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第三章 プレイ三日目
#55 ダンジョンボス撃破!
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【天龍一矢】は先程も撃ったスキルだ。その時は大したダメージを与えられなかった。だが、今回はそもそもダメージを目的としていない。マイへの迎撃を喰い止める為の目くらましだ。
「ヌゥッ!?」
「【剣閃一断】――!」
自身へと迫りくる矢の雨に思わず目を閉じ掛ける神官。そこにマイが新技を叩き込んだ。
魔力を刃に纏わせて攻撃力を上げ、上段より振り下ろす技だ。遠距離攻撃ではなくなった分、【剣閃一斬】よりも威力は高い。構えが隙だらけな分、渾身の力を込められるのだ。即ち、
「グァアアアアア――!」
神官の【装甲】を突破出来る威力だという事だ。
神官が片膝を突く。最早彼の体力は殆ど残っていない。ルトちゃんが魔術を一発でも放てば死に至る。どう悪足掻きしても敗北は確定していた。
「否! まだよ! 喰らえぃ、【ガタノソアの呪腕】――!」
だというのに、神官は未だ勝ちを諦めていなかった。まずは目の前のマイを道連れにして活路を開かんと杖で床を叩き、三度あの石化の黒腕が現出させようとする。だが、
「な、何故発動せん……!?」
何も起きなかった。黒腕は現れず、杖は石畳に空しい音を立てただけで終わった。
「しまった、呪いか! 呪いがそこまで我を侵食していたのか! 毒程には気にしていなかったのが仇になったか!」
神官が自身の異常に今更にして気付く。マイが神官に与えた状態異常:呪いはじわじわと、しかし着実に神官の魔力を削ぎ落していたのだ。それも斬り付ける度に減少量を増やして。今や神官の魔力量は【ガタノソアの呪腕】を発動出来ない所にまで枯渇していた。
魔力が尽きた所で死にはしないと甘く見ていた結果がこれだ。
「てやあああっ!」
愕然とする神官は隙だらけだった。彼が自分を取り戻す前に飛び掛かり、鉄の矢で殴打する。矢の拳は神官の胸部に叩き込まれ、【装甲】を貫通した。衝撃が胸部の中まで通り、神官の心臓を脅かす。
「ば、か、な……! そんな、馬鹿なァ……!」
神官が心底悔しそうに呻く。だが、もう遅い。今の一撃で神官の体力は完全にゼロになった。
突いた膝すら維持出来ず、神官はそのまま前のめりに倒れた。彼に立ち上がる力はもうない。私達の勝利だ。
「ヌゥッ!?」
「【剣閃一断】――!」
自身へと迫りくる矢の雨に思わず目を閉じ掛ける神官。そこにマイが新技を叩き込んだ。
魔力を刃に纏わせて攻撃力を上げ、上段より振り下ろす技だ。遠距離攻撃ではなくなった分、【剣閃一斬】よりも威力は高い。構えが隙だらけな分、渾身の力を込められるのだ。即ち、
「グァアアアアア――!」
神官の【装甲】を突破出来る威力だという事だ。
神官が片膝を突く。最早彼の体力は殆ど残っていない。ルトちゃんが魔術を一発でも放てば死に至る。どう悪足掻きしても敗北は確定していた。
「否! まだよ! 喰らえぃ、【ガタノソアの呪腕】――!」
だというのに、神官は未だ勝ちを諦めていなかった。まずは目の前のマイを道連れにして活路を開かんと杖で床を叩き、三度あの石化の黒腕が現出させようとする。だが、
「な、何故発動せん……!?」
何も起きなかった。黒腕は現れず、杖は石畳に空しい音を立てただけで終わった。
「しまった、呪いか! 呪いがそこまで我を侵食していたのか! 毒程には気にしていなかったのが仇になったか!」
神官が自身の異常に今更にして気付く。マイが神官に与えた状態異常:呪いはじわじわと、しかし着実に神官の魔力を削ぎ落していたのだ。それも斬り付ける度に減少量を増やして。今や神官の魔力量は【ガタノソアの呪腕】を発動出来ない所にまで枯渇していた。
魔力が尽きた所で死にはしないと甘く見ていた結果がこれだ。
「てやあああっ!」
愕然とする神官は隙だらけだった。彼が自分を取り戻す前に飛び掛かり、鉄の矢で殴打する。矢の拳は神官の胸部に叩き込まれ、【装甲】を貫通した。衝撃が胸部の中まで通り、神官の心臓を脅かす。
「ば、か、な……! そんな、馬鹿なァ……!」
神官が心底悔しそうに呻く。だが、もう遅い。今の一撃で神官の体力は完全にゼロになった。
突いた膝すら維持出来ず、神官はそのまま前のめりに倒れた。彼に立ち上がる力はもうない。私達の勝利だ。
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