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愛しています
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若い男の声で、上を向いたら月の光に照らされたこの世のものとは思えないほど美しい男性がいた。
これも幽霊か?とボーッとしながら見つめていると男はしゃがんで頭に触れた。
何をするのかジッとしていたら、ただ頭を撫でられただけだった。
立ち上がり、後ろを見ても幽霊は何処にもいなかった。
男は「間の抜けた顔だな」と言っていた、なんか恥ずかしくて苦笑いした。
生徒か先生か、もしかしたらそのどちらでもないのか分からない。
「人ではないものに好かれやすいのだな、後ろのソレとか」
男が俺の後ろを指差すと、振り返る暇もなくまたあのお爺さんの声が聞こえた。
驚いて目の前の男にしがみついて、お爺さんの声が聞こえなくなった。
「元は君と同じ存在だった、死んだら怖いのか?」
「えっ、あ…抱きついてごめんなさい」
「死んだら怖いのか?」
男から離れようとしたら腕を掴まれて、もう一度変な事を言われた。
そう言われたら、どう言えばいいか分からない…真剣な男の顔が頭に焼き付いていく。
木に身体を押し付けられて、至近距離で見つめ合った。
「私が幽霊だったら、怖い?」
瞳を見ていると、吸い込まれてしまいそうなほど美しい瞳だった。
金縛りに合ったように指先までも動かない、この男に魂を抜かれてしまったように感じた。
瞳がだんだん真っ赤な血のように赤く染まり、薄い形のいい唇が動く度に妖艶な舌が見えた。
吸い寄せられるように近付くと、その唇で食べられてしまった。
唇が合わさり、舌を撫でられて吸われるだけで全身に電流が走ったように快楽が押し寄せて俺の脳内は目の前の人に支配される。
今日初めて会った人だ、なのに俺はこの人の事を心から愛している。
理由を言われたら分からない、とにかく好き…それしか考えられない。
顎を指で触れられると、ピクンと反応する。
「簡単に唇を許したら、君なんてペロリと食べてしまえるね」
「…あ、ふっ」
「快楽に従順な子は好きだよ、でも私が悪い幽霊だったらどうするんだい?」
快楽?幽霊?何の話だ?頭が追いつかない、まるで俺が俺じゃないようだ。
心臓がドクドクと脈打つ…制服の上から腹を軽く押された。
それだけで腹の奥が疼いてしまい、目の前の人にしがみつく。
美しい顔に触れて、唇に指を這わせると吸い寄せられるように自ら唇を重ねた。
小さく息を吐きながら、必死に舌を絡めて相手を求めるが受け身のままで応えてくれない。
それがとても寂しい、愛してほしいのに愛されない…俺のなにがいけないのか。
俺の手は目の前の男のズボンに触れていて、ベルトを外していく。
こんな外でやる事ではない、うっすらとそう思うが今の俺には常識が分からなくなっていた。
男は拒否したり逃げたりせず、俺をジッと眺めていた。
ズボンと下着をずらして、まだ柔らかいものを咥える。
口いっぱいに苦い味が広がるが、それは俺を興奮させるものでしかない。
舌と手を使って、吸ったり優しく撫でたりする。
好きな人とするのって、こんな気持ちになるのか?
熱い息を吐いてうっとりとした顔になる。
「そんなに欲しい?これが」
「ほ、しい…ちょうだい…俺、もう」
「ふふっ、あげないよ」
男はニコリと笑って、俺の頭を軽く押した。
すぐに口から離れていってしまい、追いかけるように舌を伸ばす。
上目遣いで男を見ると、男は「私のは貴重だからな、舐めさせてあげるけど挿入はしてあげない」と意地悪な事を言う。
こんなに好きなのにどうしてダメなんだ?俺はいったいどうしたらいい?
突然冷たい風が吹いて俺の頭は冷静になる。
あれ……俺、こんなところで何をしていたんだ?
荒くなった息を整えて目の前を見ると、もうそこには誰もいなかった。
なんだったんだあの人は、もしかして本当に幽霊だったのか?
立ち上がりスマホを取り出すと着信があった。
それはレオンハルトからで、心配しているのだろうとすぐに電話した。
「レオンハルト、遅くなって悪い」
『いや、梓馬が無事ならそれでいい…どうかしたのか?』
「森で、迷子になってて」
この歳で恥ずかしいなんて言ってられずに、素直に言った。
すると数分後、レオンハルトが空から飛行魔法で移動してきてやって来た。
まだ頭がボーッとしている俺を心配していたが、なんて言えばいいのか分からない。
なんで俺はあの人を好きだと思ったんだ?今では全くそんな事はない。
今思えば真っ赤な瞳を見てから俺の頭の中が可笑しくなった。
「梓馬、今日はなにかあったのか?」
「風紀委員長に朝袖が乱れてるって呼び出されたんだ」
「……すまなかった、言っておくべきだったな」
「いや、俺も今朝の件は悪いから…聞く雰囲気じゃなかったし」
「それで遅くまで雑用させられていたのか」
レオンハルトの言葉に頷くと、もう一度すまなかったと言われた。
いい勉強になったと思えば悪い事ではなかった、今度はちゃんと服を整えよう。
寮に着いて、真っ先に風呂に入ろうとレオンハルトに言って先に寮に入った。
あの出来事も一緒に洗い流すように、念入りに身体を洗った。
あれも魔法か?幻想の魔導士だったのか、分からないが…これだけははっきりとしている。
もう二度と会いたくない。
これも幽霊か?とボーッとしながら見つめていると男はしゃがんで頭に触れた。
何をするのかジッとしていたら、ただ頭を撫でられただけだった。
立ち上がり、後ろを見ても幽霊は何処にもいなかった。
男は「間の抜けた顔だな」と言っていた、なんか恥ずかしくて苦笑いした。
生徒か先生か、もしかしたらそのどちらでもないのか分からない。
「人ではないものに好かれやすいのだな、後ろのソレとか」
男が俺の後ろを指差すと、振り返る暇もなくまたあのお爺さんの声が聞こえた。
驚いて目の前の男にしがみついて、お爺さんの声が聞こえなくなった。
「元は君と同じ存在だった、死んだら怖いのか?」
「えっ、あ…抱きついてごめんなさい」
「死んだら怖いのか?」
男から離れようとしたら腕を掴まれて、もう一度変な事を言われた。
そう言われたら、どう言えばいいか分からない…真剣な男の顔が頭に焼き付いていく。
木に身体を押し付けられて、至近距離で見つめ合った。
「私が幽霊だったら、怖い?」
瞳を見ていると、吸い込まれてしまいそうなほど美しい瞳だった。
金縛りに合ったように指先までも動かない、この男に魂を抜かれてしまったように感じた。
瞳がだんだん真っ赤な血のように赤く染まり、薄い形のいい唇が動く度に妖艶な舌が見えた。
吸い寄せられるように近付くと、その唇で食べられてしまった。
唇が合わさり、舌を撫でられて吸われるだけで全身に電流が走ったように快楽が押し寄せて俺の脳内は目の前の人に支配される。
今日初めて会った人だ、なのに俺はこの人の事を心から愛している。
理由を言われたら分からない、とにかく好き…それしか考えられない。
顎を指で触れられると、ピクンと反応する。
「簡単に唇を許したら、君なんてペロリと食べてしまえるね」
「…あ、ふっ」
「快楽に従順な子は好きだよ、でも私が悪い幽霊だったらどうするんだい?」
快楽?幽霊?何の話だ?頭が追いつかない、まるで俺が俺じゃないようだ。
心臓がドクドクと脈打つ…制服の上から腹を軽く押された。
それだけで腹の奥が疼いてしまい、目の前の人にしがみつく。
美しい顔に触れて、唇に指を這わせると吸い寄せられるように自ら唇を重ねた。
小さく息を吐きながら、必死に舌を絡めて相手を求めるが受け身のままで応えてくれない。
それがとても寂しい、愛してほしいのに愛されない…俺のなにがいけないのか。
俺の手は目の前の男のズボンに触れていて、ベルトを外していく。
こんな外でやる事ではない、うっすらとそう思うが今の俺には常識が分からなくなっていた。
男は拒否したり逃げたりせず、俺をジッと眺めていた。
ズボンと下着をずらして、まだ柔らかいものを咥える。
口いっぱいに苦い味が広がるが、それは俺を興奮させるものでしかない。
舌と手を使って、吸ったり優しく撫でたりする。
好きな人とするのって、こんな気持ちになるのか?
熱い息を吐いてうっとりとした顔になる。
「そんなに欲しい?これが」
「ほ、しい…ちょうだい…俺、もう」
「ふふっ、あげないよ」
男はニコリと笑って、俺の頭を軽く押した。
すぐに口から離れていってしまい、追いかけるように舌を伸ばす。
上目遣いで男を見ると、男は「私のは貴重だからな、舐めさせてあげるけど挿入はしてあげない」と意地悪な事を言う。
こんなに好きなのにどうしてダメなんだ?俺はいったいどうしたらいい?
突然冷たい風が吹いて俺の頭は冷静になる。
あれ……俺、こんなところで何をしていたんだ?
荒くなった息を整えて目の前を見ると、もうそこには誰もいなかった。
なんだったんだあの人は、もしかして本当に幽霊だったのか?
立ち上がりスマホを取り出すと着信があった。
それはレオンハルトからで、心配しているのだろうとすぐに電話した。
「レオンハルト、遅くなって悪い」
『いや、梓馬が無事ならそれでいい…どうかしたのか?』
「森で、迷子になってて」
この歳で恥ずかしいなんて言ってられずに、素直に言った。
すると数分後、レオンハルトが空から飛行魔法で移動してきてやって来た。
まだ頭がボーッとしている俺を心配していたが、なんて言えばいいのか分からない。
なんで俺はあの人を好きだと思ったんだ?今では全くそんな事はない。
今思えば真っ赤な瞳を見てから俺の頭の中が可笑しくなった。
「梓馬、今日はなにかあったのか?」
「風紀委員長に朝袖が乱れてるって呼び出されたんだ」
「……すまなかった、言っておくべきだったな」
「いや、俺も今朝の件は悪いから…聞く雰囲気じゃなかったし」
「それで遅くまで雑用させられていたのか」
レオンハルトの言葉に頷くと、もう一度すまなかったと言われた。
いい勉強になったと思えば悪い事ではなかった、今度はちゃんと服を整えよう。
寮に着いて、真っ先に風呂に入ろうとレオンハルトに言って先に寮に入った。
あの出来事も一緒に洗い流すように、念入りに身体を洗った。
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もう二度と会いたくない。
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