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魅入られて
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生徒会室にはファントムはいなかった。
生徒会室よりも上の場所は、校長室か?
今の校舎とは違うから少し戸惑うが、人間の学校と似ているから俺にとっては馴染みがある。
校長室は一階だよな、走って校長室を探す事にした。
似たような教室が並んでいて、さっきまでいなかった視線が突き刺さる。
なにかをするでもなく、ジッと俺を見つめている。
早くファントムを探さないと、俺の力が限界に達する前に。
半分剥がれていたが、校長室と書かれた外れそうな札が揺れている場所があった。
ここにファントムがいるんだよな…多分。
さっきのように開けた時になにかが飛んでくるかもしれないから、警戒してドアノブを握りしめた。
鈍い音を響かせて、校長室の扉が開く。
少し待って、何もないのを確認してから校長室に足を踏み入れた。
ナイトの話を思い出し、下を向いた。
ファントムの目を見たらいけない、このまま戦わないといけない。
手を下に向けて力を込めると、足元が凍ってきた。
「ようこそ、我が監獄クラスへ」
「……えっ」
誰かがいる気配を感じていて、ファントムだと思っていた。
でもその声は聞いた事がある声だった。
目の前を見ると、校長室の椅子に座って笑みを浮かべる男がいた。
森の中で一度だけ会った事がある、あれは夢だと思ってた。
まさか、この人がファントムだったのか。
一瞬の隙で俺の目の前にファントムが来て、至近距離で見つめられた。
ファントムの真っ赤な瞳から目が離せなかった。
すぐに胸が苦しくて、息切れしながらしゃがみ込んだ。
苦しいけど助かった、ありがとうリーシャ。
あの時のように魅入られるところだった。
立ち上がり、壁に触れて校長室を包み込むように凍らせた。
「へぇ、凄いね…借り物の力なのに」
「….なんで、そんな事…」
「君は王位継承者ではないのに、神獣の気配がする」
どうやって神獣の気配を探るのかは分からないが、突然俺の首筋に鼻を付けてにおいを嗅がれた。
普通に戦うのかと思っていただけに、不意打ちで戸惑いで固まった。
すぐ近くで息遣いを感じて、頭では晦冥の王位継承者に恐怖を感じているのに身体は火照っていた。
リーシャに助けられて、目を見ないようにしてるのになんでこんなになってるんだよ。
まさか、あの時の事を思い出しているのか?
下半身の反応にファントムが気付かないように腰を引いた。
こんなに近くにいて、ファントムが気付かないわけがなかった。
膝を俺の足の間に入れて、軽く擦られた。
「離れっ、あぅっ!!」
「あーあ、はしたないなぁ…もうこんなになってるんだ」
ズボンの中がぐちゃぐちゃで気持ち悪くて、床に座り込んだ。
膝でイかされたのか?魅入られてないのに…
目が合わなくても、ファントムの視線が俺を貫いた。
また気持ち良くて、身体が震えている。
顎を掴まれて、上を向けられるとファントムと視線が絡み合う。
リーシャが俺を正気に戻そうと、内側から俺を軽く叩くように攻撃している。
でも、こんな至近距離で見つめられたら目を逸らせない。
意識が目の前のこの男に呑まれる前に、伝えないといけない。
震える唇を必死に開けた。
「レオン…ハルトの、首輪…外して、ほしい」
「首輪?あー…そういえばあったね、彼を助けるために無謀の中来たんだ………いい子」
たった一言なのに、俺の身体は全身に喜びを感じて力が抜ける。
今のはイかなかったが寸止めのような感じを味わい、こちらの方が辛い。
正々堂々戦うつもりでここに来たのに、俺がしているのは戦いなのだろうか。
俺の頭の中がぐちゃぐちゃになって、視界に見えるファントムの下半身にしか目が行かない。
せっかくリーシャの力を借りたのに、俺は欲望に負けた。
脱がす時間も惜しくて、ズボン越しにファントムのを咥える。
こんなカタチで負けたくないのに、ファントムにすがりついていた。
ファントムは吐息すら漏らさない、この部屋に響くのは全て俺の息遣いだ。
「いいよ、彼を解放してあげる」
「んぐっ?」
ファントムがあっさりそう言うとは、さすがの俺も分からなかった。
俺達と幻想の王位継承者との戦いはいったいなんだったんだ。
ファントムは「もういらないからね」と言って笑みを浮かべていた。
こんな大事な話をしてるのに、口がファントムの下半身から離れない。
離れがたいと思ってしまっていて、もごもごしていたら額を押された。
呆気なく、ファントムから離れて口が寂しくなる。
ファントムの下半身を追いかけようとしたら、首筋になにかが当たった。
目線でそれを追いかけると、ファントムは大鎌を持ち俺に向けていた。
ファントムの笑みが不気味に歪んで、そのまま大鎌は俺の首を引き裂いた。
生徒会室よりも上の場所は、校長室か?
今の校舎とは違うから少し戸惑うが、人間の学校と似ているから俺にとっては馴染みがある。
校長室は一階だよな、走って校長室を探す事にした。
似たような教室が並んでいて、さっきまでいなかった視線が突き刺さる。
なにかをするでもなく、ジッと俺を見つめている。
早くファントムを探さないと、俺の力が限界に達する前に。
半分剥がれていたが、校長室と書かれた外れそうな札が揺れている場所があった。
ここにファントムがいるんだよな…多分。
さっきのように開けた時になにかが飛んでくるかもしれないから、警戒してドアノブを握りしめた。
鈍い音を響かせて、校長室の扉が開く。
少し待って、何もないのを確認してから校長室に足を踏み入れた。
ナイトの話を思い出し、下を向いた。
ファントムの目を見たらいけない、このまま戦わないといけない。
手を下に向けて力を込めると、足元が凍ってきた。
「ようこそ、我が監獄クラスへ」
「……えっ」
誰かがいる気配を感じていて、ファントムだと思っていた。
でもその声は聞いた事がある声だった。
目の前を見ると、校長室の椅子に座って笑みを浮かべる男がいた。
森の中で一度だけ会った事がある、あれは夢だと思ってた。
まさか、この人がファントムだったのか。
一瞬の隙で俺の目の前にファントムが来て、至近距離で見つめられた。
ファントムの真っ赤な瞳から目が離せなかった。
すぐに胸が苦しくて、息切れしながらしゃがみ込んだ。
苦しいけど助かった、ありがとうリーシャ。
あの時のように魅入られるところだった。
立ち上がり、壁に触れて校長室を包み込むように凍らせた。
「へぇ、凄いね…借り物の力なのに」
「….なんで、そんな事…」
「君は王位継承者ではないのに、神獣の気配がする」
どうやって神獣の気配を探るのかは分からないが、突然俺の首筋に鼻を付けてにおいを嗅がれた。
普通に戦うのかと思っていただけに、不意打ちで戸惑いで固まった。
すぐ近くで息遣いを感じて、頭では晦冥の王位継承者に恐怖を感じているのに身体は火照っていた。
リーシャに助けられて、目を見ないようにしてるのになんでこんなになってるんだよ。
まさか、あの時の事を思い出しているのか?
下半身の反応にファントムが気付かないように腰を引いた。
こんなに近くにいて、ファントムが気付かないわけがなかった。
膝を俺の足の間に入れて、軽く擦られた。
「離れっ、あぅっ!!」
「あーあ、はしたないなぁ…もうこんなになってるんだ」
ズボンの中がぐちゃぐちゃで気持ち悪くて、床に座り込んだ。
膝でイかされたのか?魅入られてないのに…
目が合わなくても、ファントムの視線が俺を貫いた。
また気持ち良くて、身体が震えている。
顎を掴まれて、上を向けられるとファントムと視線が絡み合う。
リーシャが俺を正気に戻そうと、内側から俺を軽く叩くように攻撃している。
でも、こんな至近距離で見つめられたら目を逸らせない。
意識が目の前のこの男に呑まれる前に、伝えないといけない。
震える唇を必死に開けた。
「レオン…ハルトの、首輪…外して、ほしい」
「首輪?あー…そういえばあったね、彼を助けるために無謀の中来たんだ………いい子」
たった一言なのに、俺の身体は全身に喜びを感じて力が抜ける。
今のはイかなかったが寸止めのような感じを味わい、こちらの方が辛い。
正々堂々戦うつもりでここに来たのに、俺がしているのは戦いなのだろうか。
俺の頭の中がぐちゃぐちゃになって、視界に見えるファントムの下半身にしか目が行かない。
せっかくリーシャの力を借りたのに、俺は欲望に負けた。
脱がす時間も惜しくて、ズボン越しにファントムのを咥える。
こんなカタチで負けたくないのに、ファントムにすがりついていた。
ファントムは吐息すら漏らさない、この部屋に響くのは全て俺の息遣いだ。
「いいよ、彼を解放してあげる」
「んぐっ?」
ファントムがあっさりそう言うとは、さすがの俺も分からなかった。
俺達と幻想の王位継承者との戦いはいったいなんだったんだ。
ファントムは「もういらないからね」と言って笑みを浮かべていた。
こんな大事な話をしてるのに、口がファントムの下半身から離れない。
離れがたいと思ってしまっていて、もごもごしていたら額を押された。
呆気なく、ファントムから離れて口が寂しくなる。
ファントムの下半身を追いかけようとしたら、首筋になにかが当たった。
目線でそれを追いかけると、ファントムは大鎌を持ち俺に向けていた。
ファントムの笑みが不気味に歪んで、そのまま大鎌は俺の首を引き裂いた。
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