会社一のイケメン王子は立派な独身貴族になりました。(令和ver.)

志野まつこ

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第2章 その後のふたり

11、<衝突>それは突然やってきた 

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 そう言えばたろさんは「一人街飲み」が趣味だったのではないだろうか。
 3回目の家飲みになってようやく気付いた。
 本人からそう聞いたわけではないけど、気付いてしまうととても気になってしまう。

「街飲みとか、最近行かれてないですよね?」
「あれは暇つぶしだったしね」
 うーん、気を遣ってもらってるのかなぁ。
「行ってもらって大丈夫ですからね? ちなみに言っておきますと、きれいなお姉さんのいるお店も、つきあいで行く分には全く気になりませんので」
 たろさんは少し目を見張った。

「え、だってみなさん二次会とか行ってたじゃないですか。わたしも女の子OKのお店に連れて行ってもらった事ありますよ」
「え、それは、ちょっとひくかも。誰がそんなトコ連れてったの」
 本当に少し引いた顔で聞かれたけども。
 それは秘密です。
 某部署の皆さんです。

「経理にいてもよく接待でスナックの領収書の精算してましたし。あ、最近は不景気だから接待とか、もしかして減ってるんですかね」
 プライベートで行くような時は「女の子が一見シャツ1枚」、みたいな店とかあるって聞いた事ありますよ。
 ん?それはキャバクラ、というやつになるのかな。
 あ、わたし猥談OK女子社員でしたから。
 それはもう、心の奥底から楽しんでトーク可能ですから。
 むしろ率先して食いついてましたから。

「いや、俺はそういう店はちょっと苦手。何話していいか分かんないし」
「そうなんですか? その辺は女の子がどうとでもしてくれるのかと思ってました。たろさんモテそうだし」
 ふと、たろさんが面白くなさそうな顔をした。
 なつかしっ!
 会社にいた頃いつもそんなクールな顔してましたよね!
 ━━って、違う!!
 なんか、ちょっと。
 怒ってらっしゃる?
 ああ、確かに気に障るような事だったかもしれない。

「なんか━━━牽制してる?」
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