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第三章 プレイ三日目
#49 装甲
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着地しながらマイが驚く。かくいう私も啞然とした。今のマイはアイテムで身体能力強化を受けている。極振りの私と違って全パラメーターを順当に育てているマイが強化されているのだ。それが殆どダメージを受けていないだなんて。驚嘆に値する。
「――【初級疾風魔術】!」
「ムッ……!?」
神官の意識がマイに行っている間にルトちゃんが風刃を放つ。風刃は神官の左肩の後ろに命中し、たたらを踏ませた。だが、やはり大して効いていない。よろめいた事からマイの剣撃よりは効いた様子だが、痛手と呼ぶには程遠い。
『こいつ、【装甲】持ちかよ!?』
『知っているのか雷●!?』
『誰が●電だ。【装甲】っつーのはパッシブスキルの一つだよ。一定以下のダメージは防いで、全部1ダメージにしちまうんだ。突破するには一撃一撃が重てえ攻撃をしないと!』
以上、チャット欄からの解説より。成程つまりはチマチマ攻撃しても無意味という訳か。私みたいに攻撃力の低いPCにとっては非常に厄介な敵だ。
だったら、私が出せる一番強い攻撃ならどうなるだろう?
「魔法使いがいるのか。ならば貴様から先に潰してくれよう!」
「ルトちゃんに近付くな! ――【伏龍一矢】!」
至近距離から下顎を狙って魔矢を放つ。【伏龍一矢】は今の私が使える一番威力の高い技だ。
「ふん。痒い痒い!」
だが、矢は何事もなく弾かれた。皮膚が強固過ぎて矢が通らなかったのだ。マイが言っていた通り石みたいな硬さだ。魔物と化しているとはいえ、とても人間の皮膚とは思えない。これが【装甲】か。
「それなら新技はどう!? ――【天龍一矢】!」
魔力の込めた矢を飛ばす。しかし、その先は神官に向けてではなかった。スキルを発動した途端、体が勝手に天井に向かって矢を射たのだ。矢は神官の頭上に届くと炸裂した。十本の魔力の矢が神官に降り注ぐ。
「フン、虚仮威しだな」
しかし、矢の雨を浴びていながら神官は応えていなかった。【装甲】に阻まれて碌にダメージを受けていない。
『えー。何だよ、新技全然通用しないじゃん』
『オイオイオイ天龍ちゃん、しょっぺえな』
チャット欄からも落胆の声だ。【天龍一矢】は一発の威力よりも複数の敵を攻撃する事に主眼を置いている技なのだろう。一体の敵に大ダメージとか、そういうのは期待出来ない訳だ。
「だったら次はこれ!」
「――【初級疾風魔術】!」
「ムッ……!?」
神官の意識がマイに行っている間にルトちゃんが風刃を放つ。風刃は神官の左肩の後ろに命中し、たたらを踏ませた。だが、やはり大して効いていない。よろめいた事からマイの剣撃よりは効いた様子だが、痛手と呼ぶには程遠い。
『こいつ、【装甲】持ちかよ!?』
『知っているのか雷●!?』
『誰が●電だ。【装甲】っつーのはパッシブスキルの一つだよ。一定以下のダメージは防いで、全部1ダメージにしちまうんだ。突破するには一撃一撃が重てえ攻撃をしないと!』
以上、チャット欄からの解説より。成程つまりはチマチマ攻撃しても無意味という訳か。私みたいに攻撃力の低いPCにとっては非常に厄介な敵だ。
だったら、私が出せる一番強い攻撃ならどうなるだろう?
「魔法使いがいるのか。ならば貴様から先に潰してくれよう!」
「ルトちゃんに近付くな! ――【伏龍一矢】!」
至近距離から下顎を狙って魔矢を放つ。【伏龍一矢】は今の私が使える一番威力の高い技だ。
「ふん。痒い痒い!」
だが、矢は何事もなく弾かれた。皮膚が強固過ぎて矢が通らなかったのだ。マイが言っていた通り石みたいな硬さだ。魔物と化しているとはいえ、とても人間の皮膚とは思えない。これが【装甲】か。
「それなら新技はどう!? ――【天龍一矢】!」
魔力の込めた矢を飛ばす。しかし、その先は神官に向けてではなかった。スキルを発動した途端、体が勝手に天井に向かって矢を射たのだ。矢は神官の頭上に届くと炸裂した。十本の魔力の矢が神官に降り注ぐ。
「フン、虚仮威しだな」
しかし、矢の雨を浴びていながら神官は応えていなかった。【装甲】に阻まれて碌にダメージを受けていない。
『えー。何だよ、新技全然通用しないじゃん』
『オイオイオイ天龍ちゃん、しょっぺえな』
チャット欄からも落胆の声だ。【天龍一矢】は一発の威力よりも複数の敵を攻撃する事に主眼を置いている技なのだろう。一体の敵に大ダメージとか、そういうのは期待出来ない訳だ。
「だったら次はこれ!」
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