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レオンハルトを探して
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帰りにナイトと歩いていたら、ふと目の前にレオンハルトが歩いているのが見えた。
良かった、元気そうで…でもなんで寮に帰って来なかったんだ?
レオンハルトに声を掛けようとしたが、ナイトに手で口を塞がれて物陰に引きずられた。
俺達に気付いていないレオンハルトはそのまま歩いて行ってしまった。
せっかくレオンハルトを見つけたのに、どうかしたのかとナイトを見た。
すぐに手を離したから、レオンハルトの方を見るがそこにはもう誰もいない。
何処に行ったんだ?この近くといえば監獄クラスしかないけどレオンハルトは監獄クラスじゃないし…
ここには帰るべき場所はない…また、寮には帰らないって事なのか。
「梓馬」
「どうしたんだ?いきなり」
「レオンハルトさんの傍に監獄クラスの奴らがいた」
「え?」
「監獄クラスは俺達と制服が違うんだ、分かりやすいようにな」
「……なんで、レオンハルトが」
レオンハルトしか見ていなかったから周りにそんな奴らがいるとは思わなかった。
じゃあ本当にレオンハルトは監獄クラスにいるのか?
でもなんでいきなり…
俺達に何も言っていなかったし、連絡も取れない。
どんな理由が隠されていても、レオンハルトに聞く必要がある。
ナイトの方を見ると、俺が考えている事が分かったのか頷いていた。
「監獄クラスに行こう、ナイトも付いて来てくれるか?」
「俺が行かないと梓馬は魔力がないからな」
今はナイトを頼りにしてる。
俺も自分の身を守るためになにか武器を持ってった方がいいよな。
周りを見渡すと、木の棒が落ちていた。
あまり使えそうにないな、晦冥の魔導士がヤバいってだけで具体的にどんな魔法か分からない。
さすがに素手という無謀な事はしない、投げつけて隙くらいは作れるか。
ないよりはマシだと思って、木の棒を掴んで監獄クラスに向かった。
遠くから見ても迫力があったが、近くで見るとさらに迫力がある。
ここにレオンハルトがいるなら開けるしかない。
監獄クラスの入り口にある大きな門を開けて、歩くとナイトが途中で足を止めた。
校舎のドアノブを掴んで、ナイトの方を振り返った。
「早く来いよ、ナイト」
「…っ、ダメだ梓馬!!」
ナイトがなにかに気付いて俺の方に腕を伸ばした。
でも、もう開ける体勢だったから扉が少し開いた。
扉の隙間から無数の手が伸びてきて、俺の身体に絡みついた。
抵抗するまでもなくら扉の中に吸い込まれた。
ナイトの目の前で扉が閉まり、すぐに扉を開けようと手を伸ばす。
ガチャガチャと音が響くが、開く気配はなく扉を叩いた。
「……梓馬」
「んん……何処だここ」
鼻がくすぐったくて、鼻を擦りながら目を開ける。
俺の目の前に細長く風に揺れる草が生えていた。
起き上がると、目の前を見て目を点にする。
なんだこれ…俺、室内に入ったはずだけど間違って温室とかに入ったのか?
周りを見渡すと、鳥の声や蝶が舞っているのを見ると室内とは思えない。
手には木の棒が握られていて、周りを見ても俺が入ってきた扉が何処にもない。
気絶している間に何処かに運ばれたのか?ナイトと別れたのはヤバいな。
早くレオンハルトと会わないと…そう思って歩き出した。
何処までも続くような、そんな深い森のように見えた。
「いてっ!!」
そう思っていたら、なにかにぶつかって頭を押さえた。
まだ先があるように見えるのに、行き止まりのように壁がある。
もしかしてこれ、幻覚か?
雷の魔力があればすぐにでも消せるのに…
確か幻想の魔導士は自分の力によって幻想を見せる範囲が違うんだったよな。
だとすると、監獄クラスだけとはいえ大きな校舎を丸ごと包み込む幻想の使い手という事は王位継承者クラスだろう。
魔法が使えても勝てる自信がないのに、人間の俺じゃあどう足掻いても無理だ。
早くレオンハルトを見つけて、帰らないと…
良かった、元気そうで…でもなんで寮に帰って来なかったんだ?
レオンハルトに声を掛けようとしたが、ナイトに手で口を塞がれて物陰に引きずられた。
俺達に気付いていないレオンハルトはそのまま歩いて行ってしまった。
せっかくレオンハルトを見つけたのに、どうかしたのかとナイトを見た。
すぐに手を離したから、レオンハルトの方を見るがそこにはもう誰もいない。
何処に行ったんだ?この近くといえば監獄クラスしかないけどレオンハルトは監獄クラスじゃないし…
ここには帰るべき場所はない…また、寮には帰らないって事なのか。
「梓馬」
「どうしたんだ?いきなり」
「レオンハルトさんの傍に監獄クラスの奴らがいた」
「え?」
「監獄クラスは俺達と制服が違うんだ、分かりやすいようにな」
「……なんで、レオンハルトが」
レオンハルトしか見ていなかったから周りにそんな奴らがいるとは思わなかった。
じゃあ本当にレオンハルトは監獄クラスにいるのか?
でもなんでいきなり…
俺達に何も言っていなかったし、連絡も取れない。
どんな理由が隠されていても、レオンハルトに聞く必要がある。
ナイトの方を見ると、俺が考えている事が分かったのか頷いていた。
「監獄クラスに行こう、ナイトも付いて来てくれるか?」
「俺が行かないと梓馬は魔力がないからな」
今はナイトを頼りにしてる。
俺も自分の身を守るためになにか武器を持ってった方がいいよな。
周りを見渡すと、木の棒が落ちていた。
あまり使えそうにないな、晦冥の魔導士がヤバいってだけで具体的にどんな魔法か分からない。
さすがに素手という無謀な事はしない、投げつけて隙くらいは作れるか。
ないよりはマシだと思って、木の棒を掴んで監獄クラスに向かった。
遠くから見ても迫力があったが、近くで見るとさらに迫力がある。
ここにレオンハルトがいるなら開けるしかない。
監獄クラスの入り口にある大きな門を開けて、歩くとナイトが途中で足を止めた。
校舎のドアノブを掴んで、ナイトの方を振り返った。
「早く来いよ、ナイト」
「…っ、ダメだ梓馬!!」
ナイトがなにかに気付いて俺の方に腕を伸ばした。
でも、もう開ける体勢だったから扉が少し開いた。
扉の隙間から無数の手が伸びてきて、俺の身体に絡みついた。
抵抗するまでもなくら扉の中に吸い込まれた。
ナイトの目の前で扉が閉まり、すぐに扉を開けようと手を伸ばす。
ガチャガチャと音が響くが、開く気配はなく扉を叩いた。
「……梓馬」
「んん……何処だここ」
鼻がくすぐったくて、鼻を擦りながら目を開ける。
俺の目の前に細長く風に揺れる草が生えていた。
起き上がると、目の前を見て目を点にする。
なんだこれ…俺、室内に入ったはずだけど間違って温室とかに入ったのか?
周りを見渡すと、鳥の声や蝶が舞っているのを見ると室内とは思えない。
手には木の棒が握られていて、周りを見ても俺が入ってきた扉が何処にもない。
気絶している間に何処かに運ばれたのか?ナイトと別れたのはヤバいな。
早くレオンハルトと会わないと…そう思って歩き出した。
何処までも続くような、そんな深い森のように見えた。
「いてっ!!」
そう思っていたら、なにかにぶつかって頭を押さえた。
まだ先があるように見えるのに、行き止まりのように壁がある。
もしかしてこれ、幻覚か?
雷の魔力があればすぐにでも消せるのに…
確か幻想の魔導士は自分の力によって幻想を見せる範囲が違うんだったよな。
だとすると、監獄クラスだけとはいえ大きな校舎を丸ごと包み込む幻想の使い手という事は王位継承者クラスだろう。
魔法が使えても勝てる自信がないのに、人間の俺じゃあどう足掻いても無理だ。
早くレオンハルトを見つけて、帰らないと…
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