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10、圧倒的理不尽に口は災いの元と思い知るが後の祭り<後>※
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「っ、ふあっぁぁぁぁ……」
奥まで挿入される事に慣れた太吾が大きく息を吐くと立花は小さく笑った。
「喜んでる」
確かに待ちわびたモノだ。
だがそれは抵抗するも強制的に限界まで昂められたからで、認めたくなど無い。
「おい! やめろ、これ嫌なんだよ」
顔の横に膝が来るように体を降りたたまれるこの姿勢は苦しくて嫌いだった。
圧し潰そうとしているのかというほどの強さを持った力強いピストンに太吾は渋面となる。
相手を制圧する感に男の欲は満たされるのかもしれないが、こちらはしんどいだけで快感は感じられない。
AVの見過ぎだ、そう詰ってやりたい。
ひどくされるのが目に見えているので言いはしないが。
「うあっ! あ゛・あぁぁ!」
太吾の拒否に立花は素直に太吾の腰を降ろすとその股座に跨るように半身を返す。
「あ・あぁぅ・たち……ば、ぁあ・あ゛ぁぁン!」
「やっぱこっちの方が奥まで入って気持ちいい?」
うるせぇ。
そう言いたいが揺さぶられる中その余裕はない。不安定な態勢で咄嗟に立花の足をつかもうと手を伸ばすとその手首を取られた。立花の挿入に体が頭の方へ押しやられるが、手首を取られ逃げることもかなわない。
すぐに手首をつかむ手が緩み、そのまま手をつなぎ直される。それはまるで恋人同士が指をからめ合うようなつなぎ方だったが、太吾は反射的にそれをしっかりと握りしめた。
固く縋るような強さで片手同士をつなぎ、立花の空いた手は太吾の背を撫でそのまま太ももへと下がって行く。
「んッ、ぅん、あ……ッ、はぅッ」
その柔らかな刺激に太吾の身体は白魚の様に跳ねた。
「あ゛ぁっ、あ゛ぁぁッ、も、イく、イク、いく、いイ、イ、イ、イ、」
太吾の全身に力がこもり、足はピンと伸びたままぶるぶると震えていた。その先で丸まった爪先がシーツを掻く。
「……もちょっと奥、いってみるか」
すでに最奥まで届いているのだ。立花の吐いた言葉の意味が分からなかった。
立花は太吾に体重をかけるように少し腰を上げて身を起こし胎の行き止まりを責めた。
奥を捏ねられるのがたまらなく気持ちがいい事を、太吾の身体はもう知っている。
しかし、それ以上は━━
「待てタチバナ!」
意図を感じ太吾は慌て始める。
「お前なら出来るって。気持ちいいの、好きだろ」
「やめッ、ムリだばか!」
結腸の口をこじ開けるように腰を揺らし、亀頭の半分ほどが拓かれたそこにめり込むように到達する。
「ざけんな、あ・がああ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
立花は容赦なく太吾の未開の壁を突き破った。
身体を限界まで反らし、言葉もなく痙攣する太吾に立花は満足そうに目を細める。
無理やりそこに攻め入った苦しさが立花にもあるが、圧倒的な征服感に満たされた。
太吾はかはっと喉を鳴らし、止めていた呼吸を取り戻すと丸くなって苦痛に耐えながら呻く。
「やめ、ひ、ぁ、イ、タい、イダ、やめ゛ぇぇっぇぇ゛ぇえぇ! あ゛ぁぁ」
痛い。重い。
苦しい。痛い。キツい。痛い。
頼むから早く終わってくれと思う。
それしかない。
それしかないはずなのに。
それなのに。
揺さぶりの狭間に時折顔を見せるこれはなんだ。
じわり、じわり。
沸いてくるそれ。
そんなはずないのに。
もっと。
何が。
ああ、これは。まさか。
気持ちがいい、のか?
それは、そんなのはおかしい。
もっと。
いやだ。
そんなハズない。
もっと。
違う、嫌だ。
もっと━━
「もう後ろ、イきそうだな」
「イっでる、も、イッでるぅぅ、おかし、こんなのおがしぃんぁン゛んんんんんンンンンンンッ!!」
立花の見立て通り太吾が後ろで派手にイった直後、立花は絶妙のタイミングで太吾の前を容赦なく扱いた。
連続する二つの絶頂の波に太吾は悲鳴を上げる。
「イ・ゃあ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
太吾の叫ぶような喘ぎを聞きながら、立花はより締まった奥に吐精した。
立花もまた詰めていた息を解放するとともに、痙攣しながら身を投げ出す脱力しきった太吾の足をおろす。柔らかくなった立花の雄が結腸から出て行く感覚に太吾が小さく呻いてびくりと震えた。
立花はそんな太吾をひと撫でし、体が冷える前に布団を掛けてやる。そして自身も素早くゴムの処理を済ませてから太吾の隣に潜りこんだ。
回らない頭と人肌の心地よさに太吾はすでに思考を働かせることを放棄している。
妙に甘く口づけてくる立花に、力が入らずなされるがままだ。普段なら寝ぼけて相手を間違えているのではないかと眉を顰める所だが、急激に重くなる瞼にその余裕もない。
全裸同士で汗をかいた後でぺっとりと貼り付く肌が少しだけ気になったが、もう抵抗する気力もなく太吾は気を失うように深い眠りについた。
寝落ちた太吾を固く抱きしめ、立花は眉を曇らせる。
ユカリや店の一見の女性客とそつなく会話する太吾を見て、その気遣いをありがたく思う。
常連の壮年男性らと楽しそうに会話する姿にこちらも和まされる。
能天気に思い付きで手伝いを申し出る太吾に何とも言えない歓喜を感じる。
だがその反面、立花は胸中に苦みを覚えるようになった。
女を抱いてもいい・女を抱けないようにしてやる、これまでずっとそんな事を考え、言ってきたが結局は太吾次第なのだ。
太吾はバイだ。
太吾が本気で女がいいとなれば、立花は受け入れざるを得ないだろう。
今はまだしも、この先完全に心が離れてしまえばこんな関係と生活の継続は不可能だと思っている。
だから今のうちだ。
どうせいつかは離れるのであれば。
今のうちに。今だけは。
好き勝手してやろう。
そう立花は思うのだった。
奥まで挿入される事に慣れた太吾が大きく息を吐くと立花は小さく笑った。
「喜んでる」
確かに待ちわびたモノだ。
だがそれは抵抗するも強制的に限界まで昂められたからで、認めたくなど無い。
「おい! やめろ、これ嫌なんだよ」
顔の横に膝が来るように体を降りたたまれるこの姿勢は苦しくて嫌いだった。
圧し潰そうとしているのかというほどの強さを持った力強いピストンに太吾は渋面となる。
相手を制圧する感に男の欲は満たされるのかもしれないが、こちらはしんどいだけで快感は感じられない。
AVの見過ぎだ、そう詰ってやりたい。
ひどくされるのが目に見えているので言いはしないが。
「うあっ! あ゛・あぁぁ!」
太吾の拒否に立花は素直に太吾の腰を降ろすとその股座に跨るように半身を返す。
「あ・あぁぅ・たち……ば、ぁあ・あ゛ぁぁン!」
「やっぱこっちの方が奥まで入って気持ちいい?」
うるせぇ。
そう言いたいが揺さぶられる中その余裕はない。不安定な態勢で咄嗟に立花の足をつかもうと手を伸ばすとその手首を取られた。立花の挿入に体が頭の方へ押しやられるが、手首を取られ逃げることもかなわない。
すぐに手首をつかむ手が緩み、そのまま手をつなぎ直される。それはまるで恋人同士が指をからめ合うようなつなぎ方だったが、太吾は反射的にそれをしっかりと握りしめた。
固く縋るような強さで片手同士をつなぎ、立花の空いた手は太吾の背を撫でそのまま太ももへと下がって行く。
「んッ、ぅん、あ……ッ、はぅッ」
その柔らかな刺激に太吾の身体は白魚の様に跳ねた。
「あ゛ぁっ、あ゛ぁぁッ、も、イく、イク、いく、いイ、イ、イ、イ、」
太吾の全身に力がこもり、足はピンと伸びたままぶるぶると震えていた。その先で丸まった爪先がシーツを掻く。
「……もちょっと奥、いってみるか」
すでに最奥まで届いているのだ。立花の吐いた言葉の意味が分からなかった。
立花は太吾に体重をかけるように少し腰を上げて身を起こし胎の行き止まりを責めた。
奥を捏ねられるのがたまらなく気持ちがいい事を、太吾の身体はもう知っている。
しかし、それ以上は━━
「待てタチバナ!」
意図を感じ太吾は慌て始める。
「お前なら出来るって。気持ちいいの、好きだろ」
「やめッ、ムリだばか!」
結腸の口をこじ開けるように腰を揺らし、亀頭の半分ほどが拓かれたそこにめり込むように到達する。
「ざけんな、あ・がああ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
立花は容赦なく太吾の未開の壁を突き破った。
身体を限界まで反らし、言葉もなく痙攣する太吾に立花は満足そうに目を細める。
無理やりそこに攻め入った苦しさが立花にもあるが、圧倒的な征服感に満たされた。
太吾はかはっと喉を鳴らし、止めていた呼吸を取り戻すと丸くなって苦痛に耐えながら呻く。
「やめ、ひ、ぁ、イ、タい、イダ、やめ゛ぇぇっぇぇ゛ぇえぇ! あ゛ぁぁ」
痛い。重い。
苦しい。痛い。キツい。痛い。
頼むから早く終わってくれと思う。
それしかない。
それしかないはずなのに。
それなのに。
揺さぶりの狭間に時折顔を見せるこれはなんだ。
じわり、じわり。
沸いてくるそれ。
そんなはずないのに。
もっと。
何が。
ああ、これは。まさか。
気持ちがいい、のか?
それは、そんなのはおかしい。
もっと。
いやだ。
そんなハズない。
もっと。
違う、嫌だ。
もっと━━
「もう後ろ、イきそうだな」
「イっでる、も、イッでるぅぅ、おかし、こんなのおがしぃんぁン゛んんんんんンンンンンンッ!!」
立花の見立て通り太吾が後ろで派手にイった直後、立花は絶妙のタイミングで太吾の前を容赦なく扱いた。
連続する二つの絶頂の波に太吾は悲鳴を上げる。
「イ・ゃあ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
太吾の叫ぶような喘ぎを聞きながら、立花はより締まった奥に吐精した。
立花もまた詰めていた息を解放するとともに、痙攣しながら身を投げ出す脱力しきった太吾の足をおろす。柔らかくなった立花の雄が結腸から出て行く感覚に太吾が小さく呻いてびくりと震えた。
立花はそんな太吾をひと撫でし、体が冷える前に布団を掛けてやる。そして自身も素早くゴムの処理を済ませてから太吾の隣に潜りこんだ。
回らない頭と人肌の心地よさに太吾はすでに思考を働かせることを放棄している。
妙に甘く口づけてくる立花に、力が入らずなされるがままだ。普段なら寝ぼけて相手を間違えているのではないかと眉を顰める所だが、急激に重くなる瞼にその余裕もない。
全裸同士で汗をかいた後でぺっとりと貼り付く肌が少しだけ気になったが、もう抵抗する気力もなく太吾は気を失うように深い眠りについた。
寝落ちた太吾を固く抱きしめ、立花は眉を曇らせる。
ユカリや店の一見の女性客とそつなく会話する太吾を見て、その気遣いをありがたく思う。
常連の壮年男性らと楽しそうに会話する姿にこちらも和まされる。
能天気に思い付きで手伝いを申し出る太吾に何とも言えない歓喜を感じる。
だがその反面、立花は胸中に苦みを覚えるようになった。
女を抱いてもいい・女を抱けないようにしてやる、これまでずっとそんな事を考え、言ってきたが結局は太吾次第なのだ。
太吾はバイだ。
太吾が本気で女がいいとなれば、立花は受け入れざるを得ないだろう。
今はまだしも、この先完全に心が離れてしまえばこんな関係と生活の継続は不可能だと思っている。
だから今のうちだ。
どうせいつかは離れるのであれば。
今のうちに。今だけは。
好き勝手してやろう。
そう立花は思うのだった。
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