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私の誕生日 3
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「お疲れ様でした、クリス様」
「ああ、全くだ――」
エルフランの言葉に頷く。まだ宴もたけなわといった様相だったが、主役が姿を消すのに問題のない時間を過ぎたので、私は急いで離宮に戻った。
「ルーファスは?」
普段だと既に部屋に戻っているマリエルが私を待っていたということは、本当に具合が悪いのではないかと心配になる。急ぎ早に寝室の扉を開けようとしたところをマリエルに止められた。
「湯あみなされて、お部屋でお休みでございます。クリストファー殿下、起こしてしまうかもしれませんから先に就寝の準備をなされては」
マリエルの頬が少し赤くなって目線が伏せられた。私が女好きだったら、ドキっとしてしまいそうな風情だ。
「・・・・・・そのほうがいいのか?」
「はい、是非――」
マリエルはやはり目を逸らしたままだ。
取っ手に掛かっていた手を戻して、マリエルに尋ねる。
「遅い時間だが、明日の出勤は大丈夫か? 昼前に私は宮殿の方に行くから、ルーファスの具合如何で看護してもらいたい」
「勿論でございます。明日は朝のうちに参ります」
「いや、昼前でいい。それまでは私がみている」
マリエルは変則的に出勤してもらっているから、負担も大きいだろう。どちらかというと、私のいないときに支えてもらいたいのだ。
「かしこまりました。連絡をいただければ、いつでも参ります。特に指示がないときは、昼前に参ります」
リグザル王国の貴族令嬢であったというマリエルの所作はどこかのお転婆侯爵夫人よりも余程美しい。彼女が去ったあと、私はエルフランに面倒な服の釦を外してもらい、エルフランにも帰るように言った。
「明日もお忙しいので、あまり頑張りすぎないようにお願いします」
エルフランの言葉は、マリエルの様子をみてのことだろう。私は急いで風呂に入り、ガウンだけを羽織って寝室の扉を開けた。
そこに、おとぎ話のお姫様が眠っていた――。
横に赤いシミを見つけて、私は吐血したのかと慌てて駆け寄った。お姫様の手の先にはグラスが倒れていて、吐血したかと思ったものはワインであることに匂いで気付く。
一瞬引いた血の気に頭を抑え、寝台の端に腰かけると、何だかとても腹が立った。
あれほど飲むなと言ったのに――。
「ルーファス」
この白い花はなんだろうと不思議に思いながらも名を呼んだ。二度、三度と身体の上にのしかかって名を呼び続けると、「う・・・ん・・・・・・?」と苦し気な声を上げてルーファスが目を醒ます。
「酒を飲んだのか?」
私の声に険が滲んでいたのは否めない。
「ひ、一口だけ・・・・・・」
零れている量を見れば、それほど飲んでいないのは本当のことだろう。
「具合が悪いのにか――?」
ルーファスが一度だって具合が悪いなどと言っていないことも覚えているが、私は責めるように問いただした。
「この頭は何だ――?」
これはだたの疑問だ。
白く柔らかい光沢のあるリボンは、花をいくつも散りばめた冠のようだった。似合いすぎて、私は言葉を失いそのリボンに指を引っかけてみた。シュルとリボンは簡単に解けて、沢山あった花々は一本のリボンになってしまった。
単純にすごいな、と驚いた。
されるがままだったルーファスが、居心地悪そうに「あの・・・・・・」と口を開く。
「具合は悪くないのか――?」
遮るように訊ねたのは、責めるためではない。今のリボンはもしかして、『俺がプレゼント』的なものかと浮足だちそうになるのを抑えるために殊更冷静な声音を心掛けた。
「・・・・・・ごめんなさい」
私の圧力が強かったせいか、酒のせいかはわからないが、謝ったルーファスの眦から零れたのは透明の滴だった。
ルーファスはそれを隠すためにかのしかかっている私をものともせず、うつ伏せてしまった。
少し寝乱れていたルーファスの背中の上の方が開(はだ)けていて、私は吸い寄せられるように唇を寄せた。吸い付きたくなるような背中に吐息を吹きかけると、ルーファスの手がシーツを握ったのが目に映った。
いつもいつも・・・・・・、私を煽るなというのに、ルーファスの無意識に血液があらぬところに集まる。
確認のために私は訊ねる。
「具合は悪くないようだな――」
頷くルーファスの白い肌が震える。
「なら、責任はとってもらうぞ――」
私を煽った責任は、ルーファスの身体にとってもらおう。
首筋に私の跡を残したくて、容赦なく噛みついた。
痛みに呻き声を上げたルーファスのシーツを握りしめた拳を包み込むように握った。
自身の熱をさておき、私はルーファスに今日の事を訊ねた。
ワインは、ルーファスが一緒に飲もうとしていたようで、私の分(お気に入りのものだ)も置いていた。何故先に飲んでいたのか、具合が悪いようにも見えたのは何故か。
嬉しいことにルーファスは、アリエスやルーファスの女友達に焼きもちを焼いていたようだった。焼きもちを焼くということは、それだけ私のことを愛している、独占欲の表れだろう。喜ばずにはいられなかったが、ルーファスは、私に不信感を抱いているようだった。誰にでもあんな風なのかと心を押し殺すように訊ねられたら、胸が痛んだ。
今まで、感じたことのない焦燥感が身を貫いた。
ルーファスの顔を見ようと身体を正面に向けたのに、ルーファスは私を見ようとはしなかった。堪らなくなって、ルーファスの額に自分の額を押し付ける。
私の気持ちが全てルーファスに見せてやれればいいのだが・・・・・・、残念ながらそんな能力は私にはなかった。
私は切々とルーファスに私の不安を説いた。
ルーファスは、自分がモテたことがないとか、要らぬ心配だとか言うが、そんなことを信じているのは、ルーファスくらいだ。
何だろう、この危機感のなさは――。
「何を言ってるんだ――。お前は、爺から婆、果ては子供までお前のことが大好きだろう。正直、私が何とか出来るのは女と、まぁ男も多少は・・・・・・」
私は真面目に訴えているというのに、ルーファスの呆れた様な目は、やはり私の言う意味がわからないのだろう。
終いには、「皆、クリストファーの家族・・・・・・だよね」などという。
ルーファス、私との時間を少しでも裂くものは、須(すべか)らく私の敵なのだと言えばいいのだろうか。
この胸を締め付け、溢れそうになるマグマのような熱をルーファスに伝えるために、口付ける。
「ルーファス」
名前を呼ぶだけで愛しさが溢れる。
「好き・・・・・・」
吐息のような声でルーファスが私に告げた。
「ルー・・・・・・」
言葉を失うとは、このことだろう。私は、未だにルーファスが私に好きだとか愛しているとか想いを伝えてくれると泣きそうになる。勿論、鉄壁の涙腺を持つ私が泣くことはないが、声は詰まってしまったかもしれない。
更に追い打ちを掛けるように、ルーファスがくれた「クリストファー、誕生日おめでとう。俺の事をもらってくれる――? 返品は不可だよ」という言葉に息を詰まらせた。
私の望むものを与えようとしてくれる最愛の妻は、私を抱きしめて口付けをくれた。
健気にも「クリストファーが誰彼なく微笑んでもいいよ。でも俺のいないところでやって欲しい。俺は、クリストファーが俺の前で女の人を虜にするたびに、俺のことはもういらないんだって・・・・・・思ってしまう」などと泣きそうな風情で告げるのだ。
私は、そこでやっと自分の過ちに気が付いた。ルーファスは、与えらえる愛情に無頓着なのではない。ルーファスは、愛されるといことに怯えているのだ。愛を失った時のことを想像して、とてつもなく恐れているのだ。それでも、私を愛していると告げ、その全てを捧げようとしてくれている。
与えられるものの上に胡坐をかくのではなく、応えようとするのはルーファスの素晴らしい性質でありながら、弱点でもある。いつか期待に添えないと嘆き、ルーファスはつぶれてしまうかもしれない。
「そんなわけが・・・・・・」
ルーファスをいらないなんて思うわけがない。が、それをルーファスに信じさせるのに、今の私ではダメなのだ。
ルーファスの女友達に色目を使ったと思われている、私では――。
「クリストファー、俺はそんなに強くない。貴方が遊びのつもりで声をかけても俺には世界が壊れてしまったように感じてしまう。これは理屈じゃないんだ」
今の私が、ルーファスのためにできることは、限られている。
「ルーファス、すまなかった――。私のつまらない焼きもちで、そんなに傷つけたとは思
ってもみなかった」
まずは謝る。
「俺をもらってくれますか?」
ルーファスの微笑みは、私には儚げな風情に見えた。
「生まれてから一番嬉しい贈り物だ――」
心からの言葉は、少しでもルーファスに届けばいい。私が求められているのは、言葉だけではなく、この先の態度なのだ。ルーファスが、いつか私の愛を信じられるように・・・・・・。身体にも覚えてもらうしかないだろう――。
ルーファスの蕩けたような顔を鏡越しに見ながらひたすら雄を叩きつけた。ルーファスの中は、私を柔かく締め付け、麻薬のように狂わせてる。声が途切れた瞬間、私はルーファスの奥深くに飛沫を溢れるほど贈った。
ルーファスが女だったら、確実に孕むだろうその量に私は笑みを浮かべる。
意識を失い、弛緩した身体を抱きしめ、私は思う存分自分のものだという美しい身体のあちこちに口付けを降らせた。
「ああ、全くだ――」
エルフランの言葉に頷く。まだ宴もたけなわといった様相だったが、主役が姿を消すのに問題のない時間を過ぎたので、私は急いで離宮に戻った。
「ルーファスは?」
普段だと既に部屋に戻っているマリエルが私を待っていたということは、本当に具合が悪いのではないかと心配になる。急ぎ早に寝室の扉を開けようとしたところをマリエルに止められた。
「湯あみなされて、お部屋でお休みでございます。クリストファー殿下、起こしてしまうかもしれませんから先に就寝の準備をなされては」
マリエルの頬が少し赤くなって目線が伏せられた。私が女好きだったら、ドキっとしてしまいそうな風情だ。
「・・・・・・そのほうがいいのか?」
「はい、是非――」
マリエルはやはり目を逸らしたままだ。
取っ手に掛かっていた手を戻して、マリエルに尋ねる。
「遅い時間だが、明日の出勤は大丈夫か? 昼前に私は宮殿の方に行くから、ルーファスの具合如何で看護してもらいたい」
「勿論でございます。明日は朝のうちに参ります」
「いや、昼前でいい。それまでは私がみている」
マリエルは変則的に出勤してもらっているから、負担も大きいだろう。どちらかというと、私のいないときに支えてもらいたいのだ。
「かしこまりました。連絡をいただければ、いつでも参ります。特に指示がないときは、昼前に参ります」
リグザル王国の貴族令嬢であったというマリエルの所作はどこかのお転婆侯爵夫人よりも余程美しい。彼女が去ったあと、私はエルフランに面倒な服の釦を外してもらい、エルフランにも帰るように言った。
「明日もお忙しいので、あまり頑張りすぎないようにお願いします」
エルフランの言葉は、マリエルの様子をみてのことだろう。私は急いで風呂に入り、ガウンだけを羽織って寝室の扉を開けた。
そこに、おとぎ話のお姫様が眠っていた――。
横に赤いシミを見つけて、私は吐血したのかと慌てて駆け寄った。お姫様の手の先にはグラスが倒れていて、吐血したかと思ったものはワインであることに匂いで気付く。
一瞬引いた血の気に頭を抑え、寝台の端に腰かけると、何だかとても腹が立った。
あれほど飲むなと言ったのに――。
「ルーファス」
この白い花はなんだろうと不思議に思いながらも名を呼んだ。二度、三度と身体の上にのしかかって名を呼び続けると、「う・・・ん・・・・・・?」と苦し気な声を上げてルーファスが目を醒ます。
「酒を飲んだのか?」
私の声に険が滲んでいたのは否めない。
「ひ、一口だけ・・・・・・」
零れている量を見れば、それほど飲んでいないのは本当のことだろう。
「具合が悪いのにか――?」
ルーファスが一度だって具合が悪いなどと言っていないことも覚えているが、私は責めるように問いただした。
「この頭は何だ――?」
これはだたの疑問だ。
白く柔らかい光沢のあるリボンは、花をいくつも散りばめた冠のようだった。似合いすぎて、私は言葉を失いそのリボンに指を引っかけてみた。シュルとリボンは簡単に解けて、沢山あった花々は一本のリボンになってしまった。
単純にすごいな、と驚いた。
されるがままだったルーファスが、居心地悪そうに「あの・・・・・・」と口を開く。
「具合は悪くないのか――?」
遮るように訊ねたのは、責めるためではない。今のリボンはもしかして、『俺がプレゼント』的なものかと浮足だちそうになるのを抑えるために殊更冷静な声音を心掛けた。
「・・・・・・ごめんなさい」
私の圧力が強かったせいか、酒のせいかはわからないが、謝ったルーファスの眦から零れたのは透明の滴だった。
ルーファスはそれを隠すためにかのしかかっている私をものともせず、うつ伏せてしまった。
少し寝乱れていたルーファスの背中の上の方が開(はだ)けていて、私は吸い寄せられるように唇を寄せた。吸い付きたくなるような背中に吐息を吹きかけると、ルーファスの手がシーツを握ったのが目に映った。
いつもいつも・・・・・・、私を煽るなというのに、ルーファスの無意識に血液があらぬところに集まる。
確認のために私は訊ねる。
「具合は悪くないようだな――」
頷くルーファスの白い肌が震える。
「なら、責任はとってもらうぞ――」
私を煽った責任は、ルーファスの身体にとってもらおう。
首筋に私の跡を残したくて、容赦なく噛みついた。
痛みに呻き声を上げたルーファスのシーツを握りしめた拳を包み込むように握った。
自身の熱をさておき、私はルーファスに今日の事を訊ねた。
ワインは、ルーファスが一緒に飲もうとしていたようで、私の分(お気に入りのものだ)も置いていた。何故先に飲んでいたのか、具合が悪いようにも見えたのは何故か。
嬉しいことにルーファスは、アリエスやルーファスの女友達に焼きもちを焼いていたようだった。焼きもちを焼くということは、それだけ私のことを愛している、独占欲の表れだろう。喜ばずにはいられなかったが、ルーファスは、私に不信感を抱いているようだった。誰にでもあんな風なのかと心を押し殺すように訊ねられたら、胸が痛んだ。
今まで、感じたことのない焦燥感が身を貫いた。
ルーファスの顔を見ようと身体を正面に向けたのに、ルーファスは私を見ようとはしなかった。堪らなくなって、ルーファスの額に自分の額を押し付ける。
私の気持ちが全てルーファスに見せてやれればいいのだが・・・・・・、残念ながらそんな能力は私にはなかった。
私は切々とルーファスに私の不安を説いた。
ルーファスは、自分がモテたことがないとか、要らぬ心配だとか言うが、そんなことを信じているのは、ルーファスくらいだ。
何だろう、この危機感のなさは――。
「何を言ってるんだ――。お前は、爺から婆、果ては子供までお前のことが大好きだろう。正直、私が何とか出来るのは女と、まぁ男も多少は・・・・・・」
私は真面目に訴えているというのに、ルーファスの呆れた様な目は、やはり私の言う意味がわからないのだろう。
終いには、「皆、クリストファーの家族・・・・・・だよね」などという。
ルーファス、私との時間を少しでも裂くものは、須(すべか)らく私の敵なのだと言えばいいのだろうか。
この胸を締め付け、溢れそうになるマグマのような熱をルーファスに伝えるために、口付ける。
「ルーファス」
名前を呼ぶだけで愛しさが溢れる。
「好き・・・・・・」
吐息のような声でルーファスが私に告げた。
「ルー・・・・・・」
言葉を失うとは、このことだろう。私は、未だにルーファスが私に好きだとか愛しているとか想いを伝えてくれると泣きそうになる。勿論、鉄壁の涙腺を持つ私が泣くことはないが、声は詰まってしまったかもしれない。
更に追い打ちを掛けるように、ルーファスがくれた「クリストファー、誕生日おめでとう。俺の事をもらってくれる――? 返品は不可だよ」という言葉に息を詰まらせた。
私の望むものを与えようとしてくれる最愛の妻は、私を抱きしめて口付けをくれた。
健気にも「クリストファーが誰彼なく微笑んでもいいよ。でも俺のいないところでやって欲しい。俺は、クリストファーが俺の前で女の人を虜にするたびに、俺のことはもういらないんだって・・・・・・思ってしまう」などと泣きそうな風情で告げるのだ。
私は、そこでやっと自分の過ちに気が付いた。ルーファスは、与えらえる愛情に無頓着なのではない。ルーファスは、愛されるといことに怯えているのだ。愛を失った時のことを想像して、とてつもなく恐れているのだ。それでも、私を愛していると告げ、その全てを捧げようとしてくれている。
与えられるものの上に胡坐をかくのではなく、応えようとするのはルーファスの素晴らしい性質でありながら、弱点でもある。いつか期待に添えないと嘆き、ルーファスはつぶれてしまうかもしれない。
「そんなわけが・・・・・・」
ルーファスをいらないなんて思うわけがない。が、それをルーファスに信じさせるのに、今の私ではダメなのだ。
ルーファスの女友達に色目を使ったと思われている、私では――。
「クリストファー、俺はそんなに強くない。貴方が遊びのつもりで声をかけても俺には世界が壊れてしまったように感じてしまう。これは理屈じゃないんだ」
今の私が、ルーファスのためにできることは、限られている。
「ルーファス、すまなかった――。私のつまらない焼きもちで、そんなに傷つけたとは思
ってもみなかった」
まずは謝る。
「俺をもらってくれますか?」
ルーファスの微笑みは、私には儚げな風情に見えた。
「生まれてから一番嬉しい贈り物だ――」
心からの言葉は、少しでもルーファスに届けばいい。私が求められているのは、言葉だけではなく、この先の態度なのだ。ルーファスが、いつか私の愛を信じられるように・・・・・・。身体にも覚えてもらうしかないだろう――。
ルーファスの蕩けたような顔を鏡越しに見ながらひたすら雄を叩きつけた。ルーファスの中は、私を柔かく締め付け、麻薬のように狂わせてる。声が途切れた瞬間、私はルーファスの奥深くに飛沫を溢れるほど贈った。
ルーファスが女だったら、確実に孕むだろうその量に私は笑みを浮かべる。
意識を失い、弛緩した身体を抱きしめ、私は思う存分自分のものだという美しい身体のあちこちに口付けを降らせた。
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