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15、寝かせ、馴染ませるほどに
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「キース、からいものいける?」
寒くなりからい鍋が食べたくなった。あらかじめ確認し、出した鍋一面が赤い料理に普段何でも食べるキースが珍しく眉をひそめた。
まぁ見た目は多少毒々しいが、インパクトに対し辛み成分は控えめでうまみが強い。食欲増進の作用もあり量が食べられる。
「見た目はアレだが食ってみろって」
「あなたの料理は間違いないですから食べますけどね」
なんとも嬉しい事をそっけなく言ったキースはやはりよく食べた。
「……からい鍋も美味しいものですね。前に言っていたお店もこんな感じですか」
「あそこはもっとヤベェ。桁外れだ。やめとけ。あとあとまでヤバい」
前に隊員達と食べた激辛鍋を思い出しぞっとして首を横に振る。
「いやマジでもうあれはいいわ。ケツ爛れたかと思ったわ」
本当に大変だったんだ。
以前なら「食事中になんて話をするんですか」とか嫌そうな顔をするだろうに慣れたのか諦めたのかキースは淡々とお玉に手を伸ばす。
「大丈夫ですよ。私が治癒しますから」
「……挿れるために?」
「ええ。どういう状態になるか少し興味があります」
おっさんのケツ穴だぞ? それが爛れて痛々しい事になるのを見たいと?
前は治癒は時間がかかるからと拒否しやがったくせに。
ずいぶんとヤベェのにつかまったもんだ。
半笑いでレードルを先に取ると鍋の底に沈んだロールキャベツを掘り起こす。
「明日の方がうまいから今日は一個だけな」
キースは言わないが好物らしいそれを椀に入れてやると表情は変わらないのに目に喜びや期待が滲む。最近はこうしてキースを甘やかす事が楽しくなった。
辛みに汗の滲んだ額を手の甲で拭うと、キースが人差し指の側面で首筋を下からなぞり上げてくる。滴るほどの汗はかいていないはずだ。今夜も充実した夜になりそうだと自然と口元が歪んだ。
■END■
寒くなりからい鍋が食べたくなった。あらかじめ確認し、出した鍋一面が赤い料理に普段何でも食べるキースが珍しく眉をひそめた。
まぁ見た目は多少毒々しいが、インパクトに対し辛み成分は控えめでうまみが強い。食欲増進の作用もあり量が食べられる。
「見た目はアレだが食ってみろって」
「あなたの料理は間違いないですから食べますけどね」
なんとも嬉しい事をそっけなく言ったキースはやはりよく食べた。
「……からい鍋も美味しいものですね。前に言っていたお店もこんな感じですか」
「あそこはもっとヤベェ。桁外れだ。やめとけ。あとあとまでヤバい」
前に隊員達と食べた激辛鍋を思い出しぞっとして首を横に振る。
「いやマジでもうあれはいいわ。ケツ爛れたかと思ったわ」
本当に大変だったんだ。
以前なら「食事中になんて話をするんですか」とか嫌そうな顔をするだろうに慣れたのか諦めたのかキースは淡々とお玉に手を伸ばす。
「大丈夫ですよ。私が治癒しますから」
「……挿れるために?」
「ええ。どういう状態になるか少し興味があります」
おっさんのケツ穴だぞ? それが爛れて痛々しい事になるのを見たいと?
前は治癒は時間がかかるからと拒否しやがったくせに。
ずいぶんとヤベェのにつかまったもんだ。
半笑いでレードルを先に取ると鍋の底に沈んだロールキャベツを掘り起こす。
「明日の方がうまいから今日は一個だけな」
キースは言わないが好物らしいそれを椀に入れてやると表情は変わらないのに目に喜びや期待が滲む。最近はこうしてキースを甘やかす事が楽しくなった。
辛みに汗の滲んだ額を手の甲で拭うと、キースが人差し指の側面で首筋を下からなぞり上げてくる。滴るほどの汗はかいていないはずだ。今夜も充実した夜になりそうだと自然と口元が歪んだ。
■END■
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最後までお付き合いいただき誠にありがとうございました。
ラズル隊長は懲りたので自ら食べようとはしないけど、キースに行きたいと言われたら行っちゃうでしょうねw
そして無駄に完璧に治癒してくれると思います。とんだ羞恥プレイだな……
一時執筆が止まっていたせいもあるのか「あれ?キースってこんなキャラだっけ?」と私が戸惑っていたりするのでキースへのコメント、ありがたいです!
この度はご感想をありがとうございました。
最高でした!!ラズル隊長の最後まで明るくカラッとしたセックスへの向き合い方がマジで好きです!キース隊長も可愛いしコツ掴むのが爆速だし魔法は便利だし…
ずっと二人で楽しく明るく暮らしてほしいです!最高の作品をありがとうございました!
わーい、キースを可愛いって言ってもらえた〜
あと数話だけ後日談を更新して完結の予定ですのでもう少しお付き合いいただけますと幸いです。
この度はご感想をありがとうございました。