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裸で
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『梓馬視点』
目が覚めた瞬間、心臓が止まるかと思った。
何度目か分からないが、隣に裸のレオンハルトがいたらさすがに驚くだろ!
あれ?俺、寝てただけなのにいつの間にかヤってしまったのか?
上半身だけ起こして周りを見渡すと、見た事がある部屋だった。
確か初日に俺の部屋が荷物だらけで寝れないからとレオンハルトの部屋に泊まったんだ。
そうか、俺の部屋…穴が開いて寝れないからレオンハルトが運んでくれたんだな。
……しかし、何故裸なんだ?俺はちゃんと服を着ているけど…
「ん…」
「お、おおおはようっ」
「………おはよう、梓馬」
まだ半分寝ているのか、色気が半端なくてドキドキする。
こんな朝早くから、刺激が強すぎてまたあの失態はごめんだ。
急いでベッドから降りると、足と布団が絡まり派手に転けた。
鼻を強く打って、痛くて鼻を押さえるとレオンハルトが後ろから覆いかぶさってきた。
背中に暖かな体温を感じて、顎に触れられた。
いちいちやらしい触り方をしないでくれ!
「派手に転んでいたが、大丈夫か?」
「へ、平気だから…」
「また勃っているのか?」
「まだ大丈夫だ!!」
レオンハルトの言葉からクスクス笑っているのが分かる。
まだ大丈夫だ、ちょっとぴくっとしただけで大丈夫だ。
レオンハルトから這い出て、制服に着替えようと自分の部屋に向かった。
昨日より少し違うところがあった、穴を簡単に塞いだ板が張り付いていて、レオンハルトがやってくれたんだとすぐに分かった。
ガレキはまだ少し残っているのか、踏まないように慎重に移動しながらクローゼットまでたどり着く。
制服に着替えて、カバンを持って部屋を出ると壁に寄りかかったレオンハルトがいた。
「おわっ!?」
「どうした?梓馬」
「服っ、服を着てくれ!」
「見慣れているのに?」
「そういう問題じゃない!!」
レオンハルトは全裸というわけではないが、ズボンしか穿いていない。
身体に自信があるんだろうが、なんでそんなに見せびらかすのか分からない。
俺は驚くのも疲れて、朝食を作ろうと食堂に向かおうとした。
すると、寮に入ってから一度も鳴らされた事がないチャイムが鳴らされた。
朝食ならすぐに作れるし、時間もまだある事を確認する。
玄関を開けると、そこにいたのはナイトだった。
「ナイト?」
「おはよう、梓馬…一緒に学校に行こう」
「まだ早いだろ、今から朝食作るからナイトも食っとけよ」
「実はそれ目当てでもあるから」
ナイトはそう言って軽く笑い、俺と一緒に食堂に向かった。
最初は硬かったナイトの表情もかなり柔らかくなったよな。
レオンハルトは後で来る事を伝えて、食堂で待ってもらった。
厨房に入って料理を作ろうと腕まくりをした。
そして後ろにはナイトがいる。
待っていてと伝えた筈なのに…何故かいた。
「ナイト、食堂で待っててもいいんだぞ」
「俺がここにいるのは邪魔か?」
「そうじゃ、ないけど…」
「じゃあ居ていいよな、梓馬と一緒にいたい」
ナイトはいつもより優しい声で言っていて、調子が狂う。
なんか緊張するなぁ…背中から熱視線を感じる。
「梓馬の手は綺麗だな」
「…そ、そんな事」
「照れてるのか?」
ナイトの歯痒い言葉をずっと聞いていると、さすがに照れる。
目玉焼きを作っているだけなのに、なんでこんなにいつもより時間が経つのが遅いんだろう。
俺の話題じゃなく、歩夢の話題ならいくらでも聞きたい。
歩夢は今どうしてるんだろう、寮の部屋にあまり帰ってないって言ってたけど普段何処で寝泊まりしているんだ?
ナイトのいびきがうるさいから帰れないとか?でも一日泊まった時はそんな事なかった。
ナイトがまだ言うから、俺は話題を逸らした。
「歩夢は昨日部屋にいたのか?」
「帰ったら歩夢は寝てた」
「そうか、よかっ…」
「知らない男と裸で寝てたけどな」
部屋に帰ったみたいでホッとしたのも一瞬で、ナイトが爆弾発言をした。
歩夢の知り合いでもいたのかな、でも普通裸で抱き合ったりしないよな。
じゃあ歩夢の恋人?恋人が出来たならいいけど生徒会長はどうするんだ?
生徒会長と離れられるなら誰だっていいけど……そうじゃないんだよな。
歩夢の事、悪く言う奴がかなりいて…生徒会長と歩夢に嫉妬してるだけならそれでいいが…もし本当だったら…
言葉に詰まった俺を見て、ナイトは表情をなくした。
「梓馬も歩夢の噂、聞いた事あるんだな」
「…俺、歩夢の事知ったかぶりしてたんだよな…歩夢が幸せなら俺はどんな歩夢でも…」
「何も知らないから幸せなんだよ」
ナイトはそう言っていて、歩夢の事を話してくれた。
歩夢は気持ちいい事が好きだけど、それだけじゃなくて皆と恋愛しているらしい。
一人だけじゃなく、不特定多数と恋愛したいとナイトに言っているみたいだ。
でも、周りの奴らはそうじゃない。
歩夢を性欲の道具としてしか見ていない。
甘い言葉を吐けば簡単にヤれる淫乱だと思われている。
目が覚めた瞬間、心臓が止まるかと思った。
何度目か分からないが、隣に裸のレオンハルトがいたらさすがに驚くだろ!
あれ?俺、寝てただけなのにいつの間にかヤってしまったのか?
上半身だけ起こして周りを見渡すと、見た事がある部屋だった。
確か初日に俺の部屋が荷物だらけで寝れないからとレオンハルトの部屋に泊まったんだ。
そうか、俺の部屋…穴が開いて寝れないからレオンハルトが運んでくれたんだな。
……しかし、何故裸なんだ?俺はちゃんと服を着ているけど…
「ん…」
「お、おおおはようっ」
「………おはよう、梓馬」
まだ半分寝ているのか、色気が半端なくてドキドキする。
こんな朝早くから、刺激が強すぎてまたあの失態はごめんだ。
急いでベッドから降りると、足と布団が絡まり派手に転けた。
鼻を強く打って、痛くて鼻を押さえるとレオンハルトが後ろから覆いかぶさってきた。
背中に暖かな体温を感じて、顎に触れられた。
いちいちやらしい触り方をしないでくれ!
「派手に転んでいたが、大丈夫か?」
「へ、平気だから…」
「また勃っているのか?」
「まだ大丈夫だ!!」
レオンハルトの言葉からクスクス笑っているのが分かる。
まだ大丈夫だ、ちょっとぴくっとしただけで大丈夫だ。
レオンハルトから這い出て、制服に着替えようと自分の部屋に向かった。
昨日より少し違うところがあった、穴を簡単に塞いだ板が張り付いていて、レオンハルトがやってくれたんだとすぐに分かった。
ガレキはまだ少し残っているのか、踏まないように慎重に移動しながらクローゼットまでたどり着く。
制服に着替えて、カバンを持って部屋を出ると壁に寄りかかったレオンハルトがいた。
「おわっ!?」
「どうした?梓馬」
「服っ、服を着てくれ!」
「見慣れているのに?」
「そういう問題じゃない!!」
レオンハルトは全裸というわけではないが、ズボンしか穿いていない。
身体に自信があるんだろうが、なんでそんなに見せびらかすのか分からない。
俺は驚くのも疲れて、朝食を作ろうと食堂に向かおうとした。
すると、寮に入ってから一度も鳴らされた事がないチャイムが鳴らされた。
朝食ならすぐに作れるし、時間もまだある事を確認する。
玄関を開けると、そこにいたのはナイトだった。
「ナイト?」
「おはよう、梓馬…一緒に学校に行こう」
「まだ早いだろ、今から朝食作るからナイトも食っとけよ」
「実はそれ目当てでもあるから」
ナイトはそう言って軽く笑い、俺と一緒に食堂に向かった。
最初は硬かったナイトの表情もかなり柔らかくなったよな。
レオンハルトは後で来る事を伝えて、食堂で待ってもらった。
厨房に入って料理を作ろうと腕まくりをした。
そして後ろにはナイトがいる。
待っていてと伝えた筈なのに…何故かいた。
「ナイト、食堂で待っててもいいんだぞ」
「俺がここにいるのは邪魔か?」
「そうじゃ、ないけど…」
「じゃあ居ていいよな、梓馬と一緒にいたい」
ナイトはいつもより優しい声で言っていて、調子が狂う。
なんか緊張するなぁ…背中から熱視線を感じる。
「梓馬の手は綺麗だな」
「…そ、そんな事」
「照れてるのか?」
ナイトの歯痒い言葉をずっと聞いていると、さすがに照れる。
目玉焼きを作っているだけなのに、なんでこんなにいつもより時間が経つのが遅いんだろう。
俺の話題じゃなく、歩夢の話題ならいくらでも聞きたい。
歩夢は今どうしてるんだろう、寮の部屋にあまり帰ってないって言ってたけど普段何処で寝泊まりしているんだ?
ナイトのいびきがうるさいから帰れないとか?でも一日泊まった時はそんな事なかった。
ナイトがまだ言うから、俺は話題を逸らした。
「歩夢は昨日部屋にいたのか?」
「帰ったら歩夢は寝てた」
「そうか、よかっ…」
「知らない男と裸で寝てたけどな」
部屋に帰ったみたいでホッとしたのも一瞬で、ナイトが爆弾発言をした。
歩夢の知り合いでもいたのかな、でも普通裸で抱き合ったりしないよな。
じゃあ歩夢の恋人?恋人が出来たならいいけど生徒会長はどうするんだ?
生徒会長と離れられるなら誰だっていいけど……そうじゃないんだよな。
歩夢の事、悪く言う奴がかなりいて…生徒会長と歩夢に嫉妬してるだけならそれでいいが…もし本当だったら…
言葉に詰まった俺を見て、ナイトは表情をなくした。
「梓馬も歩夢の噂、聞いた事あるんだな」
「…俺、歩夢の事知ったかぶりしてたんだよな…歩夢が幸せなら俺はどんな歩夢でも…」
「何も知らないから幸せなんだよ」
ナイトはそう言っていて、歩夢の事を話してくれた。
歩夢は気持ちいい事が好きだけど、それだけじゃなくて皆と恋愛しているらしい。
一人だけじゃなく、不特定多数と恋愛したいとナイトに言っているみたいだ。
でも、周りの奴らはそうじゃない。
歩夢を性欲の道具としてしか見ていない。
甘い言葉を吐けば簡単にヤれる淫乱だと思われている。
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