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5、後日談 お師匠さんは追及する
しおりを挟む「お前どうやって勉強したんだよ、エロ本か?」
あのテクはどこから来たんだ。
夜遊びなんてした事も無いのにと不思議に思って尋ねた。
「━━」
珍しく弟子が黙り込む。言いにくい事か。それならなんとしてでも聞くしかねぇな。
「正直に答えんと言うまでヤんねーからな」
「花街に影を送って実地にて勉強しました。あっ、でも指しか突っ込んでないです! 性器を挿入するのは師匠だけって決めてましたから!」
すごい勢いで白状しやがった。そこまで赤裸々に言わなくてよかったし聞きたくなかったわ。
頭がいいはずなのにそんな馬鹿みたいな事を考えるなんてさすが童貞、そう爆笑したいところだが━━
影とは魔術で作る分身みたいなもんだ。木偶みたいな影なら大抵の魔法使いが作りだせるが俺やコイツくらいのレベルともなるとほぼ分身だ。それをそんな事に使うなんて。権力者や軍のトップが聞けば卒倒するだろう。才能の無駄遣いとはまさにこの事だ。
「どこ送った?」
純粋な興味で聞いてみたが、超高級娼館・歓楽街・性ビジネスタウンの名前を列挙され途中で己の顔からニヤニヤとした笑みが消えた事を自覚した。
大陸の最果てレベルの歓楽街にまで影飛ばしてんじゃねぇよ。恐ろしい事に全く気付かなかった。この俺がぞ?
そうだ、コイツは努力家かつ研究熱心だった。
白状すれば今後もヤる、的な発言をしたが早まったかもしれない。
コイツから与えられる身も世もない地獄一歩手前の快楽は老体には毒だ。そしてそれを拒絶しきれない所がもっと嫌だ。もう約三百歳といい年なのに性欲が健在なのがいけない。まったくいつになったら落ち着くのやら。
そもそも弟子を魔法使いとして育てたのが間違いだったのかもしれない。
いや、でもあれだけ魔力が強いと魔王とかにもなりかねんしなぁ。
人身御供。
そんな言葉が浮かんだ。
************************************************
次話 弟子目線となります。
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