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第1章 はじまるまでの5週間
18、堀川家次女の「にやにやが止まらない」話
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後部座席のチャイルドシートで寝ているさくらを降ろそうとしてくれた長身のイケメン王子。姉が声を掛けて代わった。
姉はさくらを抱きしめるようにお姫様抱っこすると、「園からずっと寝てるからもう少し寝るかも。佐々木さんにカワウソ2匹買ってもらっちゃった」と言いながら家に入って行った。
さすが寝かしつけのプロ。
起こさないコツを熟知している。
母やわたしに代わると起きてしまうので、そのまま寝かしに行ってくれたんだろうけど、この状態で男性一人を置いて行くのはちょっとひどくないか。
姉を見送り、こちらへ会釈する背の高い「先輩さん」に声を掛けた。
「すみません、ご迷惑をお掛けした上に高価なお土産まで」
しかも姉とのデートまで邪魔しちゃいました。
「いえ、この年になると動物園も子供連れじゃないとなかなか行けませんので。どうぞお気になさらないでください。ぬいぐるみはNGとお姉さんからは聞いていたのですが、『赤ちゃんにお土産』と聞いて」
あぁ、さくらよ。
なんておねだり上手な。
「少しはゆっくり出来ました? さくらちゃん、小さいのにちゃんとお礼が言えてましたよ。えらいですねぇ」
そう言って、「先輩」さんは微笑んだ。
いや、そりゃ朝も見たよ。見たけどさ。
なにこのイケメン王子!
これは姉が及び腰になるのも分かるわ!
確かにこんな美形にガンガン迫られたら、疑心暗鬼にもなるわ。
少しだけ姉に同情した。
それから「先輩」さんは、出迎えたわたしと母に少しだけ緊張した面持ちで口を開いた。
「すみません、大事なお嬢さんにこんな年の男が付き添ったりして」
ん?
なんかさっきも年齢の事言ってなかったか?
そんな年には見えないけど。
「いいえ、こちらこそ助かりました。あの、大変失礼ですがおいくつですか?」
おぉ、母よ、ぶっこんだな。
「38になります」
久し振りに衝撃を受けた。
見えないからっ。
ていうか言われなきゃお姉ちゃんと同い年くらいにしか見えないって。
そのきれい目ファッションとか、すらっとした体型とか、芸能人かってカンジなのに。
ああ、でもそうか。
物腰とか、話し方は言われてみたら確かにそれくらいの年齢じゃないと醸し出せない物があるのかもしれない。
「年が離れている自覚はありますので、お嬢さんのご迷惑にはならないよう気をつけます」
母は少し驚いた顔をしてから、からからと笑った。
「変わった子ですけど、仲良くしてやってください」
うーん、それは小学生の親同士の会話な気がする。
母親として軽々しく『よろしくお願いします』とは言えないのかもしれないけど。
そして、「佐々木先輩」。
それは婚期的な話ですか、それとも「何かあってもストーカーにはならない宣言」ですか。
なかなか面白い人なのかも。
わたしはそっと若作りのイケメン王子に近付いた。
おおぅ、近くで見るとより迫力あるなぁ。
「あの、お姉ちゃんおかしな事言ってるみたいですけど、基本的に誘いに応じない小心者ですので。しかもちょっとでも合わないと思うとうまい事言って2回目以降はない人なんで。ほんとーにメンドクサイ人なんで面倒かとは思いますが、よろしくお願いします」
母には聞こえないよう言えば、軽く切れ長の目を見張ったイケメンさん。
それがふっと和らぐその様と言えば、くっ、ありえない。
「ありがとうございます」
しかもそんな素直に嬉しそうな顔晒しちゃいますかっ。
姉、確かにこれは心臓に悪いわ。
「さくらさぁ、今日動物園で自分でトイレ行くってトイレ行ったんだけど」
玄関から出てきた姉は困惑気味に報告してきた。
「うっそ!わたしやばぁばがどんなに言っても行かないのに?」
「だよねぇ。まぁ、おむつに出てたから、トイレに座っただけになるんだけど……」
トイレトレーニング中のさくらは、「おむつ上等」とばかりに断固拒否する。
おそろしい。
イケメン王子に出来る所を見せたい乙女心か。
幼女までメロメロかっ。
おそろしすぎる。
「今日はお世話になりました。甘い物大丈夫ですか? よかったら姉とどうぞ」
ケーキの箱をイケメン王子に渡そうとしたら、姉が眉をひそめた。
そんな顔しないでよ。
「ケーキ買いに行ったの? なんでウロウロするの、家で療養してたらいいのに」
姉はおかんむりだった。
「ドラッグストア行くついでだったの」
姉は呆れたように大げさにため息をついた。
「じゃコーヒー淹れよっか」
姉の淹れるコーヒーは美味しい。
だがしかし。
「お姉ちゃん、わたしの前でケーキ食べてコーヒー飲むのっ? わたし今コーヒー控えてるの知ってるじゃん!」
どうよ、この素晴らしき作戦。
いや、だったら茶でも白湯でも飲めと言われたらそれまでなんだけどさ。
姉はまだこの超絶イケメン王子を家には入れてないそうなので、ケーキでも渡しておけばいい口実になるだろう。
姉はコーヒーを淹れるのが好きな人だし。
まだ家に上げたくないなら姉の事だ、そつなく残酷なまでにどうにかするだろう。
姉やわたしの車にはいつもクーラーボックスが積んである。
実家に帰ると母が色々と持たせてくれるからだ。
だから実家の冷凍庫には保冷材も常備してある。
これから出掛けるなら保冷剤を取りに行くだろうと思ったが━━
姉はそのまま壮絶イケメン王子の運転で帰って行った。
王子が当然と言うように姉の車の運転席に、姉が助手席に乗り込んで。
くぁー、ちくしょう。
顔がニヤけるのを抑えられないぜ。
「なんか、ものすごいしっかりした人だったねぇ」
姉からは「交際を前提としたおつきあい」と聞いてたけど、あれはもう結婚前提レベルの挨拶だったんじゃないか?
姉に対してものすごい真剣なんだろうなぁ。
そりゃ、あの姉相手だもんねぇ。
ちょっと変わってる事をのぞけば、姉は家庭向きの、男にとってはたまらないタイプだと思う。
「あれで独身っておかしくない? バツイチとかじゃないの?」
母は困ったように言ったが。
「あの会社にお勤めだからねぇ。お姉ちゃん、まだあの会社の人と繋がってるし、その辺の情報はちゃんとしたのが回ってくるだろうから大丈夫でしょ」
『あの会社』ですべて納得出来てしまうのが我が家の習わしだ。
姉は高校を卒業してあの会社に入社したおかげで、『会社』とか『勤務形態』に関しての常識が一般とはかけ離れている。
「お姉ちゃんヘタしたら38になっても一人でいる可能性あるんだから、それを考えたら32で彼氏が出来るのはいいんじゃない?」
母からしてみたら同い年位の相手の方がいいのかもしれないが、あの姉に付き合うのならば、相当量の包容力と対応力が必要だ。
それを備えているのは、30代後半位の男になるのかもしれない。
「確かにほっといたらいつまでも一人で楽しくやってそうよねぇ。何年もして10以上年上の人連れて来て『子供は生まない方針』とか言い出しそうだものねぇ」
……うん、あり得るね。
大いにあり得るよね。
さすが母も分かってらっしゃる。
「いい人そうだし、ありがたい話かもねぇ。ものすごい男前だし」
母は表情を緩めた。
よかった、これで反対されようものなら面倒だ。
お姉ちゃん、いつもさくらによくしてもらっている恩は返したよ!
「お父さんには内緒かしらねー」
笑い上戸の母はまたからからと笑った。
ひでぇな母。
お父さん、釣りに行ってて良かったね。なんとなく。
庭先で親子で笑っていたら目が覚めたさくらの「ママー!」的な声が聞こえた。
いつも通りお昼寝の後のご機嫌斜めかと思えば、あらびっくり。
4足歩行スタイルの2匹のカワウソを、電車のように扱ってご機嫌で遊んでいる。
「ちーちゃんとお兄さんがさくらによろしくって言ってたよ。楽しかった?」
「うん! カワウソ可愛かったよー」
そうか、そうか。
いい笑顔だ。
「ねぇねぇ、ちーちゃんとお兄さん、仲良かった?」
最近言葉が達者になった3歳児に今日の様子のリサーチを開始した。
姉は晩婚になるかもしれないが、そのうち幸せな素敵な結婚をするだろうと思っていた。
そういう相手を選べる人だと思うから。
姉だけを見詰めて、大切にしてくれる優しい人を見つけるだろうと。
それが。
まさかあんなハイスペックを射止めるとは。
さすが我が姉!
でかした!
あんなイケメンが義兄とか、人生バラ色だよ。
ついでに娘達も大喜びだ。
あの気遣い上手の姉があのイケメンを一人外に残して家に入って行った。
そして家に上げようとした。
付き合ってもいない相手の家に上がるのが男に取ってどんな物か、恐ろしいほどに気配りの出来るあの姉が分からない筈はないのに。
美形からの猛攻に怯えた様子はあるが、ものすごい信頼してるんじゃないか。
保冷材も持って行かなかったから姉の家にしけこむなこりゃ。
「ママぁ? どうしたのー? なんで笑ってるのー?」
おぉっと、顔がニヤケていたか。
「んー? またあのイケメンのお兄さんと会えるかなーと思って」
さくらも嬉しそうに「さーちゃんもたろさん会いたいー」と笑顔を浮かべた。
そうか、あのイケメンさんは「たろさん」とおっしゃるのか。
たろう?
……意外だ。
姉はさくらを抱きしめるようにお姫様抱っこすると、「園からずっと寝てるからもう少し寝るかも。佐々木さんにカワウソ2匹買ってもらっちゃった」と言いながら家に入って行った。
さすが寝かしつけのプロ。
起こさないコツを熟知している。
母やわたしに代わると起きてしまうので、そのまま寝かしに行ってくれたんだろうけど、この状態で男性一人を置いて行くのはちょっとひどくないか。
姉を見送り、こちらへ会釈する背の高い「先輩さん」に声を掛けた。
「すみません、ご迷惑をお掛けした上に高価なお土産まで」
しかも姉とのデートまで邪魔しちゃいました。
「いえ、この年になると動物園も子供連れじゃないとなかなか行けませんので。どうぞお気になさらないでください。ぬいぐるみはNGとお姉さんからは聞いていたのですが、『赤ちゃんにお土産』と聞いて」
あぁ、さくらよ。
なんておねだり上手な。
「少しはゆっくり出来ました? さくらちゃん、小さいのにちゃんとお礼が言えてましたよ。えらいですねぇ」
そう言って、「先輩」さんは微笑んだ。
いや、そりゃ朝も見たよ。見たけどさ。
なにこのイケメン王子!
これは姉が及び腰になるのも分かるわ!
確かにこんな美形にガンガン迫られたら、疑心暗鬼にもなるわ。
少しだけ姉に同情した。
それから「先輩」さんは、出迎えたわたしと母に少しだけ緊張した面持ちで口を開いた。
「すみません、大事なお嬢さんにこんな年の男が付き添ったりして」
ん?
なんかさっきも年齢の事言ってなかったか?
そんな年には見えないけど。
「いいえ、こちらこそ助かりました。あの、大変失礼ですがおいくつですか?」
おぉ、母よ、ぶっこんだな。
「38になります」
久し振りに衝撃を受けた。
見えないからっ。
ていうか言われなきゃお姉ちゃんと同い年くらいにしか見えないって。
そのきれい目ファッションとか、すらっとした体型とか、芸能人かってカンジなのに。
ああ、でもそうか。
物腰とか、話し方は言われてみたら確かにそれくらいの年齢じゃないと醸し出せない物があるのかもしれない。
「年が離れている自覚はありますので、お嬢さんのご迷惑にはならないよう気をつけます」
母は少し驚いた顔をしてから、からからと笑った。
「変わった子ですけど、仲良くしてやってください」
うーん、それは小学生の親同士の会話な気がする。
母親として軽々しく『よろしくお願いします』とは言えないのかもしれないけど。
そして、「佐々木先輩」。
それは婚期的な話ですか、それとも「何かあってもストーカーにはならない宣言」ですか。
なかなか面白い人なのかも。
わたしはそっと若作りのイケメン王子に近付いた。
おおぅ、近くで見るとより迫力あるなぁ。
「あの、お姉ちゃんおかしな事言ってるみたいですけど、基本的に誘いに応じない小心者ですので。しかもちょっとでも合わないと思うとうまい事言って2回目以降はない人なんで。ほんとーにメンドクサイ人なんで面倒かとは思いますが、よろしくお願いします」
母には聞こえないよう言えば、軽く切れ長の目を見張ったイケメンさん。
それがふっと和らぐその様と言えば、くっ、ありえない。
「ありがとうございます」
しかもそんな素直に嬉しそうな顔晒しちゃいますかっ。
姉、確かにこれは心臓に悪いわ。
「さくらさぁ、今日動物園で自分でトイレ行くってトイレ行ったんだけど」
玄関から出てきた姉は困惑気味に報告してきた。
「うっそ!わたしやばぁばがどんなに言っても行かないのに?」
「だよねぇ。まぁ、おむつに出てたから、トイレに座っただけになるんだけど……」
トイレトレーニング中のさくらは、「おむつ上等」とばかりに断固拒否する。
おそろしい。
イケメン王子に出来る所を見せたい乙女心か。
幼女までメロメロかっ。
おそろしすぎる。
「今日はお世話になりました。甘い物大丈夫ですか? よかったら姉とどうぞ」
ケーキの箱をイケメン王子に渡そうとしたら、姉が眉をひそめた。
そんな顔しないでよ。
「ケーキ買いに行ったの? なんでウロウロするの、家で療養してたらいいのに」
姉はおかんむりだった。
「ドラッグストア行くついでだったの」
姉は呆れたように大げさにため息をついた。
「じゃコーヒー淹れよっか」
姉の淹れるコーヒーは美味しい。
だがしかし。
「お姉ちゃん、わたしの前でケーキ食べてコーヒー飲むのっ? わたし今コーヒー控えてるの知ってるじゃん!」
どうよ、この素晴らしき作戦。
いや、だったら茶でも白湯でも飲めと言われたらそれまでなんだけどさ。
姉はまだこの超絶イケメン王子を家には入れてないそうなので、ケーキでも渡しておけばいい口実になるだろう。
姉はコーヒーを淹れるのが好きな人だし。
まだ家に上げたくないなら姉の事だ、そつなく残酷なまでにどうにかするだろう。
姉やわたしの車にはいつもクーラーボックスが積んである。
実家に帰ると母が色々と持たせてくれるからだ。
だから実家の冷凍庫には保冷材も常備してある。
これから出掛けるなら保冷剤を取りに行くだろうと思ったが━━
姉はそのまま壮絶イケメン王子の運転で帰って行った。
王子が当然と言うように姉の車の運転席に、姉が助手席に乗り込んで。
くぁー、ちくしょう。
顔がニヤけるのを抑えられないぜ。
「なんか、ものすごいしっかりした人だったねぇ」
姉からは「交際を前提としたおつきあい」と聞いてたけど、あれはもう結婚前提レベルの挨拶だったんじゃないか?
姉に対してものすごい真剣なんだろうなぁ。
そりゃ、あの姉相手だもんねぇ。
ちょっと変わってる事をのぞけば、姉は家庭向きの、男にとってはたまらないタイプだと思う。
「あれで独身っておかしくない? バツイチとかじゃないの?」
母は困ったように言ったが。
「あの会社にお勤めだからねぇ。お姉ちゃん、まだあの会社の人と繋がってるし、その辺の情報はちゃんとしたのが回ってくるだろうから大丈夫でしょ」
『あの会社』ですべて納得出来てしまうのが我が家の習わしだ。
姉は高校を卒業してあの会社に入社したおかげで、『会社』とか『勤務形態』に関しての常識が一般とはかけ離れている。
「お姉ちゃんヘタしたら38になっても一人でいる可能性あるんだから、それを考えたら32で彼氏が出来るのはいいんじゃない?」
母からしてみたら同い年位の相手の方がいいのかもしれないが、あの姉に付き合うのならば、相当量の包容力と対応力が必要だ。
それを備えているのは、30代後半位の男になるのかもしれない。
「確かにほっといたらいつまでも一人で楽しくやってそうよねぇ。何年もして10以上年上の人連れて来て『子供は生まない方針』とか言い出しそうだものねぇ」
……うん、あり得るね。
大いにあり得るよね。
さすが母も分かってらっしゃる。
「いい人そうだし、ありがたい話かもねぇ。ものすごい男前だし」
母は表情を緩めた。
よかった、これで反対されようものなら面倒だ。
お姉ちゃん、いつもさくらによくしてもらっている恩は返したよ!
「お父さんには内緒かしらねー」
笑い上戸の母はまたからからと笑った。
ひでぇな母。
お父さん、釣りに行ってて良かったね。なんとなく。
庭先で親子で笑っていたら目が覚めたさくらの「ママー!」的な声が聞こえた。
いつも通りお昼寝の後のご機嫌斜めかと思えば、あらびっくり。
4足歩行スタイルの2匹のカワウソを、電車のように扱ってご機嫌で遊んでいる。
「ちーちゃんとお兄さんがさくらによろしくって言ってたよ。楽しかった?」
「うん! カワウソ可愛かったよー」
そうか、そうか。
いい笑顔だ。
「ねぇねぇ、ちーちゃんとお兄さん、仲良かった?」
最近言葉が達者になった3歳児に今日の様子のリサーチを開始した。
姉は晩婚になるかもしれないが、そのうち幸せな素敵な結婚をするだろうと思っていた。
そういう相手を選べる人だと思うから。
姉だけを見詰めて、大切にしてくれる優しい人を見つけるだろうと。
それが。
まさかあんなハイスペックを射止めるとは。
さすが我が姉!
でかした!
あんなイケメンが義兄とか、人生バラ色だよ。
ついでに娘達も大喜びだ。
あの気遣い上手の姉があのイケメンを一人外に残して家に入って行った。
そして家に上げようとした。
付き合ってもいない相手の家に上がるのが男に取ってどんな物か、恐ろしいほどに気配りの出来るあの姉が分からない筈はないのに。
美形からの猛攻に怯えた様子はあるが、ものすごい信頼してるんじゃないか。
保冷材も持って行かなかったから姉の家にしけこむなこりゃ。
「ママぁ? どうしたのー? なんで笑ってるのー?」
おぉっと、顔がニヤケていたか。
「んー? またあのイケメンのお兄さんと会えるかなーと思って」
さくらも嬉しそうに「さーちゃんもたろさん会いたいー」と笑顔を浮かべた。
そうか、あのイケメンさんは「たろさん」とおっしゃるのか。
たろう?
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