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14、ゴミの分別を怠り二度あることは三度目となる※
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『この前貸したベルトどこ?』
使おうと思ったベルトが見当たらないことに気付いた立花は太吾の昼休みを狙ってアプリからメッセージを送った。ルーズで片付けの下手な太吾は思いもよらない所に置き去りにすることもしょっちゅうだ。太吾が置きそうな場所をざっとあらかた探してみたが早々に諦めて本人に尋ねることにした。
『クローゼット開けて左側の壁か右下』
借りっぱなしだといのに一切悪びれない太吾だが、立花もその辺はもう慣れているので気にすることなく先ほど探したクローゼットを再度開いて堂々と物色した。
ここは太吾の家で、そこに立花がルームシェアという形で後から越してきた。よって太吾のクローゼットをかき回すことに遠慮していたのだ。
『あった』
結局ベルトは見付からなかったが、立花はそう返信した。
水曜日は立花の店は定休日で、太吾は定時退社デーだ。この日は一週間のうち唯一夕食の時間が重なるとともに性欲を発散する日と自然と決まっていた。もとはタチである太吾としては不満がないわけではないが、いつもなし崩しに天国を見せられスッキリさせられるので無駄な抵抗はやめた。
「ん……ぅ、は……」
ソファでクッションを抱えるようにうつ伏せになり、腰を上げて立花に後孔をほぐされる。普段はベッドだが今夜は急くようにソファで押し倒された。
がっついてんなぁと内心笑う。
立花は面倒がらず延々丁寧に前戯に勤しむタイプだ。太吾は自分で準備するのが面倒でいつの頃からか丸投げにしている。性急に事に及ぼうとしているがそれでも立花の前戯は丁寧だった。
「ひぅっ、は、ぁ、ァ、あ」
前立腺を優しく撫でられ絶妙なタッチのそれに腰が震える。陰茎の先端からは雫が垂れ、それをまとった手に擦られヘコヘコと腰が揺れた。すでに柔らかく拡がり太吾はもうそれが欲しくてたまらなくなった。ねちっこい前戯でドロドロになった太吾に「欲しい」と言わせるのが立花の性癖だ。
「おい、もぅ」
挿れろと促す。どうせこれくらいでは立花は挿れないのだ。そう思って早めに言った太吾だったが予想に反して立花はゴムのパッケージを切った。
ホント今日は辛抱きかねぇな。せせら笑うつもりでちらりと振り返ったところで後孔に当たる冷たい感触に違和感を覚える。
なに━━?
そう思った瞬間、それは挿入された。
立花の位置がおかしい。いつもなら鬱陶しいほどにくっついて来るのに。快楽から逃がさまいとするかのように後ろから拘束して来るのに。
胎の中のそれがひどく冷たい。
なんだこれは。
「は? おま、なに」
振り返れば立花がひどく遠い。
そんな位置から挿入できるはずがない。太吾は混乱した。
「これ? お前のおもちゃ」
冷めた表情で立花は視線をそこに落とし淫具を抜き差しする。
沸きおこる嫌悪感に太吾はソファの背凭れを掴み腰を上げて逃げようとするが立花は腰を上から押さえつけ、中を抉るようにバイブを奥へ嵌めこんだ。
「あ゛ぅっ! ちょ、やめろってなに」
「ベルトが見つからないんだから仕方ないだろ」
太吾の声を遮り当然のように言うが、全く意味が分からなかった。
先日立花は自分のベルトを探す中、太吾のクローゼットの奥からシリコン製のピンク色の卑猥物を見つけたのだ。
「なぁ、これ自分用?」
「ンなワケねぇだろ。女に使ったんだよ。おい抜けって」
立花の問いに太吾は吐き捨てるように答えた。持っていることも忘れていたのだ。
日頃夜を一人で過ごすことが多い太吾が自慰に使っていたのであれば立花は上機嫌で受け止めて終わった。いや、それはそれで使って見せろと言うだろうがあくまでも楽しいプレイで終わらせただろう。
玩具は電池式で、入れられたままの電池は緑色に酸化して傷んでいた。以前は男と住んでいたはずで、浮気で使ったのか男が出て行ってから使ったのか。長く使われずだらしない太吾が忘れていたのだろう事は分かるが遊び相手の女と使ったであろう物を目にした立花の機嫌が多少悪くなるのも無理はないというもので。
「自分じゃ使ったことないんだろ? 試してみろよ。一人で出来るように」
そう言った立花の声はひどく重く厳しい。
ああ、これはキレてんなと付き合いの長くなりつつある太吾も悟らざるを得なかった。
「くっそ……」
太吾は背凭れに背を向けて横になり、片足だけ背凭れに乗せ大きく足を開いた状態で尻から生える突起物を掴んでいる。
「ぅ……ぁ」
ぬちゅぬちゅと自分が発生させる音が妙にリアルだ。
「ほら、もっと奥まで入るだろ」
足元に座る立花に見られていると思うと激しい羞恥にやめたくて仕方ない。
「は……も、いいだろ」
「勃たせて何言ってんだ」
求める理想の快楽には程遠いのに擦られる反射に勃起する自分の陰茎が苛立たしい。
「なぁ……立花、お前のくれよ」
太吾はあざとく強請る作戦を選んだ。そんな思惑に乗るものかと立花は腰を上げると同じく勃立した雄を太吾の口元に添える。
「舐めて」
見つめ合い、立花の眼差しの強さにちっと舌打ちして太吾が口を開けそれを迎え入れる。
立花の瞳からは口淫しないと絶対に許さないという強い意志が見て取れたのだ。
先程立花によって開封されたゴムは玩具に使われ太吾の口に入れられるのは生棒だ。やることはえげつない立花だがセーフティセックスは遵守する男だった。太吾はそのまま使う。
「ぅ……うんぁ……」
片膝をソファの背もたれの上部に乗せるようにして立花はゆるく腰を遣い、太吾は苦し気な声を洩らしながら立花を睨み上げる。苦しめようという意思はそこにはないらしく愛撫のように口内を擦られる。勝気な笑みを浮かべる立花に腹が立った。
腹が立って、吹っ切れた。
「んっ、んンっ! ン・ン・ぅん・ンンっっ」
激しく淫具を抜き差しして自慰にふける。
あーこれ口と下って3Pモノでよく見るやつじゃねぇか。あれ、フェラされる方は絶対気持ちよくないだろうと思ってたんだよな。回らない頭で漠然とそんな事を思い、ザマァ見ろと無意味にほくそ笑みながら自慰に耽るを装う。
意表を突かれた立花が腰を止めたその隙に太吾は頭を引いて剛直から逃れた。
「はっ・アっ! あ、あ、イっ」
開いた口で遠慮なく善がり声をあげる。
一人で気持ちよくなってやる。
太吾の闘争心は謎の方面に走り出した。
「ア、いっ、コレ、きもちいっ」
大きく腰を振り、空いた手で自身の陰茎を擦る。
「あ゛ーこれイく、イ・イ、ああイくすげ」
乳首を摘まんでくる立花の手を払いのけ、息を乱し眦を潤ませた赤ら顔で太吾は鼻で笑った。
「指くわえて見てな」
勝ち誇った顔だった。
立花はすっと目をすがめ、太吾の陰茎の根元を強く握る。
「あ゛ぁ! ばっかてめぇ!」
吠え、身を丸めて一瞬動きを止めた太吾だったがすぐに淫具遊びを再開する。
キツイ。握られたまま自分で抜き差しするのは手が止まりそうになる。それでも太吾は一人で達してやろうという目論見があった。
「あ・あぁ! いく! ナカ、すげ・も、イ」
太吾は知らず陰茎を握る立花の太い手首を握っていた。絶頂に備えるように縋るように手首をきつく握る。その強さに太吾の限界を近さを感じた立花は無理矢理淫具を引き抜くや赤い肉を見せるそこに自身を突き入れた。
「ぁ゛っ━━!」
陰茎を指で作った輪で戒められたまま、遠慮のえの字もない力強さで最奥を突きあげられた太吾はエビ反りになって絶頂した。
戒めが解かれ、太吾の陰茎の先端からは勢いのない体液がトロトロと流れ出て太吾の腹を濡らす。
「あ・あ」
荒い息とともに意味のない音が太吾の口からこぼれた。
ブリッジのように腰を上げた状態で立花に支えられ、ビクビクと大きく体を震わせる太吾にソファに片足を乗せた立花はここからが自分の番だとまかりに堪えに堪えた衝動を叩きつける。
太吾の柔らかな肉に指を埋め、重量があるはずの体を二本の腕のみでやすやすと支え立花は腰を遣う。太吾と寝るようになって立花は実際筋肉量が増えた。こんな切羽詰まったタイミングにもかかわらずすでにゴムを装着しているのが実に立花らしい。
「いっでる! い゛でるぅぅぅ!」
逃れようにも太吾はすでに体力を使い果たしており、腰はしっかりと大きな立花の手でつかまれている。
はっは、と犬の呼吸のような息遣いで立花は太吾を犯した。
「どっちだっ? アレとコレと! どっちがいい!?」
「コレぇぇ、コレがいぃぃぃ」
「コレか! コレか!?」
「そぉぉぉぉぉ」
語彙力のなくなった立花に同じく語彙力のない太吾が答える。
いつになく激しい突き上げに最奥を暴力的なまでの衝撃を感じる。太吾の兆した陰茎も激しく揺れベチベチと腹に当たる。肩から上を座面に預け苦しい姿勢だ。どこもかしこもひどく苦しいのに、それと同じくらいの狂悦がそこにはあった。
「もっとぉぉ」
たまらなくて、混乱して、頭がおかしくなりそうなほどの衝撃なのに太吾自身驚くような要求が口をついて出る。
「いいっ、イくっ、たちばなッたちばなっ」
太吾の懇願に応えるように、ごんっとそこを突き上げ二人は声もなく同時に達した。
しばらくそのままの状態でお互い余韻に震え、立花は陰茎を抜きながらゆっくりと太吾の腰を下ろしてやる。
立花も本気で嫉妬して怒り狂ったわけではない。思いがけず出てきた玩具をスパイス代わりに楽しもうとしただけだ。
二人で寝転がるには狭すぎる座面の上でぐったりと動かない太吾を奥へ押しやるようにして無理矢理抱きしめて戯れのような軽い口づけを交わす。
二人とも何とも言えないひどい疲労感に襲われ、淫具を用いた性交に関しもはや何も言う気にはなれなかった。
数日後おもちゃは立花によって廃棄された。
廃棄方法が分からず長らくほったらかしにしていた太吾は「調べて捨てる手間が省けたラッキー」くらいの軽い感覚でいたが、立花のベルトが太吾の会社のロッカーで発見されるや「ベルトで拘束しつつアレ使えば良かった」と憎々し気に言う立花に本当に処分されていて良かったと太吾は胸をなでおろしたのだった。
使おうと思ったベルトが見当たらないことに気付いた立花は太吾の昼休みを狙ってアプリからメッセージを送った。ルーズで片付けの下手な太吾は思いもよらない所に置き去りにすることもしょっちゅうだ。太吾が置きそうな場所をざっとあらかた探してみたが早々に諦めて本人に尋ねることにした。
『クローゼット開けて左側の壁か右下』
借りっぱなしだといのに一切悪びれない太吾だが、立花もその辺はもう慣れているので気にすることなく先ほど探したクローゼットを再度開いて堂々と物色した。
ここは太吾の家で、そこに立花がルームシェアという形で後から越してきた。よって太吾のクローゼットをかき回すことに遠慮していたのだ。
『あった』
結局ベルトは見付からなかったが、立花はそう返信した。
水曜日は立花の店は定休日で、太吾は定時退社デーだ。この日は一週間のうち唯一夕食の時間が重なるとともに性欲を発散する日と自然と決まっていた。もとはタチである太吾としては不満がないわけではないが、いつもなし崩しに天国を見せられスッキリさせられるので無駄な抵抗はやめた。
「ん……ぅ、は……」
ソファでクッションを抱えるようにうつ伏せになり、腰を上げて立花に後孔をほぐされる。普段はベッドだが今夜は急くようにソファで押し倒された。
がっついてんなぁと内心笑う。
立花は面倒がらず延々丁寧に前戯に勤しむタイプだ。太吾は自分で準備するのが面倒でいつの頃からか丸投げにしている。性急に事に及ぼうとしているがそれでも立花の前戯は丁寧だった。
「ひぅっ、は、ぁ、ァ、あ」
前立腺を優しく撫でられ絶妙なタッチのそれに腰が震える。陰茎の先端からは雫が垂れ、それをまとった手に擦られヘコヘコと腰が揺れた。すでに柔らかく拡がり太吾はもうそれが欲しくてたまらなくなった。ねちっこい前戯でドロドロになった太吾に「欲しい」と言わせるのが立花の性癖だ。
「おい、もぅ」
挿れろと促す。どうせこれくらいでは立花は挿れないのだ。そう思って早めに言った太吾だったが予想に反して立花はゴムのパッケージを切った。
ホント今日は辛抱きかねぇな。せせら笑うつもりでちらりと振り返ったところで後孔に当たる冷たい感触に違和感を覚える。
なに━━?
そう思った瞬間、それは挿入された。
立花の位置がおかしい。いつもなら鬱陶しいほどにくっついて来るのに。快楽から逃がさまいとするかのように後ろから拘束して来るのに。
胎の中のそれがひどく冷たい。
なんだこれは。
「は? おま、なに」
振り返れば立花がひどく遠い。
そんな位置から挿入できるはずがない。太吾は混乱した。
「これ? お前のおもちゃ」
冷めた表情で立花は視線をそこに落とし淫具を抜き差しする。
沸きおこる嫌悪感に太吾はソファの背凭れを掴み腰を上げて逃げようとするが立花は腰を上から押さえつけ、中を抉るようにバイブを奥へ嵌めこんだ。
「あ゛ぅっ! ちょ、やめろってなに」
「ベルトが見つからないんだから仕方ないだろ」
太吾の声を遮り当然のように言うが、全く意味が分からなかった。
先日立花は自分のベルトを探す中、太吾のクローゼットの奥からシリコン製のピンク色の卑猥物を見つけたのだ。
「なぁ、これ自分用?」
「ンなワケねぇだろ。女に使ったんだよ。おい抜けって」
立花の問いに太吾は吐き捨てるように答えた。持っていることも忘れていたのだ。
日頃夜を一人で過ごすことが多い太吾が自慰に使っていたのであれば立花は上機嫌で受け止めて終わった。いや、それはそれで使って見せろと言うだろうがあくまでも楽しいプレイで終わらせただろう。
玩具は電池式で、入れられたままの電池は緑色に酸化して傷んでいた。以前は男と住んでいたはずで、浮気で使ったのか男が出て行ってから使ったのか。長く使われずだらしない太吾が忘れていたのだろう事は分かるが遊び相手の女と使ったであろう物を目にした立花の機嫌が多少悪くなるのも無理はないというもので。
「自分じゃ使ったことないんだろ? 試してみろよ。一人で出来るように」
そう言った立花の声はひどく重く厳しい。
ああ、これはキレてんなと付き合いの長くなりつつある太吾も悟らざるを得なかった。
「くっそ……」
太吾は背凭れに背を向けて横になり、片足だけ背凭れに乗せ大きく足を開いた状態で尻から生える突起物を掴んでいる。
「ぅ……ぁ」
ぬちゅぬちゅと自分が発生させる音が妙にリアルだ。
「ほら、もっと奥まで入るだろ」
足元に座る立花に見られていると思うと激しい羞恥にやめたくて仕方ない。
「は……も、いいだろ」
「勃たせて何言ってんだ」
求める理想の快楽には程遠いのに擦られる反射に勃起する自分の陰茎が苛立たしい。
「なぁ……立花、お前のくれよ」
太吾はあざとく強請る作戦を選んだ。そんな思惑に乗るものかと立花は腰を上げると同じく勃立した雄を太吾の口元に添える。
「舐めて」
見つめ合い、立花の眼差しの強さにちっと舌打ちして太吾が口を開けそれを迎え入れる。
立花の瞳からは口淫しないと絶対に許さないという強い意志が見て取れたのだ。
先程立花によって開封されたゴムは玩具に使われ太吾の口に入れられるのは生棒だ。やることはえげつない立花だがセーフティセックスは遵守する男だった。太吾はそのまま使う。
「ぅ……うんぁ……」
片膝をソファの背もたれの上部に乗せるようにして立花はゆるく腰を遣い、太吾は苦し気な声を洩らしながら立花を睨み上げる。苦しめようという意思はそこにはないらしく愛撫のように口内を擦られる。勝気な笑みを浮かべる立花に腹が立った。
腹が立って、吹っ切れた。
「んっ、んンっ! ン・ン・ぅん・ンンっっ」
激しく淫具を抜き差しして自慰にふける。
あーこれ口と下って3Pモノでよく見るやつじゃねぇか。あれ、フェラされる方は絶対気持ちよくないだろうと思ってたんだよな。回らない頭で漠然とそんな事を思い、ザマァ見ろと無意味にほくそ笑みながら自慰に耽るを装う。
意表を突かれた立花が腰を止めたその隙に太吾は頭を引いて剛直から逃れた。
「はっ・アっ! あ、あ、イっ」
開いた口で遠慮なく善がり声をあげる。
一人で気持ちよくなってやる。
太吾の闘争心は謎の方面に走り出した。
「ア、いっ、コレ、きもちいっ」
大きく腰を振り、空いた手で自身の陰茎を擦る。
「あ゛ーこれイく、イ・イ、ああイくすげ」
乳首を摘まんでくる立花の手を払いのけ、息を乱し眦を潤ませた赤ら顔で太吾は鼻で笑った。
「指くわえて見てな」
勝ち誇った顔だった。
立花はすっと目をすがめ、太吾の陰茎の根元を強く握る。
「あ゛ぁ! ばっかてめぇ!」
吠え、身を丸めて一瞬動きを止めた太吾だったがすぐに淫具遊びを再開する。
キツイ。握られたまま自分で抜き差しするのは手が止まりそうになる。それでも太吾は一人で達してやろうという目論見があった。
「あ・あぁ! いく! ナカ、すげ・も、イ」
太吾は知らず陰茎を握る立花の太い手首を握っていた。絶頂に備えるように縋るように手首をきつく握る。その強さに太吾の限界を近さを感じた立花は無理矢理淫具を引き抜くや赤い肉を見せるそこに自身を突き入れた。
「ぁ゛っ━━!」
陰茎を指で作った輪で戒められたまま、遠慮のえの字もない力強さで最奥を突きあげられた太吾はエビ反りになって絶頂した。
戒めが解かれ、太吾の陰茎の先端からは勢いのない体液がトロトロと流れ出て太吾の腹を濡らす。
「あ・あ」
荒い息とともに意味のない音が太吾の口からこぼれた。
ブリッジのように腰を上げた状態で立花に支えられ、ビクビクと大きく体を震わせる太吾にソファに片足を乗せた立花はここからが自分の番だとまかりに堪えに堪えた衝動を叩きつける。
太吾の柔らかな肉に指を埋め、重量があるはずの体を二本の腕のみでやすやすと支え立花は腰を遣う。太吾と寝るようになって立花は実際筋肉量が増えた。こんな切羽詰まったタイミングにもかかわらずすでにゴムを装着しているのが実に立花らしい。
「いっでる! い゛でるぅぅぅ!」
逃れようにも太吾はすでに体力を使い果たしており、腰はしっかりと大きな立花の手でつかまれている。
はっは、と犬の呼吸のような息遣いで立花は太吾を犯した。
「どっちだっ? アレとコレと! どっちがいい!?」
「コレぇぇ、コレがいぃぃぃ」
「コレか! コレか!?」
「そぉぉぉぉぉ」
語彙力のなくなった立花に同じく語彙力のない太吾が答える。
いつになく激しい突き上げに最奥を暴力的なまでの衝撃を感じる。太吾の兆した陰茎も激しく揺れベチベチと腹に当たる。肩から上を座面に預け苦しい姿勢だ。どこもかしこもひどく苦しいのに、それと同じくらいの狂悦がそこにはあった。
「もっとぉぉ」
たまらなくて、混乱して、頭がおかしくなりそうなほどの衝撃なのに太吾自身驚くような要求が口をついて出る。
「いいっ、イくっ、たちばなッたちばなっ」
太吾の懇願に応えるように、ごんっとそこを突き上げ二人は声もなく同時に達した。
しばらくそのままの状態でお互い余韻に震え、立花は陰茎を抜きながらゆっくりと太吾の腰を下ろしてやる。
立花も本気で嫉妬して怒り狂ったわけではない。思いがけず出てきた玩具をスパイス代わりに楽しもうとしただけだ。
二人で寝転がるには狭すぎる座面の上でぐったりと動かない太吾を奥へ押しやるようにして無理矢理抱きしめて戯れのような軽い口づけを交わす。
二人とも何とも言えないひどい疲労感に襲われ、淫具を用いた性交に関しもはや何も言う気にはなれなかった。
数日後おもちゃは立花によって廃棄された。
廃棄方法が分からず長らくほったらかしにしていた太吾は「調べて捨てる手間が省けたラッキー」くらいの軽い感覚でいたが、立花のベルトが太吾の会社のロッカーで発見されるや「ベルトで拘束しつつアレ使えば良かった」と憎々し気に言う立花に本当に処分されていて良かったと太吾は胸をなでおろしたのだった。
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この度はコメントありがとうございました。
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この度はご感想と新しい気付きをありがとうございました。