辺境のご長寿魔法使いと世話焼きの弟子

志野まつこ

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3、弟子が卒業する夜※

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「はじめてドアを開けた時、師匠すごい驚いた顔したあと一瞬だけ嬉しそうな顔したんですよ。弟子になるつもりで来ましたがあまりにもその顔が可愛くて、絶対に生涯一緒にいようって思ったんです」
「やめ、も、ムリ……ッ」

 ケツに弟子のデカいのが刺さってるのはどういう事だ。

 こうなる前に弟子にちんこをしゃぶられてイカされて、吐精した精液はダイレクトに飲まれた。その後口付けしようとしてくるから咄嗟に頭突きして弟子の口に清浄魔法を施した。そんな事より他にする事があっただろうに。
 その隙に弟子のお手製と思われるぬるぬるを使われてケツ穴をいじり倒された結果、現在腰の下に枕をあてがわれ腰を高く上げられるという間抜けな体勢で、ソコめがけて弟子が猛然と腰を振っている。
 年寄りは労われと━━あ、言ったこと無かったな。俺の教育不足か。そんな事言わなくても出来る奴だったから油断してたわ。

「痛いですか? ちゃんと勉強したから大丈夫だと思ったんですが。すみません、どこが痛いですか?」
 痛くなんてねぇよ!
 てめぇの作ったぬるぬる効果すげぇわ、さすがは俺の弟子だわ。ちくしょうめ。
 痛くなんてないから。
「ちんこ握んなぁぁぁ」
 腹の中をかき回されながらちんこを扱かれてトびそうだ。
 ダメだ、こんなのおかしい。
 かぶりを振ってソレを逃そうとするのに。

「大丈夫そうですね。そう、『気持ちがいい』ですよ」
 いけしゃあしゃあと弟子がほほ笑む。それは嬉しそうに、優しく。顔がいいヤツのそんな顔は卑怯だ。

 快楽。
 やっぱそうか、コレすげぇ頭がおかしくなりそうなほど気持ちがいい。
 なんでだよ。
 体が熱い。たまらない。

「いっしょ、やめ、やめ、い、イく、ヤだ」
「気持ちいいって言って、もっとよくなりますよ」
 もっと?
 これ以上?
 嘘だろ。
 請うように口付けられ、乳首を嬲られる。無理な体勢での密着に腹の奥を抉られ腰がびくびくと震える。

「ほら、気持ちいいですね」
「気持ちいぃぃぃ」
 言わされれば口を塞ぐ気かというような口づけを再開された。どこもかしこも無駄にたくましい体に固く抱きしめられ突き上げられる。筋肉男の拘束に過ぎた愉悦を逃すことも出来ない。
「またクるっ、またクるぅ!」
「私もすごく気持ちいいです。師匠の中は溶けそうなくらい熱くて狭い」
「こんなの知らないぃぃ」
 恥も外聞もなく泣き声だ。

「はい、師匠は男好きする体だし長生きされてるから男を知ってるかと思っていました。私が初めててすごく嬉しいです」
「好き勝手言うなぁぁぁ、っああ!」
 誰が男好きする体だふざけんな。言いたかったけど射精して言えなかった。
 ひときわ強く奥の壁を殴るように突き上げられた瞬間、脳が白く弾けた。
 さっき絶頂したはずなのに、腹が急激に収縮して中の弟子のでかい雄を絞め付ける。それがたまらないなんてどうかしている。

「━━ッ」
 弟子が耳元で苦し気に息を詰め、腹の中に脈動と熱を感じた。
 弟子の子種に含まれた魔力を粘膜が喜々として吸収している気がする。俺はもう一度大きく痙攣して達した。
 なんだ、いまの。
 ヤベぇ。
 死ぬかと思った。長寿なのに。

「かわいい」
 中出しでナカイキするなんて。さすがです師匠。
 そんなことを呟かれた気がするが耳が詰まったみたいになってて合ってるかどうか分からない。
 でもロクでもない事を言われた気がするし、絶対馬鹿にする言葉だったはず。それはそれは嬉しそうに、優しく言われたが間違いない。

 ちゅ、ちゅと顔から首元、胸元にキスの雨を降らされる。
 抱き起こされ座った弟子の足の上に座らされた。中に弟子のが入ったままなんだが。
 こっちはぐでんぐでんでされるがままだ。

「ほら、こうすると師匠も動きやすいでしょ。好きなように動いていいですよ」
 これは世に言う対面座位というやつだろう。
 誰が動くかバカタレが!

「ああ、初めてなのに上手ですね。さすが師匠」
 動く気なんてこれっぽちもなかったのに、ちょっと弟子が腰を突き上げて来てそれが合図だったみたいになんでか腰が動いて奥へ奥へと導きこもうとするし、弟子の動きに合わせて腰を振っている。

「あ、あ、あ、い、いい、コレふか、きもちい、奥すご」
「師匠、奥好きですよね。私もココに当てるの気持ちがいいです」
 腹の前も、奥もゴリゴリと抉るかのごとく弟子の硬い先端で捏ねられ腰が跳ねる。

「ひあっ! もっと、奥、来て、いっぱい、熱い、いっぱいになる」
 なんか口が止まらない。嫌だ、こんなの俺じゃねぇ。それなのに弟子はこれまで見た事ないような締まらない顔で笑っている。
「はい」
 そう言ってひどく嬉しそうだ。
 こんな顔を見るのは久し振りだ。ガキの頃はこんな顔で素直に笑っていた。

「あ、ひっ、もうむり」
 いっぱいいっぱいで、もう終わりにして欲しいと思うのに。
「もっと、もっとほし」
 なんかよく分からんことを口が勝手に口走る。なんだこれは。

 もうずっと昔の事だが女と寝ていた事もある。空しくなってやめてからは随分とご無沙汰だ。
 百年以上誰かと肌を重ねていない。
 もう記憶もおぼつかないが、こんなのは違う。

 快楽に追い詰められる。
 記憶を塗り替えられ、体が作り変えられていくような感覚。追い込まれて行くのが分かるのに恐怖も嫌悪もなくて細胞の一つ一つが歓喜と興奮に小躍りしているようだ。そんなだから脳も体もお祭り状態で、固く抱きしめられる事になぜか安堵を感じる。
 胸が温かい。
 こんなのは知りたくなかった。
 すぐに失ってしまうのに。

「もう一人にしません。その為に師匠から学んで来たんです。もうずっと一緒ですよ」
 薄れゆく意識のなかそんな声が聞こえた。

 ムリだ、ばーか。

 そんなことは不可能だ。
 分かっているはずだろう、馬鹿弟子め。
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