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【スピンオフ】ヴァンパイア医師とデュラハン作家の特殊な夜
4、後背位でセルフフェラ※
しおりを挟む「はは」
シヴァイツが笑う。
「なんだ、才能があるな。当てるだけで吸い付いて来るし━━引きこもうと必死じゃないか」
勝手な言い分に怒りがこみ上げる。
「前でイくのが嫌なら後ろで達したらいい。天国を見せてやるぞ」
「医者が言っていい言葉じゃないだろ」
強がった直後、解されきった穴をシヴァイツの逞しい肉茎に埋め尽くされた。
拒否も制止も、吐く暇はなかった。
「━━あああッ!」
奥まで挿入された瞬間、これを待ち望んでいたのだと体が叫ぶようだった。
「前が物足りないだろう?」
両手首を背中で一まとめに掴まれ、両肩をベッドにつくように拘束される。四つん這いにも似た腰の下に首を置かれた。目前には自分の隆起した陰茎が揺れ、その奥にシヴァイツの重そうな睾丸が見えた。
「咥えろ」
ドエンは愕然と目を剥いた。陰茎を口にするなど冗談ではない。
「ふざけるな、誰が」
虚勢を張り、肩を揺らして抵抗するが逃げようにも逃げられず、口を引き結んで拒否する。
そんなドエンの本体にある喉ぼとけの下の窪みにシヴァイツは三本の指を添わせ、じわじわと圧迫した。
ドエンはぐっと息を詰め、次の瞬間むせ込み喘ぐ。
そこが急所であるとは、かつてこの男から教わった事だ。
あと一歩で嘔吐感を感じるぎりぎりのところでシヴァイツは手を緩める。
「次は咳込んでいる所に突っ込むぞ」
ぜぇぜぇと呼吸を整えるドエンにシヴァイツはとても医者とは思えないような事を平然と言い放った。
「殺す気か」
涙目で腰の下から訴えるとシヴァイツは鼻で笑った。
「俺を誰だと思ってる。限界は見極めるし、もし心肺停止したらすぐに蘇生させてやるから安心しろ」
万が一にもありえないがな、と何が楽しいのかおかしそうに笑って謎の絶対的自信をみせる医者にドエンは戦慄を覚える。
ダメだ。
コイツはおかしい。
安心出来る要素が何ひとつない。
けれどすべて本気だとなぜか理解できた。
ドエンの両手を片手で拘束したシヴァイツは空いた手でドエンの顎をつかむ。
「ほら開けろ」とでも言うかのような手付きで親指がドエンの口元をくすぐり、口内に指を捻じ込まれる。
思いきり噛んでやりたいがまた催淫作用のある血液を口にする可能性がある。
ましてシヴァイツは『神の手』と呼ばれるほどの名医で、患者の命のかかった手だ。
その手に噛みつくのは躊躇われた。ドエンは常に無意識化において保身を考える男だ。
損害を賠償しろなどと言われた日には破滅する。ドエンもそれなりの資産は持っていると自分でも思うがそんなものはこの男の価値に比べれば実にちっぽけなものだ。
「まぁいきなりは無理か」
ひどくあっさりとシヴァイツは恐ろしく不穏な言葉を吐きながら手を引いた。ドエンは物書きだ。シヴァイツのそれが何を意味するか瞬時に悟って絶望を覚えた。
こいつはこんな事を繰り返す気だ。
怒りのあまり口を開けた瞬間、腰に強烈な刺激を感じた。
「ふ、ぅ━━ッ」
己の陰茎がごく目前で強くしごかれている。
勃起した自分の陰茎をこんなに近くで目にした事はない。先端の穴と、そこから透明の液体がこぼれているのが見える。
「い、やめ、やめてくれっ」
達すれば終わる。
諦念と決意をもって射精感への抵抗をやめた瞬間、限界まで張ったドエンの陰茎の根元が長くたおやかな指できつく戒められた。
「うぁッ、なんでっ」
「前でイくのは怖いんだろ? 後ろでイけばいい」
「イきたい、イく、イくから、イかせてくれっ」
叫んだドエンの口に、シヴァイツは掴んだ陰茎を咥えさせた。
「うンぅぅぅぅッ!?」
「ほら、しっかり腰を上げておかないと喉を突くぞ」
シヴァイツは両手で支えられるようドエンの手首を解放し、抵抗される前に強く中を穿った。
野獣の雄のように後ろから突きながら、ドエンの首に告げる。
頭は四つん這いにされた自分の股間とベッドの間に置かれ。それだけでは飽き足らず己の陰茎を咥えさせられたドエンは声を上げることもかなわず必死に腰を上げてシヴァイツからの容赦のない腰遣いに耐えた。
体の下に頭がなければとっくにシヴァイツからの突き上げに腰を落とし潰れていただろう。この状態でそんな事になれば自分は自分のナニに喉をつかれて絶命するかもしれない。
もはや間接的なイラマチオだ。喉まで容赦なく犯されるのが苦しくて必死で腰を上げ続けるが、そうするとシヴァイツの剛直の衝撃をすべて後孔で受け止めることになる。
奥を強く穿たれる衝撃に脳が飛びそうだった。それでも呼吸を確保する為に尻をシヴァイツに押しつけざるをえない。
くく、とシヴァイツが喉で笑うのが聞こえ、苛立ちに歯を食いしばりたい気持ちに駆られるがそんな事をすれば悶絶する羽目になるだろう。
絶対に歯を立ててはなるまいと必死で口を広げると喉奥まで先端が押し込まれる。それが嫌で押し返すために踏ん張って腰を上げているというのに、自分からシヴァイツの剛直を奥まで飲み込もうと腰を当てて来るのだとシヴァイツは嘲うのだ。
自分の陰茎に喉奥を突かれ呼吸もままならない。
拷問の様な仕打ちに未知の苦しさと、このあまりにもあまりな仕打ちに本能で恐怖を覚える。
それなのに自分の陰茎が微かに拾う快楽と、胎内を突かれる事による強制的な享楽に翻弄され狂いそうだ。
こんな行為で快楽を得るなどと、酸素が足りず頭が朦朧とするせいだとドエンは思った。
喉を犯され、陰茎は口淫を受け、後孔を掘られる。
自分はいったい何人分の相手と性交をしているのか。一度にそんな状態に晒され機能を失い、溶けきったような脳みそはそんな事を思う。
「おっ、お゛・ンぐぅッん」
死ぬほど苦しいというのに、普段はうんともすんとも言わなかったのに、なんで愚息はこんなにデカくなってるんだ。
しかもドエンのそれは人に比べて大きめなのだ。自慢の逸物だったのだ。これまで優越感をもたらしてきたのに今は怨嗟しか感じず、ひたすら早く終われと願わずにはいられない。
そうやってドエンは意識を他に向けようと必死だった。
全身に走る快楽になど気付きたくない。
「ぐ……ふ、ぅうう!」
シヴァイツはドエンが酸欠を起こさぬよう緩急をつけ、突き上げをやめてゆるく中を捏ねる。その隙にドエンは酸素を確保するため腰を上げ、口から己の陰茎を抜こうと試みたが絶妙の距離で完全に抜くことが許されない。
「自分で腰を上げて押しつけてきてるのが分かるか?」
腰を押しつけるのは呼吸のためだと分かってるだろうが、そう罵倒してやりたいのに口には相変わらずなぜかひどく勃立した自分の陰茎が入っている。
「そこがいいのか?」
わざとらしい愉悦を滲ませたシヴァイツの声に睨みつけたいが己の身体が邪魔をしてシヴァイツの顔は見えない。
見えるのは片膝をつき、片足だけをベッドに立て獣のようなスタイルで己を犯す男の様だ。
ひどく雄を感じさせるとともにまるで犬が小便をするような姿。
なんて滑稽で間抜けな姿だと遠く思う。
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