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第三章 プレイ三日目
#45 敏捷値が三桁に達したら
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『それにしても、ここって狼まで出るんだな』
『ゾンビとかスケルトンとか不死者ばっかりだって思っていたけどな』
『あーでも、廃墟には野良犬が棲み付く事が良くあるって聞いた事はあるな』
『野良犬ってレベルかあれ? 魔物化した狼なんですけど』
そうですね、凶暴度が段違いですね相手する私からすれば。
――とまあ、今日はチャット欄も盛況だ。今まで殆ど閑古鳥が鳴いていたから、こういうのを見ていると嬉しい。
それはともかく今の戦闘で念願のレベル5に到達した。今回のレベルアップはこれまでとは文字通り一線を画す。何故なら、
「……おめでとう、すのこさん。これで敏捷値も三桁だね」
そう。敏捷値がとうとう100を超えるのだ。
一回のレベルアップにつき貰えるパラメーターポイントは10。5レベル目で40ポイント。元々の数値は65である為、これで合計105になる。
「マイは? まだ戻ってきませんか?」
「……うん。別の魔物を追い掛けていっちゃったまま」
「そうですか……」
記念すべき瞬間をマイとも一緒に迎えたかったんだけど。とはいえ、配信はテンポが大事だ。何もせずに待つのはよろしくない。彼女には悪いけど、ここは先にパラメーターポイントを振らせて貰おう。
『冒険者教典』を開き、パラメーターの操作をする。決定のボタンを押した瞬間、機械音声が私の耳に届いた。
『条件:「敏捷値のパラメーターが100に到達する」を達成。
スキル【二乗の理】を習得しました』
「あっ、何かスキルゲットした! 100になったからかな?」
「……きっとそう。やったね。どんなスキルなのかな?」
頬をかすかに赤く染めて興奮するルトちゃん。三桁なんて大台、彼女も見た事がないのだろう。彼女の可愛らしさに押されて、焦る手で教典のスキル欄のページを開いた。そこには先程の【天龍一矢】とは別にもう一つ、スキルが追加されていた。
【天龍一矢】
アクティブスキル。一定範囲内に魔力の矢の雨を降らせる。最少で十本。レベルが上がると本数が増える。
【二乗の理】
パッシブスキル。近接攻撃時に限り敏捷値の数値を筋力値に上乗せする。
「うわっ、これ本当に凄い! これなら私の攻撃力の低さをカバー出来るじゃん!」
なんて私向きのスキルなのか。極振りプレイをしている為、私の筋力値は常に最低値だ。それをこんな形でカバーしてくれるなんて。ありがたやゲームシステム。
『ゾンビとかスケルトンとか不死者ばっかりだって思っていたけどな』
『あーでも、廃墟には野良犬が棲み付く事が良くあるって聞いた事はあるな』
『野良犬ってレベルかあれ? 魔物化した狼なんですけど』
そうですね、凶暴度が段違いですね相手する私からすれば。
――とまあ、今日はチャット欄も盛況だ。今まで殆ど閑古鳥が鳴いていたから、こういうのを見ていると嬉しい。
それはともかく今の戦闘で念願のレベル5に到達した。今回のレベルアップはこれまでとは文字通り一線を画す。何故なら、
「……おめでとう、すのこさん。これで敏捷値も三桁だね」
そう。敏捷値がとうとう100を超えるのだ。
一回のレベルアップにつき貰えるパラメーターポイントは10。5レベル目で40ポイント。元々の数値は65である為、これで合計105になる。
「マイは? まだ戻ってきませんか?」
「……うん。別の魔物を追い掛けていっちゃったまま」
「そうですか……」
記念すべき瞬間をマイとも一緒に迎えたかったんだけど。とはいえ、配信はテンポが大事だ。何もせずに待つのはよろしくない。彼女には悪いけど、ここは先にパラメーターポイントを振らせて貰おう。
『冒険者教典』を開き、パラメーターの操作をする。決定のボタンを押した瞬間、機械音声が私の耳に届いた。
『条件:「敏捷値のパラメーターが100に到達する」を達成。
スキル【二乗の理】を習得しました』
「あっ、何かスキルゲットした! 100になったからかな?」
「……きっとそう。やったね。どんなスキルなのかな?」
頬をかすかに赤く染めて興奮するルトちゃん。三桁なんて大台、彼女も見た事がないのだろう。彼女の可愛らしさに押されて、焦る手で教典のスキル欄のページを開いた。そこには先程の【天龍一矢】とは別にもう一つ、スキルが追加されていた。
【天龍一矢】
アクティブスキル。一定範囲内に魔力の矢の雨を降らせる。最少で十本。レベルが上がると本数が増える。
【二乗の理】
パッシブスキル。近接攻撃時に限り敏捷値の数値を筋力値に上乗せする。
「うわっ、これ本当に凄い! これなら私の攻撃力の低さをカバー出来るじゃん!」
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