれるけど、恩を感じて欲しい?」
言いたいことを伝えられたのかわからないけれど、アレクシスはわかっているという風に頭にキスをした。
セラフィはアレクシスと一緒に沢山の人に挨拶をした。魔術学園の知り合いはセラフィが紹介し、王宮の知り合いはアレクシスが紹介して到底覚えられない数の祝福の言葉をもらった。
大勢の人の群れに慣れていないセラフィは、アレクシスがいなければまっすぐに歩けたかどうかもわらかないくらい緊張していた。けれど、アレクシスの顔を見ているうちに気にならなくなった。堂々としていてなんて素敵なんだろうと思っていたら赤い絨毯の端が見えた。
最後の鐘の音でエドアルドの前にたどり着く。今日のエドアルドは、師匠でも学校長でもない、大神官として二人を祝福するために来てくれた。
「ほとんど会えないまま挙式となりましたね」
エドアルドが挙式の紙を用意していると、アレクシスはセラフィに囁いた。
セラフィが王都へ戻ってから二週間が経つ。帰ってきたらデートしようと約束していた二人は、忙しくてほとんど会うこともできなかった。仕事が山のようにアレクシスの執務室に届けられて、どれも至急と書かれていた。十七時定時が幻のように消え去ってしまった。原因がセラフィの父ジョセフと兄イグニスの嫉妬からくる嫌がらせだとわかっていても、結婚を控えているアレクシスには断ることができなかった。
「ごめんね。僕、家族の手紙も無視していた時期が長かったでしょう。その後もアレクとは会ったりしてたけれど、お母様やお父様とは中々会えなくて……」
アレクシスに逢いたくても家族の愛情という巨大なバリケードを越えることができず、セラフィもモヤモヤと忙しく日々を過ごしていた。
「王宮に住まいはいらないと言ったんですが……」
「ごめんね。お母様が寂しがって、断れなかったんだ。第二王子として全然認識されていなかったのを心配して、毎日舞踏会や各国の要人との会合にイーディア公爵としてかりだされてしまって……。でも僕、毎日、毎日アレクのことばかり考えていたよ」
セラフィは結婚式に着る白いタキシードを何度も撫でて、アレクシスの隣に立つ日をいまかいまかと待ち構えていた。
アレクシスの黒いタキシードも彼の銀の髪によく似合っている。騎士の正装も格好良かったけれど、これも素敵だとセラフィは見惚れた。
「よろしいですか?」
水の女神を信仰しているこの国では、水の魔術師が神官でもあった。その長であるエドアルドは、言うまでもなく大神官なのだ。
エドアルドはよく通る声で聖堂に集まった人々に語りかけ始めた。
「お二人は小さい頃から想い合い、数々の試練を越えられてきました。神の教えに従い、互いを思いやり、支え合ってこの先の人生を歩んでください。お互いを認め合えると思うのなら神へ報告を込めて、キスをしてください」
水の神は愛の女神でもあった。神は大らかで、性別も関係がない。報告がキスというのも水の女神を信仰しているからこそだ。
セラフィはエドアルドの言葉を聞いて、今までのことを思い出した。いいことばかりではなかった。アレクシスがいなければ、セラフィの今は幸せとは縁遠く、全く違ったものだっただろう。
「セラフィ様、私の人生はあなたそのものです。あなたの幸せが私の幸せです。この先ずっとあなたと歩いて行きたいです」
アレクシスの言葉が真摯にセラフィの心を打った。胸が詰まり、声が震えた。それでもセラフィも想いを込めて、アレクシスに気持ちを伝えた。
「……嬉しいです。僕もあなたと一緒に生きていきたい。……僕を守ってくれた騎士」
セラフィにとって、アレクシスは文官であろうと自分を守ってくれた騎士に違いなかった。
「そう言われると、騎士に戻りたくなりますね」
アレクシスは見たこともないほど蕩ける笑顔を浮かべ、セラフィにキスをした。ポロッと零れた涙をキスで受け止めると、キャア! と細い歓声があちこちからあがった。そしてパタンパタンと倒れる音がした。
セラフィは聞かなかったことにした。自分のパートナーがどれだけ格好いいか知っている。明日イグニスが何人気絶したか報告してくれるだろう。
招待された客は先に聖堂からでて、お互いの家族、友人達が祝いの言葉で迎えてくれた。
「おめでとう、セラフィ。アレクシス!」
皆の祝福に応えて、二人は手を振った。
二人が大聖堂をでた瞬間、雲一つない晴れた空に光が舞った。まるで花の花弁のように開き散っていく。ドーン! と音が鳴って、皆は驚きに目を瞬いて上空を眺めた。何度も開いては散っていく大輪の花は、セラフィとケイトリンが開発した花火だった。セラフィの代わりにマリカが風を操り、ケイトリンが火薬を調整し、色づけにランスが水の魔術を使っている。何度も試行錯誤して作った今日お披露目の花火。カリナが指揮しているはずだ。
「綺麗だね」
セラフィが感嘆のため息をつくと、アレクシスは肯定してから少し気まずそうに首を振った。
「そうですね。……嘘です。花火を見ていませんでした」
「ええっ、見てなかったの? まだあるから見て――」
自分の友達が上げてくれたものだから、セラフィはアレクシスの腕を引っ張って空を指さした。
「すみません、私にはあなたしか見えてなかったので。でも、楽しそうなあなたを見られてよかったです」
セラフィは思わず無言でアレクシスを見つめた。
「……セラフィ様?」
「もうあなたのパートナーなんだから、セラフィって呼んでください。これからいくらでもみられるから、今は花火を見ましょう。僕も、花火を見ているあなたの顔を見ていたい……」
花火の音が鳴り響く中、二人はもう一度キスをした。
風が二人の耳元に『ちゃんと見なさいよ!』というマリカの声を届ける。
笑いながら二人で手を繋ぎ、空を見上げた。青い空に『セラフィ&アレクシス、結婚おめでとう』の文字が浮かぶ。セラフィも知らなかったサプライズは二人を驚かせた。
披露宴は大聖堂から近い王宮の庭で行われた。セラフィがもう王族ではないということで堅苦しいものより沢山の人が集まれる立食パーティにしたためだ。魔術学園の教師や同級生も来てもらいたかったセラフィの願いをアレクシスやイグニス、カリナが叶えてくれた。
「持ち物検査とかすごかったから、反対に迷惑だったかな」
どんな小さな魔方陣も見落とさないようにかなりの魔術師が動員され、騎士の警戒も怠らなかった。
「あなたが望む結婚式ができて、皆満足ですよ」
「兄様はパーティに出られなかったのに?」
王と王太子が同時に襲われては国の危機になるので、今回イグニスは王宮のバルコニーから眺めるだけになった。
「それでも、ですよ」
「兄様にお礼言うね」
「イグニス様は、あなたに助けてもらった恩を少しでも返せるならと言ってました」
セラフィは恩なんて思って欲しくなかった。
「家族が大変なとき、恩とか関係ないよ。僕が襲われたらアレクはきっと助けてくれるけど、恩を感じて欲しい?」
言いたいことを伝えられたのかわからないけれど、アレクシスはわかっているという風に頭にキスをした。
セラフィはアレクシスと一緒に沢山の人に挨拶をした。魔術学園の知り合いはセラフィが紹介し、王宮の知り合いはアレクシスが紹介して到底覚えられない数の祝福の言葉をもらった。
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